The Rolling Stones/Beggars Banquet

 まず、この前に超強力シングル"Jumpin' Jack Flash"があり、その後に出たこの傑作アルバムによって、ローリング・ストーンズはビートルズの影響下から完全に脱却し、ある意味同等、またはそれ以上の存在となったとも言える。これがなければ、現在までのストーンズなど有り得ない。それほど重要であり、価値は高い。そして、何より飽きない!
 m1"Sympathy For The Devil"は"Jumpin'..."からの流れで聴くと、ますますご機嫌なんだけど、これほどまでに「悪魔」というものを、心技体全てを駆使して表現し、ポップスターにしたてあげたのが、とにかく凄い!
 ゴダールの映画「One Plus One」で彼らがこの曲をいかにいじり倒して完成させていったかがわかるが、本人達にとってはサンバ風にしたかったと言うんだからまいっちゃう。この曲はライブでも何回も演奏されて盤にもなってるけど、このスタジオ・テイクをけっして越えることはない。完全無比のカッコ良さでアルバムのオープニングとなり、未だに毒気をまき散らしながら、聴き手を幸せにするロック史上の大名曲。

 m2"No Expectations"以降の南部系のブルーズ曲もジミー・ミラーをプロデュースに迎えたことで、「ザックリ」した音に仕上がっていて、強さと奥行きが増した。そして何よりそのパフォーマンスが聴き手のソウルの部分に深く触れるようになったと思う。彼とのタッグにより「ブルーズ・オタクのコピー」から完全なる「オリジナル・ブルーズ」に進化したのだ。

 m5"Jigsaw Puzzle"は"...Devil"の続編のようで、演奏のもって行き方が似ているが、「ストーンズによるボブ・ディラン」とも言える感じで、これもかなりハマってしまう。
 で、m6"Street Fighting Man"はこれまた文句のつけようのない完成度。過激なエフェクトまみれのピアノが刺激的だし、シタールも効果的、マラカスの使い方も実にカッコイイ!(ちゃんとボ・ディドリーから繋がってくるわけで。)おかげで、ミックのボーカルはさらにワイルドで、もう止めようがない。
 m8"Stray Cat Blues"の麻薬的な響きも、マジックと言える。ジミー・ミラー以前にはこういうカオス的でありながら、その奥に潜む「何か」をも感じさせることはなかった。

 最後を飾る"Salt Of The Earth"は、m1とは対称的な存在であり、彼らのレパートリーの中でも特殊なキャラを持つストーンズ流のゴスペルだ。そして、アルバムにしっかりとしたトータル性を持たせる役割を担っていると同時に、そのまま次の"Let It Bleed"へとつながる「デカさ」を持った曲だ。ストーンズの快進撃はまだまだ続く。
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by harukko45 | 2006-04-05 00:47 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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