UEFA・CL/ACミラン3-0マンチェスターU

 サッカーの試合で、常に語られる事の一つに「ボジティブ・アプローチ」と「リスク・マネージメント」のどちらを優先するか。
 答えは当たり前で、どちらも重要、どちらが欠けても試合には勝てない。要はバランスであるし、特にレベルの高いもの同士なら、「前半はリスク重視で後半30分から勝負」なんていうヴィジョンは全く通用しない。強力にスピードアップしている一流クラブの戦いにおいて、瞬時に選手達は切り替えていかなくては、待っているのは惨敗しかないのだ。

 で、チャンピオンズ・リーグ準決勝2ndレグ。チェルシーとリヴァプールの試合はどちらが勝っても興味がなかったので、この際無視。(案の定、PK戦にもつれるキリキリした展開だった模様)
 だから、先週のスペクタクルな試合を見せてくれたミランvsユナイテッドのみ注目。だが、開始早々から両者の戦いのレベルの違いに愕然。ユナイテッドは先週あれほど痛い目にあっていながら、この試合に至ってもまだカカに対して無防備も甚だしかった。この無策ぶりには呆れた。
 まぁ一応、中盤の底にいた2人、フレッチャーとキャリックがカカを見る担当だろうが、あまりにも荷が重かったか、緊張で身体が固まっていたか、ほとんど役立たず。なので、前半ほとんどカカは自由に動きまくって常にボールにからんでいた。そして11分にあっけなく先制点。
 正直これが全てだったのでは。

 とにかく、早い時間に2試合の得点合計で追いつかれて、アウェイ・ゴールの差で負けてしまうユナイテッドはすっかりゲームプランが狂ってしまったはずだ。それに、今のユナイテッドの選手は若い。百戦錬磨のベテランによるミランのしたたかなサッカーの罠に見事なまではめられてしまった。

 だから、セードルフの2点目も必然に見えた。ミランのプレシャーに圧されて、あたふたとボール処理にもたついたあげくに、絶好のボールを相手に渡してしまうユナイテッドDFは、次々とタックルに行ってもセードルフは全く倒れないのだから、個人としても完敗。はっきり言ってチームとしてのレベルは明らかだった。先週はホームでの素晴らしいサポーターのエネルギーもあって神風が吹いた結果だったのだろう。
 結局、アウェイにおいてはルーニーやC・ロナウドに神は降りてこなかった。それを阻んだのが、帰って来たガットゥーゾであり、イタリア伝統の「つぶし」ってことだわな。

 「リスク・マネージメント」をきちっとするというのは、ある意味相手を認めて敬意を払っているからこそと言える。大人でちゃんと考えたミランは、しっかりとルーニーとC・ロナウドを封じ込め、かたやユナイテッドはカカを止められなかった。終始バランスの良かったミランは、いつもなら見れそうもないような「華麗なるパス回し」でゴール前にどんどん殺到し、イタリアらしからぬ「美しさ」で、頭に血がのぼり、それでいて身体の動かない若造だらけのユナイテッドを大混乱に陥れた。ベッカムやロイ・キーンなどが揃っていた頃のユナイテッドなら、それでも果敢にチャレンジして苦境から這い上がっていったが、今のチームにはその気迫も感じられなかった。

 というわけで、予想と期待を大きく裏切ったユナイテッドには大失望。そして、私としてはスーパーボウルに引き続き、思わぬ組み合わせによる決勝戦となった。ちょっとヒク。

 たぶん、2年前の轍を踏むようなミランではあるまい。この準決勝とは一転して慎重な試合展開でミランがつまらなく優勝するのではと、すでに落胆している。
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by harukko45 | 2007-05-03 17:24 | スポーツ

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