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レアル・マドリード3-1マジョルカ

 実は、今シーズンのヨーロッパ・サッカーにはそれほど執着していなかった。ドイツW杯での各国のパフォーマンスの悪さにゲンナリして、その気分を引きずってしまい、ヨーロッパのクラブの勝ち負けに興味が薄れてしまった。

 特にスペイン・リーグは、フィーゴもジダンもいないレアルなんか、と思ったし、あんなに魅力的だったバルサも昨シーズンほどではなかったし。
 それに今年のレアルは負の話題が満載で、イタリア人監督カペッロ対スター選手達の反目、決裂の様相。ロナウドは早々にミランに売り飛ばされ、ロベルト・カルロスもトルコ、ベッカムはアメリカへと、カペッロによる粛正恐怖政治が進み、明るく楽しいスペイン・サッカーが冷酷なマフィア・サッカーで暗黒時代に突入の気配だった。

 ところが、その結末はまるでハリウッド映画のようなハッピーエンドになるとはね!
 試合前には、レアルが負けて最後の最後で優勝を逃す(つまりバルサの逆転優勝!)ってことを願っていた。どうも、ひねくれ者の性格で強者が敗れるのが見たくって。
 で、私の思惑通り前半でマジョルカ1-0のリード、おまけにF・ニステルローイは31分に負傷退場、頼みのベッカムはねん挫をおしての強行出場。ボールを圧倒的にキープしつつも、レアルには焦りのようなムードが感じられて、サンチャゴ・ベルナベウの異様な緊迫感も、いつも以上に選手にはプレッシャーなのでは、と思ったぐらいだ。(この時点でバルサは3-0で圧勝の気配だったし)

 66分にはベッカムも下がり、ちょっと今日のマジョルカから2点取って勝つのは苦しいか?しめしめ、と思った矢先の68分、何と!投入されたばかりのレジェスが強烈なゴール。私は戦慄を憶えるほどの迫力を感じた。そして、まだ負けていないのに、もうすでに叩きのめされたようなイメージを抱いてしまった。
 ベルナベウはこの一瞬で、それまでキリキリ・イライラしていたものが一気に前向きなエネルギーに変わった。すべての力がレアルに注がれていくようだった。どんどん、マジョルカから覇気が失われて行くようにも感じた。
 絶対に勝たねばならない(引き分けでは優勝できない)レアルの勢いは凄かった。それでも、マジョルカは何とか耐えていたが、80分にディアラのヘディング・シュートがディフェンダーにあたりゴール内にコロコロ転がっていったのは、まさに会場中のエネルギーの強さがマジョルカ最後の砦をこじ開けたシーンだった。
 これで、優勝への権利を得たレアルの凄みは止まらない。83分のレジェスによる素晴らしいゴールは完全なる勝利を決定づけるにふさわしい強烈なインパクトと美しさを感じさせたのだった。

 結局、ベッカムは直接得点には絡まなかったが、ずっとシーズン前半干され続けたのを耐え、チームが危機的状況になっていた2月に復活後は、快進撃の原動力となった功績は大きいだろう。対立していたカペッロから「今季の一番の失敗はベッカムの力を見誤ったことだ」と最後に言わしめたのだから、出来過ぎなぐらいの結末だ。
 そのカペッロが優勝に涙を流すとは。苦しい戦いが続いた中、途中で自らの誤りを認めて軌道修正し、また、その立役者だったベッカムをこの試合では後半降ろし、代わりに入れたレジェスが大活躍とは、こちらも出来過ぎか。

 そして、この試合はベッカムとロベカルのスペインでの最後の試合。それを優勝で飾って颯爽と去るなんて、やっぱり出来過ぎ、それも「凄い」としか言いようがないものだ。
 結果は私の望んだものじゃなかったけど、ドラマの面白みは十二分に堪能させてくれたのでした。
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by harukko45 | 2007-06-18 16:55 | スポーツ | Comments(0)

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