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W杯2006/決勝イタリアPK5-3フランス

 ついに決勝戦、この組み合わせとそれぞれのチーム状態も考えると、かなり面白い試合を期待したのだけれど、良かったのは前半20分ぐらいまでで、その後は過酷な消耗戦を続け、今大会を象徴するような退場劇があり、PK戦によるイタリアの勝利。
 ちょっと残念な結末ではあった。どうしても「負けたくない」モードが高まる試合だから仕方ないが、ほとんどスペクタクルのない、ファンタジーのない、「潰し合い」「凌ぎ合い」を120分見るのは、あまり健康的とは言えないね。

 そのうち、各プレイヤーやベンチ、サポーターのイライラが募り、思いもよらない事が起きてしまう。延長20分のジダン退場、いったいマテラッツィに何を言われたのかわからないが、報復に頭突きを食らわしての1発レッドは、ちょっとお粗末すぎる。それが彼の引退に直結してしまうわけで、「キレる」ってことの愚かさを再び我々は見ることになった。
 攻撃としては、フランスの方がかなりいい状況を作り出していたし(特に左サイドのアビダル、マルーダは今大会一番の活躍)、イタリアは後半から延長において守ってばかりで、ほとんど前線にボールを持って行けなかった(後半シュート1本、延長0)だけに、ボールに関係ない所でのレッドカードというのは、世界最高選手の名がすたるというものだ。

 ジダン、突然キレちゃう性格は最後の試合においても変えられず、それまでの時間、現役そのものの気迫あふれる素晴らしいプレイも帳消し、結局彼のラストダンスは美しくなかった。

 にしても、マテラッツィ! 実際には足は触れてなかったようにも見えたけど、結果はPK判定になった6分のファウル、それを取り返した19分のヘディング・シュート、そしてジダンを退場に追い込んだ「?」。すべての重要シーンに絡んだ超お騒がせ選手で、本日の主役でもあったわけだ。
 場内の大ブーイングの中もPK戦では2番手でしっかり決めたのだから、精神的にも強力でしたな。(ジダンに対して"アルジェリアのテロリスト"と呼んだという記事が本当なら、彼にも制裁を加えるべきだ。)

 そして、ブッフォンは試合中のセービングにおいては(PK戦での読みはすべてハズレ)、素晴らしい能力をしっかり見せてイタリアの危機を何度も救った。また、カンナバーロとガットゥーゾの凄さウマさ(今大会のガットゥーゾは実にクリーンでした! カンナバーロは完璧)にもあらためて唸らされたよ。
 ただし、イタリアの攻撃陣はすべて空振り。FWのトーニの先発は完全に失敗。始めからジラルディーノにしてほしかった。ピルロも後半以降ミスが目立ったし、トッティはほとんどの時間消えていた。交代したデ・ロッシ、イアクインタ、デルピエーロもチームを活性化することはできなかった。

 リッピの采配があまり冴えてなかったのに比べて、なんとこの日のドメネクはなかなかうまくやっていた。延長でアンリ、トレゼゲの2トップにしたあたりは、かなり面白かったのだが、直後にアンリがケガ(?)で交代では、その効果を生かしきることにならなかった。
 また、56分のビエラの負傷交代も痛かった。後半以降ずっと試合を支配してイタリアを追いつめていただけに、主力の相次ぐケガとジダンの退場はフランスにはボディブローとなって響いただろう。

 でも、ベテラン中心でバックアップに光る人材のなかったフランスとしてはもともとのチーム構成に問題があったわけで、頼りのベテラン達が力つきてはなす術無しだった。

 さて、イタリアにとっては過去の悪夢を払拭するPK戦全員成功は立派でした。チームとしてもここ近年では最高にいいパフォーマンスを見せてくれたし、この日はあまり思うようにはいかなかったが、大会中通じてのリッピ監督の采配にも楽しませてもらった。とりあえず、イタリア代表のMVPはカンナバーロかグロッソ(攻守ともにの貢献で印象度大。オーストラリア戦でのPK奪取、ドイツ戦の決勝点、決勝PK戦でのラストキッカーなど)かな。
 さぁ、今のイタリア国内は大変な騒ぎでしょう。仕事なんか出来ないんじゃない? 観光で訪れている日本人の方々、どうぞお気をつけて。

 というわけで、これでワールドカップもおしまい。寂しい気持ちもあるけど、また4年後の楽しみを胸に毎日頑張って行きましょう。オシム・ジャパンにも大いに期待します。
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by harukko45 | 2006-07-10 13:52 | スポーツ | Comments(0)

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