レコーディング後記その3
2001年 07月 04日
私の目指すシステムは、Macintoshの前にマスター・キーボード一台で完結させることなのだが、ここにきて、それがじょじょに現実のものとなりつつあるわけで、テクノロジーの飛躍的進歩には多いに感謝している次第だ。とはいうものの、オルガンに関しては、後日Hammond B-3に差し替えた。B-3+レスリー・スピーカーのサウンドの魅力は、誰しも抗しがたいわけで、やはり、今回Sound Crewでやっている利点(ヴィンテージ楽器が弾ける)をここでも生かさせてもらったわけだ。
さて、その後タマちゃんのアコースティック・ギターをダビングした。これで、だいぶfolkyな雰囲気が出てきたし、ピアノとのマッチングもいい。そして、ウエちゃんがハイハットをサビに加えることで、よりグルービーな演奏になったところで、本日のメイン・イベント、ロクさんの登場である。なんと、ロクさんは今日ずっと隣のスタジオでリハをしていたのだ。だから、リハーサル終了後、こちらに来てもらうことになっていたわけで、実に効率の良いことでしょう!
ま、とにかく‘Ken M-1’の前半を彩る4小節間のベース・ソロはたった1テイクで終わってしまった。時間にして10秒足らず。ロクさんは素晴らしい集中力とセンスで、まるで一筆書きのように仕上げてしまった。みんな、拍手喝采、大絶賛の嵐であります。彼のような一流ミュージシャンなら当たり前の朝飯前といったところだろうが、にしてもイイ演奏するね〜、このオヤジ!
最後にこの曲のエンディングにタマちゃんの渋めのソロを入れて、この日の作業は終わった。なぜなら、午前0時を過ぎると【トランスフォーマー】が来るからだ。とにかく、彼らが来る前に我々は去らねばならないのだ。ああ〜恐ろしきかな、【トランスフォーマー】!ハードロックの仮面を被った地獄からの使者!その名は【トランスフォーマー】、お願いだからYamahaの10Mとばさないでね。Pro Toolsにもやさしくしてあげてね。彼らのご機嫌が悪くならないように私達はスタジオ内をきれいにして、早々に引き上げることにした。明日、レコーディングが無事におこなわれるかどうかは神のみぞ知る、アーメン。