中田英寿選手を讃える

 ヒデが現役引退か、意外にショックではなかった。W杯前から、何かそんな予感がしていたし、インタビューやホームページでの発言がこれまでとはニュアンスが変わっていたのが、気になっていたからかもしれない。

 彼は正真正銘日本サッカー界最大の貢献者であり、ここ10年の日本サッカーの全てを体現してきた人であることは間違いない。彼の存在なくして、日本のワールドカップ初出場はなかったし、その後の日本人選手のヨーロッパ進出もなかった。やはり、セリエA・ペルージャでの1年目の大活躍は特に忘れられない。それも、ユヴェントスとの初戦でのいきなりの2ゴールに、どんなに興奮したことか。

 そして、ドイツ・ワールドカップで彼が我々に伝えたことは、実は彼が本当に望んでいたことではなかったが、まさに「日本サッカーの真実」というものであり、それを壮絶な形で見せてくれたのだった。

 次期代表監督のオシム氏が語る「考えながら走るサッカー」を、今回やろうとしていたのがヒデだけであり、その彼がオシム就任と入れ替わって引退するというのが、何とも象徴的だ。
 彼が、最近のインタビューで「走らなければサッカーにならない」と何度も語り、それを実際ピッチ上で最後までやりきったことにより、我々は日本サッカーに明らかに足りないもの、世界基準に至っていないものをはっきりと理解することができたのだった。つまり、彼1人しか「本当のサッカー」を理解していなかったということだ。

 彼はボロボロになる前に辞める決断をした。私のまわりでも、天才的な音楽の才能を持っていた人間ほど、あっさりとこの業界から去って行った。彼も典型的な天才型アスリートだった。残念ではあるが、これも彼らしく、やはりそれほど悲しみは感じないし、彼なら次の舞台でも見事な活躍をするに違いない。
 もちろん、彼のこれまでの功績に対して、いくら賛辞の言葉を送っても足りないことは確かだ。サッカーというものを通していろいろな大きな喜びを与えてくれた中田選手に、私も深く深く感謝したいと思う。本当にありがとう、おつかれさま。
[PR]
by harukko45 | 2006-07-03 23:34 | スポーツ

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31