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大橋純子/スイートベイジル139の詳細(1)

大橋純子/スイートベイジル139の詳細(1)_e0093608_0181882.jpg 当日のPAラインアウトのMDを聴きながら、28日のクラブサーキット2006最終ライブを振り返ってみることに。

m1.Welcome To Music Land
 私のパッド・シンセから、いきなりベースの六川さんのソロをフューチャー。この時点で驚く人も多かったでしょう。でも、このオープニング曲の作曲者でありますから、そのぐらいの特権は与えなくちゃねぇ。それに応えて弾きまくる素晴らしいプレイで、この後のステージへのモチベーションを上げてくれている。最近お気に入りの「喜びの歌」の引用もキマッテおります。
 ドラムのフィルインから全員突入で、ジュンコさん登場?と思わせて、まだです。すみません。これからが曲の本編。ジュンコさんが歌っていたパートをユキコ&ヒロコwithゴトウのコーラス隊が代わってメロを。ゴトウさん、かなりノッテますねぇ。ずいぶんチャチャをいれております。
 ここでのリズム・セクションの動きがなかなか良いね。やる気がみなぎっています。バランスもいいし、今後を期待させるよ。

m2.シンプル・ラブ
 曲つなぎでおなじみのイントロ。でも、細かく言うと私はシンセを変えたので、音が良くなっているのだ!まぁ、極めて個人的ですが。で、お待ちかねジュンコさん登場。この曲に関しては、すべてにほぼ完璧な状態のパフォーマンスと言えます。歌、演奏はもちろん、ライン録りにおいてもこれだけバランスが良いのは、非常に心地よい。ベースが超カッコイイ。

m3.摩天楼のヒロイン
 12,3年前のステージでは割と定番の曲としてやっていたのですが、しばらく封印されていました。が、この曲の都会風でオシャレな感じは、元々ジュンコさんや美乃家のイメージにあるサウンド。なので、久々の復活は大正解でした。ただし、演奏はムズカしい。気持ちのいいノリをつかむのにいろいろトライをしました。最終的にCDオリジナルにかなり準じたものに戻りましたが、ところどころに新しい試みを取り入れています。ユキコさん、昔アンドリュー・シスターズをコピーしていたというのを生かして、イントロとインターにおけるコーラス・ワークのボイシングを組んでくれました。特に間奏前のコーラスとサックスとシンセによる厚いジャズ風のアンサンブルはなかなかいい感じでキマりました!
 その後のゴトウさんのソロは、普段と違って珍しくアルトを吹いております。ちょっといつもより遠慮気味なのはテナーじゃないからかな?

m4.Lonely Woman
 続けて、私のエレピのシンプルだけど印象的なコードの流れでスタートするこの曲は、私の中で今回大事に考えていた一品。一番今っぽいニュアンスが通じると思って、個人的には90年代のニュークラシック・ソウルのバンドサウンドを意識した。結果、じょじょにいつものジュンコ・バンド風に戻っていったけど、それはそれでバンドの特色としてOKでしょう。
 なので、コード展開やビートをシンプルにしてメリハリを強くしたり、ゴージャスなオーケストレイションは排除してあって、CDとはイメージが変わっていると思う。でも、もっと良くなると思う。この演奏は全体にはもう一つといったところか。私自身のプレイも含めドロっとしたネバリが欲しいね。大阪のテイクはかなりそういうムードがあっただけに残念。だが、ここでのゴトウさんのテナー・ソロは素晴らしい。さすがに人生経験の豊かさを物語る。

m5.ビューティフル・ミー
 ある意味、最近になってようやくこの曲の正当な評価が確立されてきたような気がする。昔から名曲なのだが、それをみんなが共有出来るようになったということです。つまりファンの方の共感度のアップで、こちらも"シンプル・ラブ"などと同様に曲を演奏できる「名誉」みたいな気持ちを持てるということです。なので、全ては曲自体が良き所に我々を導くわけです。
 玉川君のボトル・ネックの間奏がなかなか情熱的で良い。

m6.Stray Eyes
 いい流れを引き継いで、これはかなり良い出来。最初のウエちゃんのドラミングだけで期待できます。サビでファンキーになるところでのクラビとギターのからみもなかなかよろしい。この曲に関しては、生バンドで再録音したい感じがしますねぇ。ベースの渋いプレイがさすが。ロクさんの余計なことをせずにグルーヴに徹する姿勢が逆に感動します。
 ベーシックなグルーヴは80年代風だけど、表現としては完全に今っぽいニュアンスに昇華されています。

m7.たそがれマイ・ラブ
 こういう曲でのウエちゃんがなかなか光るのです。大人になりましたねぇ。これなら、新たな恋人出現も間近か? ま、冗談はともかく、豊かなドラミングで曲を包んでくれて喜ばしいかぎりです。全体に色っぽい感じがあって細かい演奏云々は気になりません。実はとっても大事なこと。一番大切なのは曲を伝える事で、個人の主張じゃありません。

m8.シルエット・ロマンス
 今年は再び、私とタマちゃんのみのバージョンに戻りました。正直、こちらの方がやりやすいです。他の曲との差別化もついて、印象的だと再認識しました。
 曲と歌の良さについては文句つけようがないので、ここでは私自身について。
 とにかく、私の最大の欠点は曲に自分の思い入れを込め過ぎて熱くなってしまうこと。ミュージシャンとしては気持ちを込めることは当たり前でも、それが過ぎて冷静さを失うのは御法度であり、恥ずかしいこと。
 それと、意外に女性的な表現、よく言えばロマンティックだが、それが「崩れ」につながって立派さや曲の風格を失う危険があるわけです。
 自分でもいろいろな曲のプレイバックを聴くたびに、自らを抹消してしまいたいという思いの日々です。それでも、自覚しているので少しはマシになってきたようです。しかしまぁ、もうすぐ50なのに、いつまでも「若い」「青い」内容では困ったものです。
 ここでも、イントロのストリングスや歌中のピアノで、随所にテンポが遅くなったり焦って早くなったり、ボリュームを上げ下げするところに、まだ弱さや崩れが現れていると言えるでしょう。19世紀のロマン主義全盛の世ならともかく、この21世紀においては、もうちょっと決然とした勇気ある表現を獲得しなくてはいけないと感じます。

 長くなったので、後半戦は次回に。
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by harukko45 | 2006-07-30 17:08 | 音楽の仕事 | Comments(0)

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる


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