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W杯2006/ガーナ2-0チェコ

 本当の死のグループは、CではなくEだった! チェコ、まさかの惨敗、これって今大会最大の波乱。アメリカ相手にあれほど完璧だったチェコが、これほどまでに崩れてしまうとは。彼らのようなアーティスティックなサッカーは、うまくハマった時は美しさ格別で感動するが、予期せぬ事態で精神力勝負や1対1の戦いになった時に、意外と簡単に崩壊してしまうナイーブなものなのかもしれない。
 やはり、人間の考える戦略、戦術には完璧なものはないわけだ。必ずや何処かにリスクを抱えつつ、勇気を持って自分達の信ずるサッカーをお互いにやっているだけ。高いレベルになればなるほど、勝ち負けが決まるのはちょっとした運が味方した方なのだ。

 とにかく開始早々のコーナーキックくずれからDFラインを上げようとしていたチェコに対し、ガーナMFアッピアの意表をつく電撃的なパスが、FWのギャンへ。あのチェコDFが全く対処できずに、ギャンがフリーでシュート。誰もが唖然とする先制点だった。
 正直、これが全てだろう。これで、チェコの何かが狂った。逆に先制したガーナは実に気分よくやり始めて、個人の能力の高さを発揮し始めた。ただ、基本的には多彩な攻撃があるわけでなく、DFとMFでしっかり守って、チェコの前線で奪ったボールをアッピア経由でギャンへ。そのシンプルな繰り返しに、チェコはどんどんペースを狂わしていく。

 後半、このチームの核とも言えるガラーセクを交代させたのが、チーム崩壊が秒読みに入ったサインのようだった。その後、右ウイングのポボルスキーも交代。しかし、攻めても攻めてもほとんど決定的なシーンを作れず、シュートもワクに行かない。

 そうこうしている所にDFウィファルシの退場とPKだ。ギャンはこのPKを失敗したものの、これでチェコが生き返ったわけではない。寿命が少し延びただけ。守備の要センターバックを1枚失って、それでも攻めに行かなければならないチェコは、スペースだらけになった。
 こうなると後はGKのチェフが孤軍奮闘だ。彼が最後で止めるしかない。DFは何度も何度も走らされて、もはや限界だった。そして、ついにその最後の砦も破られた。それは必然、時間の問題だった。チェフの意地がそれをギリギリまで遅らせただけだった。

 チェコは素晴らしすぎた。このチームのレギュラーはものすごくレベルの高い選手達であり、よく鍛えられた人々だ。が、残念ながらそのピークはユーロ2004の時だった。現在、FWのコレル、バロシュがケガ、MFのネドベド、ガラーセク、ポボルスキーの「ゴールデンエイジ」は30代だ。そして、彼らに代わる選手はいない。チェコの最大の欠点が後継者の育成を怠ったことだった。

 ある意味、ネドベドはそのことを一番理解していたのだろう。2004のユーロの準決勝の前にケガをし、欠場したギリシャ戦に敗退した後、彼は代表を引退した。が、W杯予選で苦しむ代表を救うべく、再び復帰したのだった。
 そして見事、本戦には導いたが、ここに来て絶体絶命の事態となってしまった。このまま、終わってしまうにはあまりにももったいないチェコを、救う手だては何かないのか。


 
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by harukko45 | 2006-06-18 20:54 | スポーツ | Comments(0)

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