クリスマス・ツアー〜第二章:横浜

 12月5日、山形から帰京した私とタマちゃんは、いったん家に戻り、夜の9時に横浜文化体育館に入った。これから、明日の「松崎しげる&大橋純子コンサート」のサウンド・チェックをおこなうためだ。

 会場にはいると、もうすでに楽器もセットされ、準備が整っていた。この現場は松崎しげるさんのコンサート・スタッフにジュンコさん側から、私とタマちゃんに舞台監督のハヤシカワさんが加わるのである。内容は、松崎さん、ジュンコさんそれぞれのコーナーと二人でデュエットするコーナーがあり、なかなか楽しいコンサートなのだ。この企画自体、もう4年前から各地でおこなっており、スタッフもミュージシャン、アーティストもみんな馴れていて、仲も良く、和気あいあいとしたムードがある。だから、仕事も手際よく、チェックもすぐに終了した。

 でも、なんでこんな夜遅くに、サウンド・チェックするかというと、明日の本番は午前11時から一回目で、そのリハーサルはなんと朝8時からなのだ!だから、舞台の仕込み等は前日の夜とあいなったわけである。普通のミュージシャン時間で考えると、午前中は使い物にならないので、今回の仕事は、私達にとって地獄の時間割なのである。そして、横浜でありながら、ミュージシャン全員、近くのホテルに宿泊することになった。

 とは言え、久々に松崎バンドのみなさんとの再会、やっぱり飲みにいくわけよ!松崎バンドは、リーダーのサトウさん(キーボード)、クロさん(ドラムス)、ショウちゃん(ベース)、ミッチャン(ギター)、ユッコさん(キーボード)、トクさん(サックス、キーボード、パーカッション)、サッチャン(バイオリン)の7人。みんな気のいい人達で、私とタマちゃんもすぐに仲良くなり、会うたびに宴会してしまうのだった。

 この日も明日のことなど何のその、1時半ぐらいまで居酒屋で盛り上がった。この人達は話好きだし、話題も豊富で、いつも楽しい夜になる。特にベースのショウちゃんは、酒がすすむと、別の人格が登場し、その場を多いに盛り上げて、これまでにも数々の伝説を生み出してきた。もちろん、ここでもハイテンションで語りまくり、みんなで大笑いなのだ。この後、私は寝床についたが、ショウちゃんとトクさん、ユッコさんは、部屋で飲み続けて、4時までだって!次の朝、8時にやっぱりショウちゃんは起きられませんでした。もちろん、酔いがまだ残ってたでしょうね。

 しかし、苦しみの早朝リハを乗り越え、本番の11時にはシャキっとするもんです。さすがプロだね!

 さて、オープニングのインスト‘The Winter Games’から、‘愛のセレブレイション’で、まずはジュンコさんが登場、Aメロ前半を歌うと、それに応えるように松崎さんが登場、そして、サビでは二人でハモっていく。この贅沢な組合せ、それに二人にピッタリな選曲、もちろん素晴らしい歌、ま、文句のつけようがありませんな。これで、いつもつかみはオッケー!その後、松崎さんの軽妙なトークで、すっかり会場のお客さんはニコニコになってしまうのです。ジュンコさんもなかなかいいツッコミを随所にいれて、息がぴったりだ。あら、夫婦漫才でっか?こっちも笑わしてもらってます。

 そして、ジュンコさんコーナー。‘シンプル・ラブ’‘たそがれマイラブ’‘シルエット・ロマンス’をやったが、‘シンプル・ラブ’で、松崎バンドに手伝ってもらい、‘たそがれマイラブ’はタマちゃんと二人、‘シルエット・ロマンス’はユッコさんが加わって、三人でバックをつとめる。だから、またそれぞれの曲がいつもとは違ったバージョンとなるのである。

 続いて、松崎さんとジュンコさんで50年代の懐かしのアメリカン・ポップスを歌いまくる‘オールディーズ・メドレー’。誰でも聴いたことのある名曲が後から後から登場して、実に楽しいのだ。アレンジも良くて、エンターテイメント精神あふれる素晴らしい一品に仕上がっている。これは、いっつもバカ受けなのです。超オススメよ!

 多いに盛り上がったところで、ジュンコ・チームはそでに引っ込み、これからは松崎さんのコーナーとなる。松崎さんは常に全力投球、お客さんを喜ばし、感動させるその歌いっぷり、汗びっしょりのステージングには毎回頭が下がる。ほんとに素晴らしいエンターティナーであり、プロ中のプロだ。たぶん、誰でも彼の生のステージを体験すれば、必ずや感動するに違いない。果たして現在の日本の音楽界で、真っ当なライブができるヴォーカリスト、アーティストが何人いるだろうか?この、お寒い日本の現状で、松崎しげるさんは数少ない本物の歌手・エンターティナーであると断言できる。

 映画音楽のメドレーに始まり、‘愛の8日間’‘抜け殻’と熱唱が続くが、この間、松崎バンドはとても的確にサポートしていく。歌を中心に余計なことはせず、それでいてゴージャスな効果も忘れていない。ピアノのサトウさんは実に安定したプレイぶりで、常に歌い手の立場に立っていて、これなら歌手の人は歌いやすいだろうなと、いつも感心させられる。

 このコーナーの最後は大ヒット曲‘愛のメモリー’だ。とにかく名曲、名唱である。かつての日本の作曲家は素晴らしい曲を残している。今の作家連中はたるんでいる。過去の先達にもっと敬意をはらい、勉強すべきだ。でなければ、J-POPなど未来はないだろう。

 ところで、この曲を私はいつも舞台の袖で聴いているのだが、曲自体の良さを楽しむだけでなく、別の楽しみもあるのだ。それは、トクさんのシンセによるブラスのパートの男らしいプレイぶり(タマちゃん曰く)を聴くこと。つまり、彼は一拍のとらえかたが長く、ギリギリまで弾いて、その切り際がスパっと未練がないのである。そこがイキなのだ。また、おもにストリングスのパートを弾いているユッコさんの表情がたまらなく色っぽい(これもタマちゃん曰く)ので、これもしかと聞き逃さず、いや、見逃さないようにするのである。いや〜、今回も堪能しましたぞ。また、新たにユッコさんが書き加えた間奏が、良い出来でなかなかの仕上がりになっていたのにも感心した。

 アンコールでのクリスマス・ソング・メドレーでは、全員のコーラスも充実していて素晴らしかった。そして、ジュンコ・チームも加わって、ラストは‘エンドレス・ラブ’。ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーでお馴染みの曲。この曲はジュンコさんにピッタリなのだ。彼女のかわいらしさがすごく良く出ていて、歌声が愛おしいのである。それを、松崎さんがしっかりと支えていて、私など演奏しながら結構、感動してしまった。イヤ〜、ホント音楽っていいもんですね。

 さて、次回は9日に飛騨高山にて、松崎さんとのジョイント2日目である。私は今日ジュンコさんとともに前日乗りで、現地に入る。松崎チームは金沢のショウを終えて、バス移動してくるらしい。また楽しい夜が続きますな。それでは、この辺で。
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by harukko45 | 2001-12-08 00:00 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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