EURO2004/サッカーの怖さ再び

 またしても信じられないことが起きた。「Euro2004ポルトガル」B組、フランス対イングランド。グループ・リーグの各試合の中でも、屈指の好カードなのは誰しも認めるところだったが、実際にこれほど劇的な結果になるとは。早朝に味わうにはあまりにも強烈なインパクトであり、ポルトガルの敗戦に続き、またまたサッカーの怖さを思い知らされたのだった。

 とにかく私としては、若きイングランド代表には、あの余裕綽々で自信たっぷりの王者フランスに一泡ふかしてもらいたかったのだ。そして、イングランドは私の期待通り、前半38分にベッカムのFKからランパードがゴールを決め1-0、その後は実に忍耐強くフランスの攻撃を押さえ込んで、90分までは勝利確実だった。

 確かに、後半72分のベッカムのPKが決まって2-0になっていれば、たぶんフランスは完全に敗れた可能性は高い。それをバルテズに止められたことは不吉なムードを感じさせたのだが、その後もベッカム(攻撃だけでなく、守備面の貢献は本当に大きかった)を中心にイングランドの選手達は、ジダンやアンリやトレゼゲにまったく仕事をさせていなかったわけで、ロスタイム3分を残した時点で、イングランドの勝利、フランスは2002W杯の再演か? と誰もが思ったにちがいない。

 さて、ここで思い出されるのが1999年のチャンピオンズ・リーグ決勝、マンチェスター・ユナイテッド対バイエルン・ミュンヘンによる試合、いわゆる「カンプノウの悲劇」である。それは、バイエルンが見事に試合を(つまらないぐらいに)コントロールしてマンUを押さえ込み、1-0でリードしたまま90分を終え、あとはロスタイム3分を残すのみ。バイエルンのキャプテン、マテウスもベンチに下がり、守備をますます固めた自軍の勝利を見とどけるだけだった。

 普通は、そのまま終わって当然だ。ところが、最後まであきらめずに攻め続けたマンUは、ベッカムの2本のコーナーキックから、シェリンガムの同点ゴール、そして終了ホイッスル間際にはスールシャールの逆転ゴールを生み出してしまったのだ。つまり、90分間沈黙させられていた連中が、たった3分間で2点とって逆転勝利してしまった。その時の呆然自失の表情となったマテウス、あまりのことに倒れ込んでピッチをこぶしで何度も叩いたクフォー、そして今にも泣き出しそうな(泣いていた)バイエルン・サポーターを今でも忘れない。そして、こういうことは何度もあることじゃないと思っていた。

 因縁めいているが、ベッカムは今回逆の立場になった。そして、それを演出したのは彼と同じレアル・マドリーのチーム・メイト、ジダンだった。その前にイングランドは確かにミスっていた。ヘスキーはマケレレに対して、ペナルティ・エリア付近で必要のないファウルをしたのは、実に悔やまれる。しかし、そのFKのチャンスで、ものすごいプレッシャーの中、ゴールしてしまうジダンとは!!

 1-1で、イングランドは糸が切れたのか、続いてジェラードがキーパーへの信じられないバックパス、それをアンリが執念のチェイシングをして、余裕のない状況でジェイムスはアンリを倒してしまい、PK。それを、難なく決めてしまうジダンとはいったい!!

 現在のサッカー界を代表するジダン、ベッカム両雄は見事な活躍だったが、あまりにもくっきりと明暗が別れた。それも、最後3分で。本当に勝負というものは恐ろしい。

 この試合は、今大会の名勝負として語られるだろうが、イングランドはこれで終わったわけではない。今のイングランド代表は大変良いチームで、見ているものをワクワクさせて、私は好きだ。特に、現在プレイヤーとして心身ともに充実していて、キャプテンシーも素晴らしいベッカムの活躍は見逃せない。気持ちを切り替えて、是非とも勝ちあがってほしい。今後も応援したい。
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by harukko45 | 2004-06-14 00:00 | スポーツ

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