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S.A.S.は凄いぞ

 今月はやたらとテレビを観ているが、その中でも「The BLUES Movie Project」以上に衝撃的だったのは、イギリスのTVドラマ・シリーズの「S.A.S.」だった。このドラマはDVDもあるので、すでに知っている方も多いかもしれないが、私は今回初めて観て、その内容の濃さにかなりハマッてしまった一人であります。

 ということで、SASとは何だ?と検索してみると、まずはもろもろの企業名に、スカンジナビア航空(Scandinavian Airlines System)、サザンオールスターズ(SOUTHERN ALL STARS)そりゃそうだった!、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)に、大阪市営地下鉄の車内放送のサイト(Subway's Announcement Section)何?、おお、やっとありました。
 「S.A.S.」とはイギリス軍の特殊空挺部隊(Special Air Service)の略で、第二次世界大戦時に結成され今や世界最古で最強の特殊部隊と言われていて、今や対テロリスト、ゲリラなどの特殊作戦の手本となっているらしい。これが、アメリカのデルタフォースの元でもあるとのこと。

 で、要はイギリス軍の超精鋭達が主人公の過激な特殊戦争アクション・ドラマで、さまざまな状況でドンパチやるのだが、そのリアリティが半端じゃない。それは映像が生々しいという意味だけでなく、そのストーリーと人物描写が凄いのだ。そして、見事だと思うのは、単なるヒーローもので終わるのでなく、軍隊、軍人の危うさをもしっかりと、それもかなりドライに見せていること。
 とんでもなく尋常じゃない任務をしている彼らにも、家族があり、普通に飯を食い、酒を飲み、職場恋愛があり、人間関係の不和がある。それら一つ一つのエピソードを一切の「甘さ」なしにズバズバと切り込んでいく演出がひじょうに良い。

 だから、結果として登場人物すべてに共感と同時に反発も憶える。それは、これらの軍事行動そのものに対してもだ。自由と平和を守るのは、たやすいことではない。が実は、そのために陰では手段を選ばないやり方が横行していて、それに実際に関わっているのはヒーローでも救世主でもない、普通の人間なのだった。
 主人公のヘンノ軍曹はものすごく優秀で勇敢で、その行動や考え方には共鳴するものの、と同時に、実際に近くにいたら、その存在を無視していたいほどの恐ろしさとおぞましさを持ったキャラクターだ。その魅力は相反する要素で作られていて、それは他の隊員達についても変わらず、それぞれ重層的な描写がしっかりなされているのだった。
 
 これを観ると、さすがの「CSI」もホームドラマのようだし、あの「24」でさえ甘く思えてくる。
 
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by harukko45 | 2006-01-22 15:54 | 映画・TV | Comments(0)

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