W杯2006/アルゼンチン2-1コートジボワール

 結果としてはアルゼンチンが勝利したが、内容は勝敗云々を越えるハイレベルなもので、たぶん世界のサッカー関係者、指導者、評論家が入念に興味を持って分析するに値する試合だったと思う。
 前におこなわれたトリニダードトバコ対スウェーデンが「物語的」に面白いものだったのに比べて、こちらは純粋に高度な戦略・戦術、技術の戦いの面白さにあふれていた。

 なので、細かい指摘はスポーツ専門家に任せ、私もそれを楽しみにしたい。とにかく、今思う事は、「敗れたがコートジボワールは美しかった」ということ。彼らがボールを持って、ゴールに向かいパスし、ドリブルし、シュートする姿の何と美しいこと! それを見るだけでも喜びを感じる。黒くてしなやかな肉体で、普通予想するよりも、一歩先、一歩前、頭一つ上でボール難なく扱うコートジボワールの各選手の動きには感嘆のため息ばかりだった。

 アフリカのチームはこれまで、個人の技術はすごいが組織がダメと言われ続けてきた。それでも近年ヨーロッパの頭脳を導入してチーム戦術が洗練されてきていた。その象徴のような今回のコートジボワール、実に魅力的な戦いぶりだった。メンバーのほとんどがヨーロッパの強豪クラブに在籍し、監督もフランスの名将アンリ・ミシェルならこの後も期待が膨らむ。

 ただ、非常に攻撃的なサッカーは楽しいのだが、したたかなアルゼンチンに対して守備の意識が多少甘かった。そういうところを、見事についてビシっと決めてしまうところが古豪アルゼンチンは流石でありました。
 2点目などはその典型で、リケルメのスルーパス一本にオフサイドぎりぎりで裏に飛び出したサビオラがピタっとあって、あっさり得点。1点目もフリーキックからゴール前で相手DFを巧妙につぶして、そのスペースにクレスポがシュート。だから、アルゼンチンの得点シーンはすごくシンプルな印象だ。
 かたや守備は本当にウマさを感じさせる。センターのアジャラは小さいし、屈強な体ではないが、負けない。左サイドのソリンは最初から最後まで、実によく走っていて、攻守の切り替えの早さを生み出し、チームのメリハリを見事につけていた。
 それと、憎たらしいほどのパス回しが随所にあって、「よくまぁ、そんな狭いところを」と感心させられるのだった。

 ある意味、現在の日本代表の理想型に近い気もする。ゲームメイカーのリケルメの存在はその古典的なスタイルが中村にかぶるし、早くて細かいパス回しもそう。デフェンダーが体格的に劣るのを、それに代わる頭脳と技術で補っているところもだ。
 ただし、日本には彼らのような「したたかさ」「ずる賢さ」が足りない。民族性と言えばそれまでだが、これも伝統、経験の積み重ねで身に付いてくるものと思いたい。
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by harukko45 | 2006-06-11 14:55 | スポーツ

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