大橋純子/盛岡グランドホテル
2007年 06月 26日
さて、今は自宅で例によって、我らがドラマーである植村氏のデジタル・レコーダーで録音された当日の演奏を聞きながら、書いているところであります。
実は、ラジオの公録は別回線で音を送っていたので問題はなかったのですが、会場のPAシステムの突然のトラブルで、オープニング曲の頭2分ほど、スピーカーから音が出ていなかったのでした。ステージ上の我々は、「いつもより音がデッドだなぁ」程度しかわからず、そのようなことが起きていたとは全く気がつきませんでした。
ただし、スタッフの皆さんは大慌てで復旧につとめていたそうです。いやはや、ご苦労さんでした。
そんな始まりではありましたが、我々ステージ側は無駄な力みのない演奏が展開されており、プレイバックを聞いていても大変好感の持てるパフォーマンスが進んでいたのでした。加えて、バンドのサウンドに、ある一貫した音色が聞かれて、全体に統一感があって心地よいのでした。
もちろん、長年やっているのだから、そういうものは前から存在はしているのですが、この日はいつも以上に感じられる。それは、たぶん先に書いた適度のリラックス感を全員が持ち得ていることで、バネの効いたノリや微妙なニュアンス、そしてショウ全体の大きな流れに神経が行き届いていたからだと思います。
特にm1の"シンプル・ラブ"から、"摩天楼のヒロイン""ビューティフル・ミー""Stray Eyes""愛は時を越えて""たそがれマイラブ"への流れのスムースなこと。この前半部分の良い意味での抑制の効いたパフォーマンスは、大人な都会的に洗練されたムードが、しっかり出ていると感じました。このムードこそが、ジュンコさんのアーティストとしての個性に合致する世界だと思いますね。
さて、続く"シルエット・ロマンス"もその流れを失わずに、ゆったりと、そしてなかなか豊かな表情が随所に見られて、とても良いです。じっくりと名曲を堪能していただこう、って意図がちゃんと伝わります。
後半の"We'll Be Together""サファリ・ナイト""ペイパー・ムーン"も、ただイケイケと言うよりも、骨太のノリで、よりグルーヴィでありますなぁ。とにかく、全員の演奏の「腰がきまっている」とでも言いますか、ジタバタしてないし、うまさを感じます。
本編ラストの"星を探して"、アンコールの"My Love"という、大きなスケール感のあるドラマティックなバラードでも、そういった落ち着きがあって聞きやすい。おかげさまで、終演後に「ブラボー」の声と大きな拍手をいただきました。この日のお客さん達はなかなか反応がよろしく、楽しもうって気分があって、こちらもうれしいかぎりでありました。
というわけで、その後の打ち上げも大いに盛り上がってしまいました。いやはや、こっちはちとやりすぎたかな?
さて、来月末には毎年恒例のクラブサーキットが始まります。その前に、我々は新曲を加えた新しいセットリストでリハーサルをして、本番にのぞみます。新たな大橋純子の発見を目指して、いいものに仕上がるように頑張りますので、ファンの皆様御期待くださいませ。