水越けいこ/ボーカル・レコーディング最終日

 28日は水越けいこさんのミニ・アルバムの歌入れの最終日。もうすでに5曲中4曲を終え、最後に残ったのは今回書き下ろしの新曲。メロディだけ聴いていると、爽やかなポップバラード風であり、やりようによってはAOR風にもなったかもしれない。
 が、プロデューサーの森くんが示したこの曲の方向性は「メッセージ・ソング」であった。今までそういう内容に関わっていない水越さんに、パーソナルな愛から人類愛的な広がりのある詞と表現も求めたのだった。
 さぁー、大変。ずいぶんでかく来ましたからね。けいこさんも悩みました。私も悩みました。ただ、他の曲とのギャップがあってはまずいので、私は極めてシンプルで、楽器も少なめでオケを作ったのだった。
 けいこさんは詞の部分で、ずいぶん苦しんだみたいだが、最終的に出来て来たものはある意味「達観」した視点で現代をとらえながら、それをあまりむずかしい言葉でなく表現していた。正直、文字だけで読むと少し物足りないかとも思ったが、歌にのせると言葉がスっと自然に頭に入ってきて、それを聴き手が自分なりに感じられるような「問いかけ」にもなっているのだった。
 歌でメッセージ色を出すのは、やり方次第ではアジテーションだと言われかねないし、かといって生温い主張では、ただの「平和ボケ」的な安易さに陥ってしまう。ディランもジョン・レノンも成功したメッセージ・ソングでは、どこか冷めたような、現実と離れた位置から見ているような表現をしているように思う。「Blowin' In The Wind」も「Imagine」もそんな気がする。
 その点では、今回の新曲はちょうどいいスタンスから、キチっとした主張を語っていると思う。そして、あまり歌いあげず、ナチュラルに語る感じでまとめたのは正解だと感じた。曲調はポップなのに、全体にフォークソング風の香りも漂うようになったのは詞の力かもしれない。

 だが、当然微妙にこだわる部分はところどころあったので、いつもよりは時間をかけたことになった。でも、それだけの意味のある仕上がりになったんじゃないかな。私の印象では、さりげなく語られているのに、始めから最後まで一気に聞かせてしまう雰囲気がして面白いと思った。あまり意味のない間奏もなくし、ただ言葉が音にのって心に入って行けば、それで良しなのだ。

 さて、この後けいこさんは他の曲の最終的なチェックをするらしく、一方私はこの新曲を家に持ち帰ってコーラス・ダビングを年末中にあげる予定であります。


 
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by harukko45 | 2006-12-29 02:56 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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