W杯2002/祝決勝T進出〜しかし、その後
2002年 06月 18日
もちろん、そのパワーを私も得て、2日間・4ステージをしっかり、こなすことができたと思っている。先週の福岡でのいい流れをそのまま引き継いで、この大阪でのライブは、より曲一つ一つがこなれてきて、ある意味、リラックスした良さにつながったのである。
例えば、‘微笑むための勇気’は、もう前からのレパートリーと比べても遜色ないクオリティであると断言できる。特にイントロのゴトウさんのソプラノ・サックスや後半のウエちゃんのドラミングには、ライブならではの「らしさ」が出てきて、レコーディング・バージョンの精密さに、よりアグレッシブなシーンが加わってきたのだ。この曲は、近年の作品の中での自信作、最高作としての風格を、これからどんどんと付けていくに違いない。え、ちょっと大げさですか。いやいや、良いものは良い。素直に自画自賛することも大事。いつまでも、最近の日本人特有の、「謙遜の美徳」を「自虐的転換」する悪しき傾向は、もうやめましょう!そして、もっと自分をほめましょう、おまけにみんなもほめましょう。自分に自信を持ちましょう、みんなも自信を持ちましょう!・・・なんて、これもワールドカップ効果なのかな?
そんなこんなで、我々のクラブ・サーキット・ツアーも、あとは27日・東京の「スイートベイジル」を残すのみ。このいい状態のまま、ラストを飾りたいと思っているし、そのモチベーションも高いのだった。そして、その間にサッカー日本代表も決勝Tを勝ちあがってくれれば、言うことなしだったのだが、、、、。
18日。何かが、一つ切れてしまっていたようなムードだった。単純に言えば、決勝T進出でノルマ達成、あとはお祭り・・そんな気分。決勝T一回戦、対トルコ。何処か集中していないような立ち上がりで、開始12分、セットプレーで失点。その後、攻めまくるもののゴールを揺らせず、敗退。何じゃコリャ?この試合は不満が残る。不完全燃焼である。トルコはそれほどの出来ではなかった。逆に日本を意識して引き気味で、ほとんど攻めてこない。何も怖がるほどの相手ではなかった。いや、その前に日本の方がおかしな手を打っていたではないか。西澤、アレックスの先発発表には正直おどろいた。しばし、ポカンとしてしまうほどの驚きである。グループリーグで良かった流れをそのまま引き継いで、柳沢、鈴木の2トップを先発させるのが得策ではないのか。何で、この期に及んで実験する必要があるのか?そして、その心配は的中し、ぎくしゃくしたノリで、なんか重いボールさばき。集中をかいた凡ミスの多さ。そんな流れの悪さで、あっという間の失点も一瞬マークをはずして、相手をフリーにしてしまってのもの。たった一本のコーナーキックで一点取られて敗れるなんて!
おまけにビハインドで迎えた後半、攻撃しなければいけないのに、なぜかアレックスも稲本もおろしてしまった。これには、ますますわけがわからん!常に「戦う姿勢」を選手に求めてきていたトルシエは、最後の試合で自ら「戦う」ことに執着していないようではなかったか。この数日間で監督・スタッフ・選手の間に何があったのか知らないが、テレビ画面の向こうから前の試合のような気迫もエネルギーも感じられなかった。
実はこれからがワールドカップの真骨頂が見られるはずだった。これからが本物のワールドカップなのだ。いつだって、名勝負として歴史に残るのはこれからの試合なのだ。決勝Tに入ると、それまでのリーグ戦と違い、食うか食われるか、やるかやられるかのほんとうの勝負、それを日本には一つでも多く経験して欲しかったのだ。なのに、決勝T初進出をあんなにも喜んだわずか4日後、敗れ去る時の大きな「喪失感」をこんなに早く味わうことになろうとは。
思えばワールドカップで最終的に歓喜の夢に浸り続けられるのは一カ国しかない。どの国のチームも優勝しないかぎり、必ず敗れ、その「喪失感」にさいなまれる。そして、その「くやしさ」を4年間引きずっていくのだ。8年前のアメリカ大会決勝戦、イタリアのロベルト・バッジョは、PKをはずし、ブラジルに敗れた最大の戦犯として、国中の非難を浴びた。4年前のフランス大会、イングランドのベッカムはアルゼンチン戦でのレッドカード退場を非難され、「10人の勇者と1人の愚か者」としてメディア・国民から揶揄された。しかし、彼らはその屈辱を4年後に晴らすべく戦って、勝ちあがっていった。(ベッカム率いるイングランドの戦いはまだ続いている。)
だから、我が日本代表が敗れた今、「感動をありがとう」などと甘っちょろいことを言うんじゃない!だいたい、この国の連中は人生をナメすぎなんだ!何が「感動」だ。「夢をありがとう」だ。ふざけるな!いっつも、こんな程度で満足してるから、肝心な時に勝てないんじゃないか。くやしくてたまらん。その後、韓国のすさまじい勝利を見せつけられて、益々くやしさがこみ上げてきた。あ〜、今日の韓国のイタリアに対する堂々たる戦いぶり、そして見事な勝利に比べて、日本には明らかに緊張感がなかったし、戦略・戦術も未熟であったことを認めざるを得ない。であるから、日本のサッカー協会、関係者、もちろん選手、私達サポーターも今回、なぜこの程度の成績で終わったのか、しっかり総括し、新たな強化に早速のぞんで行かなくてはならないのだ。とにかく、この「くやしさ」を糧にこれからは生きていく、少なくとも私は。