大橋純子/ブルーノート・ツアー終了
2003年 06月 29日
その成果の具体例としては、ブルーノート全12ステージで、一日の前半ステージ(19:00スタート)は全てソールド・アウト、後半ステージ(21:30スタート)もほぼ満杯のお客さんに来ていただいたこと。また、ライブの満足度を計る上で顕著に現れる終演後のCD即売の売り上げ枚数が、近年希にみる高い数字をはじき出したこと。実際に、席から立ち上がって手拍子したり、踊り出したりするお客さんたちがたくさんいたし、終演後には我々バンドにも、熱狂的に握手を求めてくる方が多数いたり、そして帰宅してみると、実際にブルーノートに来てくれていた方々からのメールが届いており、その熱いメッセージにこちらが感動してしまったりと、いくつも上げられるのである。
そういった例年を上回る反響が、ある場所のみに現れたわけでなく、訪れた3カ所すべてでおきたことは、我々に少し自信をもたらしてくれたように思う。ここ数年、内容をしっかり吟味し、コツコツと続けてきたライブ活動が、間違っていなかったという手応えを感じるし、ツチダ、オザワ両マネージャーの安定した、かつ、前を見据えた仕事ぶりで蒔かれた種が、じょじょに芽を出し始めたとも言えるような気がする。私は今の大橋チームのまとまり、充実度を今回あらためて高く評価したいし、その一員であることに喜びを感じている。
アメリカのベテラン・ロック・グループ「サンタナ」が、何年か前に再ブレイクした際、その要因に、それまでの数年間にわたる全米ライブ・ツアーを地道につづけて、全米各地に眠っていた「かつての〜そして本物の」(60〜70年代をロックやポップ・ミュージックとともに成長した)音楽ファンを蘇らせたのだ、ということをある人が指摘していたのを雑誌で目にしたことがあるが、まさに、それと同じことが規模はまだ小さいが我々にもおきているのではないかと予感させる「何か」を、私は体感することができたような気がするのである。
もちろん、これでいい気になっていては、せっかくの芽を大きな実に結ぶことはできない。まさに「勝手兜の緒を締めよ」の心境であり、最後の「スイートベイジル」に向けて、準備・調整を怠らず臨んでいく所存である! ペペペンペンっと!
さて、いつもならステージで演奏した曲を一つずつピックアップして、もろもろ語っていくのが私の「ボヤキ」なのだが、ここに来て、うれしいことにホームページをチェックしてからライブにみえる方も増えており、今回のセットの内容をくわしく書いてしまうと、東京公演のお客様達の興味を半減させかねないので、といっても、別に大それた構成がなされているわけではないが、前半と後半の変化を十分楽しんでいただくためにもここではまだシークレットにさせていただく。
それでは、「スイート・ベイジル」をお楽しみに! それから、ブルーノートに来てくれた皆さん! ほんとうにありがとう。あなた達の素晴らしさは一生忘れません。感謝感謝であります。そして毎年のことながら、ブルーノート各店のスタッフの皆さんの常に最善を尽くしてくれる仕事ぶりにも、大いなる讃辞と敬意を送ります。