the rolling stones/a bigger bang

 ローリング・ストーンズ5回目の来日記念って感じで、去年出た新譜"A Bigger Bang"について。

 実は昨年の8月末に出て以来、何回か試聴はしていたのだが、どうしても買おうって気が起きなかった。でも、今年になってやっと購入、今はかなり聴いてる。
 最初の3曲ぐらいまでが、いかにも「若さ」を全面に出しているようなのと、まさに「ストーンズだぜ!」っていうムードがちょっと嫌だったのが、なかなか買わなかった原因なんだけど、グラミー賞の放送中にコンサート会場から中継で演奏されたm4"Rain Fall Down"がかなり良くって、「あれっ?」って思ったのだった。

 で、ちゃんと聴いてみると、やっぱ4曲目からぐっとこちらの気持ちが入ってくるのよね。別に最初のロックンロールがけっして悪いわけじゃないんだが、何せストーンズなので、どうしてもこの程度は「まあまあ」ってことに。

 m4はいわゆる「インチキっぽい」ファンクであり、m5"Streets Of Love"はいかにも「キュンとする」バラードで、m6"Back Of My Hand"は出ました!「テムズ川の綿花畑」、特にこれはミック、キース、チャーリーだけでやっているのでそのムード満点、m7"She Saw Me Coming"も同じくゲストなしなので、「あの時代」(60年代後半から70年代前半)がチラチラ見え隠れして、どれも魅力的だ。
 そして、m9"This Place Is Empty"のキースの声はヤバイでしょ、ボブ・ディランの"Love Sick"の歌いだしを聴いた時と同じヤバさだった。歳取るってすごい。
 
 m10のチャーリーはやけに元気でタイトだなぁ、でもダリル・ジョーンズのベースがうますぎて、パンク風の曲なのにボトムがやけに綺麗なんだよな、残念。続くm11"Dangerous Beauty"はカッコイイのりだなぁと思ったら、ミックがベース弾いてるし、キースとチャーリーの3人だけだった。

  m12"Laugh, I Nearly Died"はやけにバランスのでかいリムショットが打ち込みビート風でおもしろいし、ここでのミックの「演劇くさい」熱唱がいい。で、また3人だけのm13"Sweet Neo Con"でもミックが頑張りが目立つ。ミックはハヤリの感じとそれまでの自分達のスタイルをミックスするのがいつも「ゲセワで」うまいなぁと感心してると、次のm14はまるで80年代のイン・エクセスか、と思わせるようなキレの良さ。と同時に「悪魔的」な例のパーカッションとギターサウンドがかなりイケテル。
 
 ストーンズはすでに大傑作を何枚もモノにしているので、この作品を大絶賛というわけにはいかないが、近年のアルバムの中ではダントツだと思う。彼らの音楽は、黒人音楽のルーツに根ざした、実は予定調和の正統派ロックなのだが、その追求がアメリカの黒人以上に深く入り込んでいたため、まさに悪魔に魂を預けた「ヤバさ」が溢れていて、それが彼らのファンをやめられない魅力なのだった。そんなことを再び思い出させてくれる力作だ。
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by harukko45 | 2006-03-29 02:35 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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