W杯2006/イタリア1-1アメリカ
2006年 06月 18日
開始早々から、ハイテンションで恐れを知らずに立ち向かってくるアメリカの攻勢にやられまくっていたイタリアは、それでもピルロのFKからジラルディーノがキメて先制したまでは、「さすが!」と思わせたが、その直後、右サイドDFが驚きのオウンゴール。こんなことかつてのイタリアDFなら考えられない! 誰よ、こいつ? ザッカルド。どこの選手? パレルモね。
まぁ、いい。これで面白くなった。時間はあるんだからイタリアがじわじわ押し返すだろう。と思ったら、MFの選手があまりにも見え見えの場所でヒジ打ちをマクブライドに食らわして一発退場。本人は否定したって、VTRにはバッチリ映ってるよ! こんなの、アメリカのプレスにイライラして、突然キレちゃったただのチンピラじゃない。誰よ、こいつ? デ・ロッシ。どこの選手? ローマね。
とにかく、2人の愚かな若者によって、イタリアは2連勝どころかアメリカにやられるかも? の大ピンチ。
しかし、ここからがリッピの腕の見せ所! すぐに中盤にケガからの復帰間もないガットゥーゾを投入。そして、これが的中、彼の疲れを知らない力強く献身的な動きが、ずるずる押し込まれていたイタリアに喝を入れた。そして、1人少ないのにじょじょに盛り返して来たのだった。
そうしたら、今度はアメリカのMFマストロエーニ(ひょっとして彼もイタリア系じゃない?)がピルロに危険なタックルでレッド。
最初から繰り返して来たアメリカの果敢なプレスは、少し間違えばカードをもらう危険もあったわけで、じょじょに疲れてきたのと、何とも言えない「不穏」なムードが思わず行き過ぎたディフェンスをやらせてしまったのだろう。
そして後半、両者頭を十分冷やしてきたと思ったらとんでもない。後半開始早々にアメリカDFホープがジラルディーノにファウルして2枚目イエローで退場。ますます異様な雰囲気になってきた!!
そこで、リッピは54分にデル・ピエーロ、61分にイアクインタと次々に投入。その後のイタリアの攻撃がアイデアにとんだものを見せ始め、ウームさすがリッピやと思わせた。
が、アメリカは「ネバー・ギブアップ」の国民。逆境になればなるほど頑張っちゃう連中だった!後半のアメリカの粘り、凄かった。イタリア、結局ゴールを奪えず。おまけに、ビーズリーのゴールがオフサイドで取り消されて、何とか負けないですんだのだった。
イタリアはこの手の「危ない、妖しい、おっかない、後で遺恨を残しそうな」試合が多いね。前回でも韓国戦がそうだった。その時の彼らは負けたけど。リッピのような名将の采配で何とか最悪を免れた感じだが、これで最終戦はどこがどうなるかわからなくなってしまった。
今まで順当に強豪国が勝ち抜けてきたが、こういう波乱になるのも世界大会の面白さ。
さて、もうすぐ日本対クロアチア、絶対に勝利を願うが、勝つ確率は30%ぐらいと考えておく。相手が強いのは十分わかっている。一番弱いはずのオーストラリアにも負けたのだ、もはや失うものは何もない的な立場だ。だが、ガーナやアメリカが見せてくれた。日本が彼らほどに必死にできるかどうか。死にものぐるいの戦いの後に、勝利が転がり込んでくることを祈りたいし、応援する。頑張れ、ニッポン!