WBC/日本は情報戦でも負けていた?

 昨日のWBCで韓国に敗れた日本代表、屈辱のアジア2位とは、一夜明けても気持ちが晴れないよ。
 野球は子供の頃、人生の半分ぐらいはしめていた重要な要素だったしな。王、長嶋の現役時代を見て育った世代としては、日本のプロが世界大会でアメリカ以外に負けるのは、そうとうなショックだ。

 だが、今日の報道によると、韓国チームは渡辺俊投手への対策、里崎捕手の組み立て等の情報をしっかり収集・分析し、それを打者に徹底させていたという。その影響で、渡辺は打ち込まれはしなかったが、彼らの右ねらいをさせないための内角へのシンカーがすっぽ抜けて、3死球を与え自滅に追い込まれた。
 イ・スンヨプの逆転ホームランも1-3でのバッター有利なカウントになると、必ず変化球勝負するという傾向を完全によんでいた。だから、体が泳ぐことなくタイミングぴったりと振り抜いた。
 それに比べ、先発のキム・ソンウからは2点取ったものの日本の打線はその後、大振りが目立つは、バント失敗などつながらず、韓国投手陣に完全に封じ込められた。

 思い出すのは、2004アテネ五輪時、病気で倒れた長嶋監督の後任を置かずに、そのまま中畑ヘッドが指揮したプロ代表チームだ。彼らは当然決勝に行ってキューバとやるとタカをくくっていたらしく、他のチームの情報収集・分析をしっかりやっていなかったという。そのツケは台湾戦で苦しみ、何とオーストラリアに2度(1次リーグ、準決勝)も敗れるという大失態をした。

 その時の捕手、城島選手は一人危機感を感じてデータ収集に取り組んだらしいが、肝心の首脳陣にはそのような意識は薄かったらしい。そりゃそうだろう、常に長嶋氏のカリスマ性のみに頼った長嶋なき「長嶋ジャパン」に、プロとしての徹底的に「勝ち」にこだわる意識と冷静な判断・戦略など生まれるはずがないからだ。

 こういう感覚は太平洋戦争における大本営の感覚と変わらないではないか。

 で、翻って「王ジャパン」だ。アジアを勝ち抜くのだって厳しい、とは言っていたが、だからといって万全の対策を練っていたとはいいがたい。たとえ選手の能力は日本の方が上であっても、情報戦においては完全に韓国にしてやられてしまった。彼らは日本に逆転勝ちしただけでなく、主力投手の大リーガー二人を隠したままだ。やはりアテネ同様、日本チームは世界を少しなめていたとしか言いようがない。

 彼らはプロだ。そして、今回はプロ同士が戦う、真のチャンピオン・シップだ。選手はイチローに代表されるように、モチベーションが高いし、ここに合わせて調整してきている。なのに、全体として日本プロ野球界は未だに危機意識が足りないのではないか。プロなら負けは許されない。彼らは金をもらって野球をしているんだから。少なくとも、勝つための最大限の努力をしてくれなくては、ファンは離れるばかりではないのか。私など、ずいぶん前から、日本の野球界にはもうすでにウンザリしている一人だが。

 アテネの教訓はまだ生かされていない。非常に保守的な野球界はちっとも改革が進んでいない。だから思い上がった意識・体質も変化なしだ。
 ただ、「王ジャパン」にはまだ救いもある。それは、本当の勝負はアメリカでの2次リーグから始まるからだ。ここまでに、彼らがとことん勝負にこだわった最善の策を練り上げてこれるかにかかっているし、その時間の猶予が与えられているのだ。

 プロなら勝つことが目的であり使命だ。イチローはこの大会の参加をいち早く承諾した理由に、「世界一を決めるんでしょ。それなら、出ない訳がない。」と言っている。簡潔明瞭ですがすがしい。そして同時に「プロなのだから、勝負へのこだわり・そのプレイを作品として魅せなくてはならない。」とも言った。なんという高い意識の持ち主なのか!彼の一言、一挙手一投足すべてにホレボレしてしまうし、学ぶべき事は多い。(再び言う。彼の「30年発言」を自国への挑発などと曲解してナショナリズムをあおる隣国は本当に大人げない。イチローへのデッドボールも報復のつもりか?)

 勝負に勝って、なおかつ作品にすること。これが本物のプロがすること、過去の偉大な先人たちも確かにそうだった。だからこそ、観ている私たちが感動できるのだった。王貞治という人もその一人だ。偉大なる王貞治を見殺しにしないためにも、「王ジャパン」全員の奮闘を期待したい。もちろん、精一杯応援している。
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by harukko45 | 2006-03-06 15:00 | スポーツ

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