タケカワユキヒデ/ホテル仙台プラザ(第2項)

 23日、タケカワさんとT's Companyによるクリスマス・ディナーショウの本番でした。全体としては実にリラックスして、ある意味タケさんの「ピュアさ」がよく出た内容だったのではないでしょうか。
 タケさんは、ゴダイゴをはじめとする音楽のみならず、いろんな仕事や活動をしているけど、ご本人の生き方や姿勢は、世間の人々にブレた印象を与えていない人だと思う。つまり、ワイドショウに出ても、アニメを語っても、教育を語っても、歌を歌っても、ある一つの確固たるものを見失っていないと感心する。それが、「ピュアさ」なのだ。そしてそれを売りにできる「プロ」とも言えるんじゃないかな。

 このホテル仙台プラザでのディナーショウは毎年恒例だそうで、去年まではクラシック中心でおこなわれていたそうだ。それが今年、仙台にいろいろとゆかりの深いタケカワさんの登場とはいえ、ファンの方以外の常連(?)さん的なお客さんには最初、戸惑いのような感じもあったかな。私の印象でも、いつもよりも年配でお偉方風(失礼?!)な男性が多く、また品の良さそうなご夫妻もいらしたりして、普段のライブの感じからは違っていたね。

 だから、オープニングからいきなりの"Monkey Magic""Holy & Bright"では、客席サイドはまだ固かったかもしれない。例えば、いつもやってる"Monkey Magic"での会場とのコール&レスポンスなんかも少々おとなしい感じでした。ただし、演奏面では私とギターの村田君はなかなか快調な滑り出し。とにかく、村田くんはこのホテルのオーナーと親戚かもしれないという情報が突然彼にもたらされ、新幹線での移動中から我々はにわかに盛り上がっていたから(何を期待して?!)、そりゃプレイが燃えるでしょ。
 で、個人的には"Holy & Bright"、好きなんですね。やりがいあるのです、この曲。とにかく細かい配慮と大胆なトライがあるアレンジなのは、もともとの曲にそういう要素があるからなんですが、"Beautiful Name"の兄弟曲でありそうで、そうでもないとも言える。それと、しばらくやらなかったので、今回久々の登場にとっても盛り上がっておりました。
 フォーク調のアルペジオから急にディスコ調になったり、ビートルズ風のエイト・ビートからハーフになり、哀愁のプログレ風展開を経て、再びサビでポール風に戻っていくなんて、弾く楽しみ聴く楽しみが後から後からどんどんやってくる感じなんだな。ただし、私は最後のサビの繰り返しで指がすべってちょっとミスってしまった。うーん、悔しい!そこまで完璧だったのに!!

 続くジョン・レノンの"Happy X'mas"も、最近ではこの時期定番の曲になりつつあるね。私は今年も3パターンのアレンジ(ジョン・レノン・スーパーライブ、タケさん、ジュンコさん)を演奏したことになる。特にタケさんバージョンではアコギとピアノだけなので、ベーシックを村田君に任せて、私は少し遊ばせてもらい、オリジナルとは違うアプローチが出来て面白かった。

 タケさんの四女、三女であるアイちゃん、モトイちゃん(そろそろ「ちゃん」付けはまずいかな?)による、それぞれのオリジナル・コーナーはこのところ二人の個性の違いが明瞭になってきた。アイちゃんは一人でもシンガーとして活動を始めているから、そういった自覚がこちらにも伝わってずいぶんと頼もしくなったものです。"My Angel"は基本的にはフォーク・バラードなんだけど、中に16ビートのR&Bぽい前向きなグルーヴがあって、演奏的にはしっかりノリを出して行かないといけない。
 逆に、姉さんのモトイちゃんはほのぼのとした柔らかいムードと同時にとても繊細な感覚も持っていて、彼女のオリジナル"Don't Be So Lonely"はオールディーズ風なニュアンスを意識しながら、あくまでもゆったりと揺れるような演奏を心がけた。
 もちろん、これらのアレンジはお父上のプロデュースによるレコーディング・バージョンの影響が大きいのですが。続く...。

 ...復活。
 
 さて、今回のメイン・イベント"クリスマス・ソング・メドレー"は、去年のサイズでもかなりの長さを誇っていたけど、何曲か少しづつ長くしたので、ついに20分台に突入。これで、私的には松崎さん大橋さんジョイント・ライブでの"スクリーン・ミュージック・メドレー"と双璧をなす大メドレーとなったのでありました。
 それに、全曲にわたり「船頭は私」、みたいなもんだから、なかなか神経を使いますよ。でも、タケさんの構成で気が利いてるところは、各曲の間を常に"ジングルベル"でつないでいるところ。これがあるので、1曲1曲のシーンを作れるのと、ちょっとしたストーリー性を感じさせるのでありました。
 "ジングルベル"/"Santa Claus is coming to town""Let It Snow""White Christmas""Deck the Halls""I saw mammy kissing Santa Claus""赤鼻のトナカイ""The Christmas Song"/"ジングルベル"
 去年の初演に比べると、気持ちに余裕があって、各曲に目配りがずいぶん効いていたと思います。落ち着いたテンポを心がけて、ラストの"The Christmas Song"がピークになるようにコントロールしていきました。で、その"The Christmas Song"はほんとに数あるクリスマスソングの中でも名曲中の名曲なので(特にナット・キング・コールで有名)、やはり演奏していてもじわじわと感動させられるのでした。最後に「Merry Christmas」をリフレインして会場とコール&レスポンスしたので、かなりキュンとしましたね。メドレー全体ではいくつか不満がありますが、最後の曲に音楽的な充実感を得られたし、それと、ある種の達成感が感じられてうれしかったです。

 そして、ビートルズの"Hey Jude"はその流れでとても気分よくできましたし、おなじみの"Beautiful Name""999""ガンダーラ"はかなり精度の高いパフォーマンスだったのではと自負しております。
 ここで、面白かったのは"999"の後半で、村田君のコーラス用マイクがポイントをはずれていたのを、タケさんがわざわざ直しに行ったのでした! まぁ、何と言う気配りというのか、かなり珍しいというか。普通のフロントだったら、まず「ない」ですな。だいたい、メインがいきなり予想外の動きをすると、スタッフもバンドもかなり動揺するんです。「何事か!」ってわけ。それが、何とマイクの位置を直しに来たとはね。完全にこちらはやられてしまいました!

 さて、終演後、しばしタケカワ・ファミリーと歓談したのち、私はこのチームとは泣く泣くお別れして、一人さびしく帰京の途についたのでした。それも高速深夜バスで。24日に佐世保に向かうための始発飛行機に乗るには、それしかなかったからでした。いやー、ほんとに残念。村田くんや、今年お世話になったスタッフのみんなとも久々に飲み語り合いたかったよ。とにかくね、昔のロック好きばっかりの個性派揃いですから、きっと盛り上がったろうな。

 とりあえず、チーム・タケカワお疲れさまでした。また来年もよろしくです。
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by harukko45 | 2006-12-25 17:12 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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