イドメネオ/ミラノ・スカラ座

 ジョン・レノン・スーパーライブのリハ最終日は、スキマスイッチのこだわりぶりが伺えるご機嫌な選曲(ほんとにセンスいいと思ったよ!)と大橋君の歌声にうなった私であり、その後のランスルーも無事に終わって、いい充実感を感じながら帰宅しました。

 そして、今日は一日オフで、ずっと観られずにハードディスクに溜まりっぱなしのTV番組を立て続けに鑑賞したのでありました。

 で、久々にオペラ、それもモーツァルトの「イドメネオ」。長いんだな、これが。ただ、指揮はハーディングで、それも彼がスカラ座の2005シーズンの開幕を飾った時のライブ。否応なく期待は高まっていたんだけど、正直退屈して、途中から辛くなってしまった。
 初めてこのオペラを生で聴いた97年のウィーンの公演(P・シュナイダー指揮、ドミンゴがイドメネオ)では、モーツァルトのオーケストレイションの素晴らしさとドミンゴの演技力(もちろん歌唱力もふくめ)の凄さに感動しまくって、一瞬たりとも飽きなかったのだが、今回聴いてみると、「この曲って、こんなもんだったかなぁ?」と思ってしまった。

 とにかく、出ている歌手の皆さんに魅力的な人がいなかった。特にイドメネオ王役のテノールはあまりにも無難すぎて面白くなかった。エレットラ役のソプラノは最後の"オレステスとアイアスの"をうまく決めて、とりあえず盛り上げたかな。

 でも、これもウィーンの時のエリアーネ・コエッリョのイメージが残っていて、どうも物足りなかった。実は97年の時のコエッリョさんはあまり歌が良かったとは言えず、"イドメネオ"の数日前にプッチーニの"ボエーム"のミミ役を観て、歌も容姿も全く好きになれず、個人的には登場するだけで嫌な感じだったのだが、それがかえってこの憎まれ役とでも言えるエレットラにおいては、こちらの感情移入にぴったりで、舞台では妖気をまき散らしての大熱演に興奮させられたのだった。
 また、イダマンテ王子役のアンジェリカ・キルヒシュラーガーが美しくってねぇ。彼女(ズボン役だから彼か?)が出てくるだけでうれしくなったもんでした。
 そして、何よりドミンゴがやっぱすごくって!文句のつけようないパフォーマンスだった。

 なので、比べるとこのスカラ座のキャストは薄かったという印象だ。それに演出があまりいいとは言えなかった。舞台のセットや背景に大きな変化がなく、そんな中、妙に現代風の衣装で登場する人物にも必然を感じられず、つまらなかった。

 さて、ハーディングの音はいかに。確かにピリオド・アプローチを効かせて彼の個性を打ち出してはいたが、どうもこちらが古楽器風のサウンドにあまり新鮮味を覚えなくなったのか、前ほど刺激的とも感じなかった。それどころか、いろんなところで貧相な響きに思えたし、"ドン・ジョバンニ"の時のほとばしるような情熱も感じられず、物足りなかった。さすがのハーディングもスカラ座デビューに慎重な演奏になったのだろうか。
 同じイドメネオでも今年のザルツブルグでのウィーンフィルと(モーツァルト・ガラでの抜粋)の方が、出来はずっと良かったと思う。

 それから、NHK音楽祭でのマーラー室内オケとのブラームス(2番)も聴いたが、かなり失望した。自分の大好きな曲だけに、こういう2番ならやってほしくなかった。響きだけが今風(古楽器奏法が現代風!)で、その中身は空っぽのように感じてしまった。ハーディングについては、少々期待しすぎたのかもしれない。
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by harukko45 | 2006-10-30 18:26 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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