最終曲(2)
2004年 02月 22日
私の作業としては、ケンさんのデータで音色をかえたり、バランスを整えたりというトリートメントが主だが、部分的にブラスやらシンセやらピアノやらを加えて、より豪華さを出すように工夫したつもりだ。だって、最後だもんね。ハデにいきたいじゃん!
で、実際にスタジオでは私の自宅での録音をテープに流し込んで、それをケンさんがチェックするのである。そして、ハイハットの音色やノリを手直しし、エレピをケンさんのベーシックに戻すなどの作業を終え、私の役目はとりあえず終了した。
その後、ギターの古川望君に来てもらい、素晴らしいバッキング・プレイをレコーディングできた。いい演奏を常に(!)してくれる彼には、本当に感謝している。これぞ、スタジオ・ミュージシャンの鏡であると絶賛したい。
そう言えば、今回のアルバムは偶然にも、素晴らしいギタリストの競演という聴き所もあるのだ。土屋昌巳、土屋潔、徳武弘文、そして古川望。この日本を代表するような名ギタリスト達のプレイに注目しながら、アルバムを楽しむのも良いのではないかな。
さて、ベースの六川正彦さんも忘れてはいけない。ジュンコさんには絶対にはずせないミュージシャンであり、私のもっとも信頼するプレイヤーでもある。もちろん、‘Stray Eyes’でもプレイしてもらった。が、今回はいつもと違い、先に入れてあったシンセ・ベースにユニゾンしてもらったのである。これは、80年代初期に流行った生ベースにムーグなどのモノ・シンセでキーボード・プレイヤーがユニゾンするというサウンド作りの逆をやったというわけ。ま、早いもの順ということで。だから、キーボード・プレイ特有のフィル・インなどに合わせてもらって、ご苦労をかけたが、最後はさすがロクさん、しつこくこだわって見事に仕上げてくれた。これにも感謝感謝でありました。
これだけでも、ゴージャスなオケ(でも品性のイイやつだよ!)なのだが、24日には後藤輝オさんにテナーでソロ入れてもらい、26日にはこれまたスペシャル・ゲストとして斎藤ノブさんにパーカッションを入れてもらうこともきまった。なんとまあ、最後の最後で豪華なこと! お楽しみは最後まで、ということね。
それと、ジュンコさんはこの後、4月発売のニューアルバムをひっさげ、斎藤ノブさんや古川君ら一流ミュージシャン達とブルーノート、スイートベイジル・ツアーをおこなう。今回、我々は参加せず、30周年をお祝いするにふさわしいスーパー・バンドとの競演で大橋純子ファンのみならず、他の音楽ファンも注目すること必至ではないかという、事務所側のねらいもこの際理解しましょう。
だから、私達ジュンコ・バンドの方はしばらくお別れで、こちらの方は夏の再会を目指して 各自がんばることだろう。このボヤキ・コーナーもしばしジュンコさんを離れた視点で、もろもろ、いろいろ、ボロボロとボヤいていこうと思います。もし、良かったら今後ものぞいてやってください。
いよいよ来週からトラックダウン。最後まで気を引き締めて、最後まで愛情を込めて、仕上げにかかりたいと思っております。それでは、ニューアルバム・レポートはこれにて終了。お後がよろしいようで。