Friday JUNKO at The BlueNote In Fukuoka
2001年 03月 26日
運ばれたうどんは、腰がしっかりあり、つゆとカレーのマッチングが絶妙!それに、トッピングされた卵はちょうどいい茹で具合で、淡雪状の白身を箸でくずすと黄身がとろっと流れ出るという次第。リズム隊ふたりが、その味にすっかり堪能していると、さっきまで腹の調子が良くないと言っていたはずのゴトウさんが、一気にうどんを食べ尽くした。おまけに、残ったつゆがもったいないからと替え玉をオーダーし、結局二人前を平らげたのだ。これには、彼を昔から良く知るロクさんもあきれ顔だ。まして、ハマちゃんはこのゴトウさんの急変ぶりには、強いインパクトを受けたらしい。
その後、ゴトウさんはひとりパチンコに向かい、見事に四箱出したのだ。おかげで、大変なハイ状態でブルーノートにやって来た。昨日はあんなに苦しんでいたのに、花粉症など何処吹く風っていう感じだ。とにかく、この人は実にわかりやすいということだ。
一方、ネエサンは午前中からホテルのプールで泳いできたという。え、そうなの?なんで起こしてくれなかったの?いくら二日酔いで「うどん」は食えなくても、プールサイドで君のことを見守ってあげることはできたのに!というと、ニコッと微笑んだ後そっぽを向かれて、口をきいてくれなくなった。
続いて、サエちゃんが昨日とちがって、かわいらしいスカートで登場したので、本日絶好調のゴトウさんが是非とも自分のことをまたいで通って欲しいと言い始めた。他のメンバーも次々にお願いしたが、当然叶わぬ夢であった。ん〜、残念だ。
さて、ケンさんとマネージャーのツチダさんがきて、今日のメニューを打ち合わせることにした。外で聴いてても、昨日の流れはとても良かったとのこと、じゃあ、こちらのスタッフも慣れてきただろうから、今日も同じセットでいきましょう、ということになった。リハーサルもいたって順調、一時間ほど軽く合わせて終了した。さあ、あとはライブを楽しむだけさ!
一旦ホテルに帰って、本番間際にブルーノートに帰って来ると、客席は満杯、それに今日は金曜日のせいか、こころなしかウキウキした気分にあふれている。私もすっかり酒も抜け、リラックスした状態でステージに上れそうだ。じゃ、みんなヨロシクね!ファイト!オー!
‘Izm’の表情も昨日と微妙に違う。みんな、肩の力が抜けていて、グルーヴがなめらかだ。でも、お客さんの反応は相変わらずとっても熱い。4、5人の女性同士、男性同士で来てる人達や親子二代らしきテーブル、もちろん若いカップルもいて、今日も幅広い客層だね。その人達みんなが、曲が終わるとものすごい拍手をくれる。ん〜、ほんとにありがたいことだ。それに応えるかのように‘たそがれマイラブ’のタマちゃんのアコギがすごくいい表情をだしている。ボサ風のカッティングがすごくきもちいい。
「カレーうどん」リズム・セクションの二人は、今日一段と一体感をみせて、‘Disco Medley’を仕上げた。特にロクさんは昨日に比べて、クール・ガイを決め込んでる様子。昨日のキレそうなプレイもいいが、このクールさもイケてて、たまらない。このムードは後半の‘サファリ’‘ペイパー・ムーン’‘シンプル’でも保たれて、まさに大人のJazz Funkとなった。
第二部でも、このJazz Funk路線は続き、‘Don't Think’‘Melody’が今回の全ステージでのベスト・パフォーマンスではないかと思う。自分で演奏しながら、何てゴキゲンなアンサンブルでしょう!自分で自分を誉めて上げましょう!と感激に浸った。
‘Disco Medley’のあと、‘You're So Beautiful’ではお互いを聴き、感じ、反応しあって、大変スリリングで、とても繊細な出来になった気がする。聴いてた人達はどう思ったかな?
次の‘シルエット・ロマンス’では、めずらしくジュンコさんが歌詞が頭から飛んでしまい、もう一度やり直すというハプニングがあった。その時のジュンコさんのキョトンとした顔のカワイらしかったこと!楽屋に帰ってから、「あそこまでは完璧だったのに!」とすごくくやしがっていたけど、これもライブならではのおもしろさで、逆にお客さんも我々もホッとできた瞬間じゃなかったかな?
こういう後は、もちろんリベンジ的ムードのジュンコさんがとてつもなくイキきったのは言うまでもない。‘サファリ”“シンプル’と怒濤の勢いのジュンコさんを、今日はクールにそして余裕を持って支えるバンドが、ほんとに頼もしい。しかし、‘My Love’では、ジュンコさんだけ一人でイカせるわけにはいきません。イク時は一緒を合い言葉に酒池肉林、老若男女あいみだれて、これぞカオスのエンディングで見事全員で昇天した。
ステージを降りて楽屋に向かう間、「最高!最高!」という声が聞こえた。こんなに嬉しいことはない。まさに音楽家冥利につきる瞬間だ。福岡のみなさん、ほんとうにありがとう!