Thursday JUNKO at The BlueNote In Fukuoka
2001年 03月 25日
22日11:50分羽田発のJAL便で福岡へ向かう我々だが、相変わらずテンションの高いのはベースのロクさん。オレンジのトレーナーに紺のベレー帽のいでたちで、ひときわ高らかな笑い声が空港内に響き渡るので、みんなが何処にいるのかはすぐわかるので便利(?)だの〜。
それに比べて、重度の花粉症に悩むサックスのゴトウさんは、鼻炎の薬を飲んでるせいもあって、ボーッとしてる感じでやや元気がない。いつものスピード感あふれる軽口も、今日はキレがいまひとつ。でも、全然めげないのがこの人の凄さだから、ま、ほっときましょう。
一方、ネエサンことバック・ボーカルのアッコちゃんは、宿泊先のホテルにプールがあることをめざとくチェックしており、ちゃんと水着を持ってきたとのこと。あいた時間に水泳して体力維持をはかるつもりらしいが、こちらとしては、水着とゴーグルをつけて今夜のステージにあがってくれるように必死で懇願するも、「え〜かげんにせぇ〜よ、このオヤジ!」と大阪弁で軽く一蹴されてしまった。ん〜、残念だ。
14時にブルーノート着、もうすでに楽器もセットされていて、準備万端の様子。実は東京から空輸した機材がいくつかトラブルをおこして使えない状況だったのだが、今回唯一の東京側スタッフのキクことサウンド・クルーの菊田君(またをオリバー君、時にサル。)と福岡の楽器スタッフの素早い対応で、無事に乗り切れることができた。
おや、前日はロバータ・フラックがやってたのね。ゴトウさんが昨日のセット・リスト(曲順表)を見つけてきた。ははあ〜ん、‘Killing Me Softly With His Song’‘Feel Like Makin' Love’それに、‘First Time Ever I Saw Your Face’もやったのか、さすがに名曲ぞろいだね。
さて、初日のサウンド・チェックとリハーサルは割と入念にやって、ステージやモニターの感触をつかむことにした。途中、キャロル・キングの‘You've Got A Friend’を演奏してみたりして、本日のメニューも再検討してみた。PAスタッフとのコミュニケーションもうまく進み、さあ本番よろしく!17時近くに開場すると、すでに外で並んでいたお客さん達でみるみる満杯となっていった。イエ〜イ、ワクワクしてくるじゃないの!
19時に一回目のステージの始まりだ。‘Izm’でスタートし、‘永遠’‘たそがれマイラブ’とつづく。お客さんが入って、ステージ上に溜まりやすい低音成分が適当にすわれ、よりクリアにそれぞれの音が聞こえるようになり、とてもやりやすい環境になった。おかげでそれぞれの演奏にみんなが適宜反応して、生き生きとした即興性がうまれ、スッゲェ〜楽しくなってきたぞ!特に、ドラムのハマちゃん(濱田尚哉君)は絶賛に値する。クールな顔して実に余裕のあるプレイでなんとも頼もしい。懐深く俺達を包んで、ビートをプッシュしてくれている。
ステージと客席が近いので、お客さんの表情がよくみえて、これもなかなかおもしろい。こちらへの期待で目をキラキラさせてる人や、適度のアルコールですっかりリラックスしてる人、最初からノリノリで手拍子してる人、それと驚いたのは、歌詞を一緒に口ずさんでる人が多かったこと。おまけに新作の“Time Flies”を手にしてる人もいたね。イヤ〜、感謝感激!それに、いろんな世代の人が集まってたな〜。あらためて、ジュンコさんのファン層の広さを実感したし、とっても励みになるよ、ほんと。
‘Disco Medley’では、ステージと客席が一体となる感触を実感できた。エンディング間際の【タマちゃんSHOW】では、いつも以上にキレまくったギター・プレイに、大喝采だ。まったく、いつもおいしいとこ持ってくよな!そして、今回ならではというわけで、次はエリック・クラプトンの‘Tears In Heaven’をアコースティック・ギターとキーボード、それにサックスという編成でやってみた。いかかでした?ジュンコさんが歌うこの曲もなかなかいいもんでしょう。おなじみのイントロ・フレーズが出ると、会場からも声がかかって、いい気分だ。
しっとりとしたムードになって、さあ‘シルエット・ロマンス’だ。やっぱり、待ってました!ていう拍手がひときわ大きい。そして後半戦は、‘サファリ・ナイト’‘ペイパー・ムーン’‘シンプル・ラブ”だ。みんなもよく曲をしってるんだね、サビを自然と歌ってくれてる人がたくさんいた。もう、サイコーです。その熱気におされたわけじゃないだろうが、ロクさんのファンク・ベースがすさまじくねぇ〜か。なんか、危険なムードさえ感じるって気配。と、ギンギンに盛り上がった状態で、一回目が終了した。
21時半からの二回目のステージまで、お客さんも入れ替わり、我々はお店が用意してくれた食事を頂くことにした(とってもおいしいイタリアン)。一回目の興奮を冷ますために、少し赤ワインもきめてみた。さすが、ワインは恋を語るに最もふさわしいお酒、あれ〜、ロマンチックな気分になってるのは私だけですか?おもわず、コーラスのサエちゃんとアッコちゃんに向かって、【君の瞳に乾杯】、なんちゃって。
本日の第2回戦は‘Don't Think Feel It’でスタート。夜も更けてきて、お客さんも大人なムードでカップルも多く、しっとりとした感じだ。でも、最前列で一人で熱心に聴いてくれてる人もいる。ん〜、こういう人は結構細かいとこも聴き込んでるから、なかなか手強いかな?ヨッシャ!バッチっと決めたるぜ。
‘メロディ’がすごくいいグルーヴだ。この曲は21世紀の‘シンプル・ラブ’をめざした大事なレパートリーなんだ。まだまだ、みんなに広く浸透してないけど、演奏するたびに我々もどんどん良くなっていってる、まさに成長し続ける楽曲なのだ。それには‘シンプル・ラブ’から20数年たったジュンコさんの熟成された心情と、まったく変わらず保ち続けられた熱いスピリットが両方込められている。
続く‘たそがれマイラブ’は一回目よりセクシーさが増したようだ。ジュンコさんのボーカルが色っぽく、何ていい曲だろうと思ってしまう。おまけにここ最近のゴトウさんのフルート・ソロは、非常にイキきっててスリリングだ。さすがである。
狂乱の‘Disco Medley’にも所々渋みが加わって、みんなのビートが腰にグッとくる感じだ。やっぱ、多少のワイン効果があるのかな?そして、ビリー・プレストンの‘You're So Beautiful’を今回はピアノとサックスだけでやってみた。シンプルなコード・チャートのみなので、ほとんど即興的に展開していく。本来は男性から女性に捧げるバラードにあえて挑戦するわけで、なかなか神経を使うが、そこがまた楽しい。
さあ、それからは‘シルエット・ロマンス’‘サファリ・ナイト’‘シンプル・ラブ’とお馴染みな曲でイケイケなのだが、特に後2曲でのロクさんが一回目に引き続き、すさまじくファンキーなプレイで血管きれそうだ。もう止められない勢いで、ついに‘シンプル・ラブ’の間奏は通常のギター・ソロを吹っ飛ばして、ベース・ソロとあいなった。これには、バンド内大爆笑のバカウケだった。私も次のコードを忘れそうになるぐらいヤラレてしまったよ。まいった、まいった。
アンコール、そして今日の最後はポール・マッカートニーの‘My Love’で、おお、また今日もやりきってしまったぜ俺達!楽屋でお互いをたたえ合い、労をなぎらいながら、ビールで乾杯だ。あ〜、ライブのあとのこの一杯がたまりません。でも、まだまだ明日もあるぞ、と釘を刺しつつも、今日は久々の博多の夜じゃ!パァ〜っといくぞ〜。