The Rolling Stones/'88~'94

 さて、長々としつこく書いて来たストーンズものも終盤に差し掛かってきました。

 まずは、88年にミック・ジャガーが単独で来日、東京ドームでライブをやったのだった。私は幸運にもチケットを得たものの、ギターにジョー・サトリアーニ、ドラムにサイモン・フィリップスといったメンバーで、たぶんソロ・アルバムからの曲を演奏するのだろうと思って、さして期待していなかった。
 ところが、始まるやいきなり"Honky Tonk Women"のイントロで、背筋がゾクっとした。そうしたら、あのミック・ジャガーが、あのミック・ジャガーが、あのミック・ジャガーがですね、ステージ下手のスピーカーの前に登場して、客に手拍子を煽る例のパフォーマンスしてるじゃないか!!
 やられました。まさかストーンズの曲やるなんて! その後もまるで"Love You Live"のような進行で、ほとんどストーンズのナンバーを歌ってくれた。もう、正直バックが誰であろうと素直に興奮したし、生でミック・ジャガーを見れたことが、信じられなかった!(チケット持って観に行ってるのに変だけど)

 翌89年に待望のアルバム"Steel Wheels"は、ミックとキースの和解と、バンドとしての活動の全面復活ということで、全体的に好意的に受け入れられた。私もかなり何度も聴いたしね。そして、その後の初来日で、世の中ストーンズ一色かと思われるほど盛り上がりを見せたのだった。今思えば、なかなか楽しい思い出でありました。コンサートに行く時はただの子供と同じだからね。
 とりあえず、細かいことをあうだこうだ言えるような次元じゃなかった。ストーンズを生きてるうちに観れてよかった、っていうのが正直な気持ちだった。

 なので、このアルバムはその記念のような感覚でとらえていて、その後はあまり聴き返すことはない。全体には堂々とした豪華な作りだが、今聴くと印象的な曲がない。それと、たぶんドンカマ(クリック)を使ったレコーディングのようで、正確で安定したビートの演奏だけど、独特なグルーヴ感を感じられず、正直ノレない。
 また、ミックの歌い方がやけに力が入ってて、あまり良くない。ボーカルの存在感がイマイチで、いつものような多彩な表情や説得力に欠ける。

 "Steel Wheels"以後、アルバムを出しては大規模ワールド・ツアーを展開して、その後しばらく休む、というのが90年代以降の彼らのスタンスになった。それで、前作から5年後、94年リリースとなった"Voodoo Rounge"。
 共同プロデュースにドン・ウォズを迎えて、90年代風のザックリ感や適度に汚れた質感を取り入れてサウンド面では悪くないし、曲の質も前作より高いと思う。が、やけに落ち着いてしまった感じがして、スリルがない。それは、いかにも昔の彼らをもう一度シュミレーションしたような前半のm1からm8で顕著なのだ。王道のロックって感じで、まぁ、悪くはないんだけどね。

 そこで私としては、地味ではあるが、m9"Brand New Car"からの後半だけ楽しむ今日この頃である。ゆるめのカントリー・ロック、インチキ・ファンク、キースの渋いバラード、クラシック・スタイルのロックンロールとなかなか飽きません。トータルが長いからって、油断できませんぞ。
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by harukko45 | 2006-04-11 02:00 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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