1月26日、午前3時
2004年 01月 26日
演奏も久々の大きな会場で、メンバーが盛り上がらないわけもなく、そして我々のモットー「自分達が楽しまなければ、お客さんも楽しめない。」を実践すべく、昨年後半からの十分にこなれたメニューでも、「今まさに生まれたての音楽」として、新鮮な気持ちを忘れずに演奏していったのであ〜る!
それに北海道はジュンコさんはもちろん、長くバンドとして関わる我々にとってもホームグラウンド的な土地柄。お客さん達もアット・ホームな対応なので、とってもやりやすいのだ。おかげさまで、今回も熱狂的なアンコールをいただいて、我々も充実した気持ちのいい疲労感を味会わせてもらった。
さて、その後の打ち上げは言わずもがなのの、大宴会。新年会も兼ねてだし、主催者側の去年を上回る大接待に、感謝感激で、アルコール度の急上昇とあいなった。結局ホテルに帰ったのは、明け方5時近くでありました。
翌朝? 違う、正確にはその約1時間後にはホテルを出て、私とマネージャーの土田さんは朝一便で東京に戻った。その日は、午後1時からレコーディングがあるからだ。もちろんジュンコさんのニューアルバムである。
21日に録音した‘ふとした瞬間’と‘パラレル(旧タイトル‘Ken M-3’)’のダビングである。‘ふとした瞬間’に関しては、札幌に行く日の朝まで作っていたストリングス・パートを入れて、オルガンやブラスを整理した。あと、ちょっと気になっていたオッサンのギターの扱いは、エレキに関しては、聴き直せば聴き直すほど、彼のプレイにすぐる物なしと感じたし、アコースティックのカッティングも彼のプレイをフューチャーした方が個性的であることが、あらためてよくわかった。
そしてこの日、後からスタジオにかけつけてくれたロクさんが、私の意図を十分理解してくれるゴキゲンなプレイで、よりソウルさが加わったのだった。と言うより、ロクさんが入ってくれたことで、私の迷いはすっきりと消え、音楽の方向性に狂いはなくなったのである。
実はこのところロクさんもアメリカのソウルの巨匠、アル・グリーンの新譜にはまっていたし、私もアリシア・キーズやアンソニー・ハミルトンのような70年代ソウルのスウィートなメロディやノリを今に生かそうとしている若手が大好きなので、こちらから注文をつけることもなく、音色もプレイもバチッと決めてくれたわけだ。(ちなみに今出てるアリシア・キーズのセカンドは、各方面からの評価も高いし、本当に素晴らしいね。大推薦。)ただ、もうちょっと細工がしたくなったなあ。たぶんストリングスとオルガンのパートにもう一工夫だな。
‘パラレル’の方は、オッサンのアコギのおいしい空ピックのノリをもっと生かしたくて、ハイハットのパターンを整理した。こういうところが、意外とキーだったりすることもあるのだ。それに、こちらもベースを生に差し替えた。プレジションからジャズ・ベースに持ち替えて、ロクさんは余裕のプレイぶりで全体をまとめてくれた。やっぱり人間が増えることで、暖かみがでるね。ただ、ケンさんはエレピのサウンドに若干物足りない様子。こちらももう一工夫というところだ。また、ゴトウさんのサックス・ソロを入れる予定になっている。
そして、すでに唄入れまで終了していた‘あの頃のように’のハイハットとシェーカーを入れ替えた。これによりずっと気になっていたノリの部分が、スムースに流れるようになったと思う。とにかく、この曲はケンさんのメロが良いので、聴き手が唄に集中できるようにしながら、適度にゴージャスなバックにまとめなくてはならない。この辺の微妙なサジ加減はとっても大事なところだ。とは言え、この曲と土屋昌巳さんがギター・ソロを入れた‘星を探して’は自分でも会心の仕上がりといっていい。TDするのが今からとっても楽しみで、今までの仮ミックスを何度も聴いてて、一人ほくそ笑んでいるのである。なかなかこういうことは自分としてはめずらしい。
さて今後は、私以外のアレンジャー・プロデューサーによる作品も登場して、ますます華やかなレコーディングとなるのは必至だ。とくに土屋昌巳さんとジュンコさんの久しぶりのコラボーレーションがどうなるのか、私としてもワクワクしている。随時ご報告するつもりだ。お楽しみに。それでは、今日はこの辺で。