マリス・ヤンソンスのニューイヤーコンサート

 今年最初に音楽を聴いたのは深夜のベルリン・フィルのジルヴェスターコンサートだったんだけど、これは厳密には2005年ってことになるわけね。サー・ラトルのベルリン・フィルは2002,2003年と一応ガーシュインなどを中心にはしていたものの、妙ちくりんなジャズもどきな年越しコンサートで大変がっかりさせていたのだが、2004年に少し持ち直してオルフの「カルミナ・ブラーナ」を、そして2005は今年の生誕250年を記念してのモーツァルト特集で、やっとこちらが期待するようなベルリン・フィルを聴けるようになった。

 ただ、昨日の夜に生放送されたウィーンのニューイヤーコンサートの出来の良さに、すっかり消し飛んでしまった感がある。

 マリス・ヤンソンス氏の指揮によるウィーンはここ何年間で一番のパフォーマンスを披露してくれた。最初の行進曲では少々堅苦しい感じがあった(再度聴いてみると堅さよりも、やってやろうモードがちょっと強かったような)のだが、続く「春の声」では優雅さだけでなく、大きさも感じさせるようなワルツを聴かせてくれて、「オッ、コレはいけるかも!」と私はかなり上機嫌になった。ウィーン・フィルの方々も例年になく真剣な表情と同時に楽しそうに見えるではないか。

 第2部は圧巻だった。モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲から始まって(実際には2曲目でした)、素晴らしく充実した内容であり、後半に行くにしたがって、音の豊かさがどんどんまし、ウィーンのノリの良さも際立っていき、そして、あのとろけるような弦の響き(特にチェロのアンサンブルは何て綺麗なのでしょう。)には完全にやられた。
 正直、「美しき青きドナウ」にこれほど感動したのは初めてだった。あのクライバーでさえ、これほどではなかった。

 ここ数年、お決まりの演奏でお茶を濁すようなウィーンのニューイヤーコンサートにはほとほとがっかりさせられてきたが、やはり質の高い指揮者が登場すれば、素晴らしいコンサートになることを実証してくれた。ヤンソンス氏は無類の完璧主義者だというが、実際の指揮ぶりは大らかでたいへん人間的だった。とにかくこの人の音楽は「大きい」と思う。それに、緻密ではあっても決して「頭でっかち」になっていない。
 新春早々、すっごくいいものを聴かせてもらった。ありがとう、ウィーン! 
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by harukko45 | 2006-01-02 15:58 | 聴いて書く

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