Sam Cooke/Night Beat

 私はすぐに人に感化されやすい。11日のJabBee主催のライブで、リーダーのシゲルさんが、「今日はサム・クックの命日だから」と各バンド・セットのインターバルにBGMとして彼のアルバムをかけまくっていた。で、この1963年の"Night Beat"を何と初めて聴いた。

 お恥ずかしいながら、私のサム・クック体験はかつて出ていたベスト盤"The Man and His Music"のみで、確かにこれは2枚組に彼の代表作が並んでいるのだが、いわゆるティンパンアレー風の豪華なオーケストレイションによるサウンドの印象が強く、その甘い感じのバックにあって彼の歌のうまさはわかったものの、じっくりその音楽に入り込むことはなかった、というか、サラっと聴き流していたという具合だった(今考えるともったいない)。

 が、この"Night Beat"は全曲スモール・コンボによるブルーズ感覚満載の音だった。まずはそれにしびれる。特にピアノのレイモンド・ジョンソンとオルガンの若きビリー・プレストンのプレイが最高にかっこいい。だが、やはり何と言ってもサム自身のボーカルの素晴らしさに脱帽だろう。何で今までわからなかったのでしょう!バカじゃないの!

 m1のゴスペル・ソングはこのアルバムのコンセプトである「午前2時頃、ダンスを踊りまくった後」にいきなりグッと引き込まれる魅惑的なムード。だが、歌っている内容は深い。彼のボーカルが心にダイレクトに伝わってきて、もうそれだけで虜になってしまう。
 m4"Mean Old World"も最高のボーカルにレイモンドのピアノの絡みが実にたまりません。
 m5のチャールズ・ブラウンのブルーズも、独特のサム・クック節で完全に自分の世界にしてしまう。甘さと渋さが絶妙のブルーズ。ビリーのオルガン、レイモンドのピアノ、どちらも最高のバッキング。
 m6のバラード唱法もすごいが、全体のパフォーマンスが最高にゴキゲンなのが、m7"Little Red Looster"。文句のつけようのない演奏と歌。ビリーのオルガンがほんとに最高。サムもそれを聴いてすごく楽しそうなのが伝わるよ。
 
 で、それをさらに上回って最高にしびれるのはm7"Laughin' And Clownin'"。これぞブルーズの名演です。その後も素晴らしいブルーズが続き、ラストにジョー・ターナーの"Shake,Rattle And Roll"がこれまたニクイ感じの出来なんだけど、曲調がイケイケでもちゃんと「午前2時」の雰囲気で、気持ち抑えめにしているのがクールでカッコイイわけね。この辺のトータル・コンセプトをちゃんと持って作り上げてるところも素晴らしい。
 結局、ここまできてまた頭に戻しちゃうんですよ、どうしても。最高!(この文章に何回出てくんの?!それしか言えない自分の貧相な語彙が恨めしいわい)
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by harukko45 | 2006-12-22 13:42 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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