Seema/新横浜ベルズ

 昨夜はシーマさんのライブでありました。このところ、いま一つしっくりと決まらないパフォーマンスになっていた我々でしたが(私だけの感想かも?)、1ヶ月ほど空いて少し新鮮さを取り戻したかもしれません。全員がよく集中していたように思えたし、比較的落ち着いた雰囲気のお客さん達のおかげもあって、じっくりと演奏し、じっくりと聞いてもらった、という内容でした。

 そこで、私があらためて気づいたのは、彼女の場合、音楽的な細かい突き詰めよりも、独特な色とか香りとか気配とかがあふれている時は良い状態だと言う事。何となく「妖気」が漂うとか、ムワっとする蒸し暑さとか、逆にゾクっとする寒気とか。
 もしも、そういうムードを常に発散して会場をそれで満たす事ができていれば、サウンド面ではどの曲も一緒でかまわない、とも言える。かつての「クール」で「かっこ良かった」ジャズが持っていたような、あの「何ともタマラン」ムードがあれば、どのようになっていても全ては成功したと同じになるのでは。

 現役のジャズ・ファンには不愉快な発言かもしれないが(私もかつては深く入り込んだジャズ愛好家だったので)、もはや現在のジャズ・シーンでは「クール」で「かっこいい」なんて有り得ないし、期待もできない。今は、そういうエッセンスは別のジャンルの人々が引き継いでいると思いますね。
 例えば、Hip-Hopやクラブ系のアーティストだったり、あるいはノラ・ジョーンズやコリーヌ・ベイリー・レイのようなオーガニック系のシンガーだったり。そして、シーマもその1人であって、彼女の場合はすでに10年前ぐらいから、そのようなものを持っていた。
 だがここ最近は、近くにいる私でさえも、その肝心のムードを忘れていたのだ。なので、どこか糸が切れた凧のように、しっかりと地に足がついていないパフォーマンス(彼女とそのバンドらしからぬライブ)になっていたのではないか。
 
 昨夜、特に前半の部分(4曲)で、それが蘇った気がした。それはとても懐かしかったし、大変気持ちのよい、やっているこちらが少し優越感を持つような感覚だった。
 ただ、後半それを集約させて、一つの確固たる印象として仕上げることができなかったように思えた。それはライブ全体としてのボリューム感が足りなかったのか、演奏すべき曲がなかったのかもしれない。なので、終わってからはちょっと欲求不満な状態ではあったし、何か惜しいことをしたようでもあった。

 でも、明らかに彼女にとって一番の「売り」である要素が復活したと感じた。それをもっと強調したり拡大したりするための曲は、まだまだあるはずだし、新しく生まれても来るだろう。そして、私も昨夜感じたムード、その臭いや色を忘れないようにしたいと思う。
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by harukko45 | 2007-06-13 00:40 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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