ウェイウェイ・ウー/レコーディング最終日

 昨夜は二胡奏者ウェイウェイ・ウーさんのニューアルバム・レコーディングの最終日。ウェイウェイさんは昼から別のアレンジャーさんによる楽曲をレコーディングしていて、私とはその後のセッションとなった。このアルバム用の最後に用意されたのは、彼女のお父上が書かれた曲で、中国の伝統的な旋律・様式を持つもの。数日前にもらった音源は二胡とピアノのみの演奏だったが、ウェイウェイさん自身のアイデアにより、前半は私のキーボードと二胡でゆったりと演奏し、その後打ち込みのリズムを入れた後半という構成になった。

 当初は、中国的なムードを排して、今回のコンセプトに近くして欲しいとの要望だったが、この曲を聞けば聞くほどにお父上の愛情こもった作曲に感激し、元に入っているピアノの伴奏(元来は別の伝統楽器用に書かれたもの)も美しいと思い、どうしても安易にこの世界を壊すことは出来かねる、と考えるようになった。それで、基本的には元曲の内容をそのまま生かし、まずはそれに合うようなエスニックなリズム・パターンを組み、アコースティック・ベースやローズ・ピアノやシンセ・パッドといった楽器でサウンドの変化をつけることで、他の曲とのギャップを縮めることを試みたのだった。

 この方向性による録音はとてもうまくいったと思うし、元曲の美しさを十分に生かすことが出来たと思う。また、演奏面においてはこのような中国曲における二胡の表現(これが本来の姿とも言えるが)の豊かさを堪能することができ、また大きな喜びを与えてもらったのでした。
 ご本人も、この仕上がりに大変満足されていて、たぶんお父様への素晴らしいプレゼントになったのではないでしょうか。

 とにかく、今回このような曲に関われたことは、大きな幸せでした。いつも接している西洋風の曲の感動とは違うレベルでの刺激、つまりは自分のルーツ的なものを呼び覚ますような波動を感じるとでも言うのでしょうか。セッションが終わってから、ウェイウェイさんともいろいろ話しましたが、このような東洋の美しい曲には、西洋の音楽にはない別の感動がある、と、お互いに納得しあったのでした。ウェイウェイさんの場合、ヴァイオリンを弾かれる時は頭で感動するが、二胡はお腹で感動すると言われていたのがとても印象的でした。

 さて、この後はトラックダウンですが、それはプロデューサーにおまかせすることにします。私としてはここまでの作業でやれることはやりきれたし、ウェイウェイさんとも曲と演奏を通して深く共感・共鳴し合えたことで満足しました。後は出来上がったCDを楽しみに待ちたいと思います。
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by harukko45 | 2007-04-17 05:25 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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