The Rolling Stones/'73~'74

 "Goat's Head Soup"、日本語タイトルの方が、印象的(同じなんですけど、何かね)。「山羊の頭のスープ」、こうこなくっちゃ。
 発表当時の雰囲気は、ロックよりもニューソウルやファンク勢の方が刺激的だし、より内省的なシンガーソングライターも魅力的だった。そこで、それまでの南部指向からライトな都会派に少しシフト・チェンジしている。でも、まだ前作のドロドロが抜けきらないので、その辺が曖昧ではある。
 
 m1はカッコいいギターリフで始まるんだけど、何か全体にあざとい感じ。悪魔的なムードがかえって前作の出涸らしみたい。だったら、m2"100 Years Ago"やm4"Doo..(Heartbreaker)"の方が吹っ切れててずっと良いのです。
 m5"Angie"はヒットしてる時は大嫌いだった(軟派に見えた)のだが、今は好きだなぁ。それまでのストーンズ・バラードにはない「ゲセワな」ポップ感がおもしろい。(でも、ライブではミックは高い声が出ないのだから、やらないでほしい)

 m6,7といまいちフックのない曲が続く。前作だったらボツだろう。逆に、m8"Winter"は新鮮で良い。ミック・テイラーの泣きのソロに、それをかき消すかのような豪華なストリングス。お得意の「キュンとしろ」系のバラードだが、前より洗練された感じで、m3よりも成功している。
 m9はサイケの復活のような始まりにしては、どうってことない曲。とばしちゃおうかな。m10はシンプルに盛り上がりましょう。でも、幾分ライトなイメージね。これがこの時代の空気だった。

 そして、"Star Star"のノリをそのまま引き継いでレコーディングしたかのような"It's Only Rock'N Roll"。全体には湯上がりのスッキリしたところで、ビール飲みながらリラックスしてやりますか、って感じ。なにしろタイトル曲m3のプロモ・ビデオで、メンバー全員泡だらけになって演奏してたし。
 久々にR&Bのカバー(m2テンプテーションズ)があるし、ニッキー・ホプキンスはm4,5,6,8で大活躍、イアン・スチュアートのm9でのピアノも楽しそう。ミック・テイラーもm5を筆頭に随所で聴かせる。
 ジミー・ミラーがプロデュースをはずれたこともあってか、すっかりドロドロした粘り気はなくなった。聴き手も肩の力を抜いて楽しみます。

 ただし、m10"Fingerprint File"は次につながる何かを含んだ曲で、本作で唯一危険な香りでワクワクさせる。ありがちなファンクもストーンズが料理すると、妖しい空気があたりに充満する。これはキースが目立ってるからだな。
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by harukko45 | 2006-04-06 18:40 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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