松崎しげるwith大橋純子コンサート2006
2006年 02月 05日
本番前に我々はほぼ3時間以上、サウンドチェックとリハーサルを毎回おこなった。これは前にも書いたように松崎さんのやり方なので、アーティストによってそれぞれ違う。ただ、この常にキッチリとリハすることがこのチームのルーティーンとなっていて、それが本番に向けて過度の緊張感を生み出さず、平常通り入っていける要因と言える。
私は、いつもやっているウォーミングアップをその1時間前に始めるので、ずいぶん長く弾きっぱなしだが、逆にそのおかげで好調さを維持できたと思っている。
M-1:ラプソディ・イン・ブルー(オープニング・テーマ)
この前に7分近い映像が流れるが、この出来については松崎さんは最後までクレームをつけていた。あくまで完璧を追求したい彼の姿勢が強く現れていた瞬間だった。
さて、その映像の最後に流れるクラリネットの「あの」悩ましい旋律の後に、我々の"ラプソディ・イン・ブルー”がスタートする。あくまで最初の主題のみ生かしたオープニングテーマとして演奏されるパインツリー(松崎バンド)のみによるインストだ。
私はデオダードやボブ・ジェームス風にエレピでチャラチャラやろうかとも思ったが、ここはキチっと譜面どおりユニゾンすることにした。やっぱりなかなかよくできているものですなぁ。
ガーシュインの作曲力も素晴らしいけど、オーケストレーションの苦手な彼にかわってアレンジしたF.グローフェも素晴らしい。この関係は現代の音楽シーンにつながる作曲・編曲の分業制のハシリみたいなものかな?
そういえば少し長くなるけど、ガーシュインがパリに行ってラヴェルに会った時に、彼の巧みな管弦楽法について熱心に質問したらしい。するとラヴェルは「もうすでにあなたは一流のジョージ・ガーシュインなのに、何で二流のラヴェルになろうとするのですか?」と答えたという。なかなかシビレる話ではないか。
M-2:A Lot Of Living To Do~M-3:I Don't Mean A Thing(if it ain't got that swing)
松崎さんが登場してジャズ・スタンダードの有名曲をビッグバンド風のアレンジで続ける。M-2はこの現場で初めて耳にした曲なんだけど、パインツリーのバージョンはアレンジがなかなかかっこいい。イントロのsatoさんのピアノ・リフがいいし、途中でブギウギ調になるのも盛り上がる。
続くエリントンの名曲は典型的なビッグバンド・サウンドの再現でyukkoさんのシンセとkuroちゃんのジャングル・スタイルのドラムが大活躍。私はお邪魔にならないように、密かにライオネル・ハンプトンをイメージしてヴァイブの音で所々チャチャをいれておりました。
ここらあたりの松崎さんの選曲のセンスが光るし、ご本人の歌もラスヴェガスのショウを思わせる華やかさがあって、ウキウキさせられる。お客さんも手拍子で応えてくれて、最初からノリがよろしい!
熱気にみちたエンディングで会場が沸いた後にE・ピアノの印象的なイントロに導かれてジュンコさんの登場。
M-4:愛のセレブレーション(Tonight, I Celebrate My Love)
ロバータ・フラックとピーボ・ブライソンのデュエットでおなじみの曲ね。でも、ロバータよりもジュンコさんの方が可憐さがより出ていると思うな。この曲で両雄そろい踏みとなると、会場の雰囲気もぐっと華やかに盛り上がってくる感じがステージ上にも伝わってくる。でも、バックはあくまでシンプルにボーカルを引き立てることに徹する。
さて、この4曲続き後、お二人の軽妙なトークが炸裂。特に松崎さんのノリは今回すごかったね。そうとう笑かしてもらいました。ジュンコさんも笑い過ぎで歌う準備が出来なくなりそうでしたから。
でも、お客さんもここでかなりのリラックス・ムード。このメリハリさがいいんだろうね。
まだ前半なんだけどもうだいぶ長くなったので、次回に続く。