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レコーディング後記その4

 6月8日は、‘Ken M-2’を録った。この曲は打ち込みでやるので、本日のミュージシャンは私一人である。ひ〜、さみしい〜。いやいや、バンドに負けずに打ち込みでもかっこいいのをつくらなきゃ!がんばろう。

 とはいうものの、打ち込みものは下準備が大事、スタジオに入る前の作業がいろいろあるのよ。例によって、ケンさんよりメールで送られてきたMIDIデータをインポートして、音色を差し替えたり、基本のドラム・パターンにいくつかLoopを加えて、変化をつくったりといった作業は前日、レコーディングが終わって帰宅してから、シコシコやっているのである。

 しかし、実際スタジオで鳴らしてみると、細かいタイミングや音色が気になり始めるわけで、その辺のわりとネチネチしたチェックの繰り返しがしばらく続くのだ。

 だから、リズム・トラックのめどがつくのに、夕方までかかってしまった(ちなみにスタートはたいがい午後1時)。その後、アコギ、ピアノ、ストリングス等のダビング(この曲はすべて打ち込み、All Computer Playing)を終えると、やっとこの曲の全容が現れてきた。むむっ、これ、いい曲じゃないか!なんか、スパニッシュなムードがするメロディーに、ケンさんの打ったクラップがフラメンコのパターンのように聞こえてくるし、複雑に組み合わせたLoopが面白い展開を作り出していて、なかなかスリリングなのだ。しかし、全体は4分にも満たないシンプルな出来で、実に小気味よくまとまってるじゃない!

 私、この曲割りとお気に入りになってしまいました、ハイ。10時台のドラマの主題歌にピッタリと思うけどな〜。ん〜、営業サイドのがんばりに期待しよう。

 この日も【トランスフォーマー】の恐怖を感じながら、12時前に作業を終えた。この後、私は別件のリハとライヴ・ハウスの仕事が続き、その間、ジュンコさんは‘Ken M-1’の歌入れをおこなった。彼女ののびやかで、透き通った声が気持ちいい仕上がりだ。

 でもって、6月13日がバンドによるリズム録りの二日目になる。やる曲は、‘Wada M-5’と‘Ken M-3’の2曲である。この日はギターのタマちゃんがNGなので、3人で演奏することとなったが、普段のフォーマットとは違って、これはこれで新鮮な気分でなかなか楽しめたのも事実だ。

 最初にやり始めた‘Wada M-5’は自分で作ってるから、仕上がりの最終形は頭の中に出来上がっているのだが、そういうものをぶち壊すようなハプニングにも期待したくなるのが悪い性格。最初のうち、私はエレピを弾いてベーシックにしようと思っていたが、なんか盛り上がらなくて、Hohner Clavinetに変更した。それに、リズム隊の二人にはよりルーズなアプローチをお願いすることにした。ワシントン系のGO-GOのようなビートでまとめたかったからだ。理解と反応の早い二人はすぐに野太くファンキーな演奏を始めてくれた。私は私で、クラビを弾くのが楽しくて楽しくて、イヤ〜、結局今回、他にも2曲クラビを入れてしまいましたエ〜、ア〜おもろかった!

 ‘Wada M-5’はちょっとおバカでファンキーなビートをベースに上物は怪しげでゆらゆらしたシンセを重ねて、そのギャップがうまく出ればいいなと思っていたが、その思惑通りになりそうだ。後日、セクシーな歌詞がついて、ますます雰囲気が出た。

 調子づいた我々は、‘Ken M-3’の録音へとなだれ込んだ。これは3連ノリでブルース・ムード抜群の曲で、ステージで演奏してとても映えそうな感じだ。だから、サックス・ソロをフューチャーしたり、ちょっとした仕掛けを多くしたり、エンディングもつけて盛り上がっていこう。最初、ウエちゃんがまたまたケンさんのデモのドラム・パターンを意識しすぎて、硬い感じだったが、突然、舶来ドラマーに変身(?)して、かっこいいグルーヴを出し始めた。ロクさんなんか、「Yeah!Yeah!」言いっぱなしである。なんだ、3人でもゴキゲンじゃん!と、そんなところにゴトウさん登場!なんとGood Timing!

 早速、僕がクラビ、ダビングしますから一緒にサックス・ソロやっちゃいましょうよ!てなわけで、時間は無駄なく有効に使うこと。なんだか、やけにテキパキした仕事ぶりのようだけど、この時のゴトウさんのソロ!いいんですよ。よく歌ってて印象的なんだな。それと、私のクラビ、これもバッチリでした。ですから、この日はなかなか良い成果があがった一日でありました。

 ただ、明日(6月14日)のことを考えると暗くなってしまう。なぜかって?明日は恵比寿のウェスティン・ホテルで大橋純子ディナー・ショーがあるのです。いや、ただ演奏するだけならいいのです。会場にはいるのが朝早いのです。午前中にサウンド・チェックとリハをするのです。おまけに、1回目と2回目のショウの間に5時間の待ち時間があるのです。ア〜、ついに私にとって、最大の試練の日がやってきてしまいました。この過密スケジュールの中、なんとかアレンジとレコーディングをやりくりしてきましたが、‘Sakiya M-6’はまだ手つかずでした。リズム録りは翌15日です。ということは、もう時間がありません。どうしよう。
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by harukko45 | 2001-07-05 00:00 | 音楽の仕事 | Comments(0)

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる


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