ブルーノ・ワルターが聴きたくなった(2)ベートーヴェン

 メリー・クリスマス! だからってわけじゃないが、今日もクラシック・ネタ、昨日に続いてワルターを聴くことに。

 前回はワルター先生のベートーヴェンはちょっと、みたいな書き方をしたが、それはいわゆる有名交響曲(中・後期の奇数番号)において言えることで、ベートーヴェンが全部ダメというわけではない。それどころか、先生のもの以外は聴く価値がないのではないか、と思えるものもある。それがこの2番で、世評ではこれに6番「田園」も加わるのだろうが、私は6番そのものがいまいち苦手で滅多に聴くことがないので、ちょっと語れない。しかし、2番に関してなら自信を持って宣言する。これ以外にベートーヴェン2番のCDは必要ない!

 世の中にある、ありとあらゆる音楽表現の中でも、稀に存在する「完璧」という称号をこの演奏に献上したいと思う。1959年のコロンビア交響楽団とのステレオ盤で、先生は82歳だった。最晩年でありながら、何と言う若々しさ! 曲中に力強い生気がみなぎっている。

 常に緊迫感を保ちながら、素晴らしいノリの良さで進んでいく1楽章は「完璧の中の完璧」で、ただただ唖然として聴き入るのみ。ノリだけでなく、各楽器のバランスの良さ、魔法のような強弱、そして何より気品があって美しい。そして、コーダでのトランペットが「ブワーッ」とクレッシェンドするところなど、「恐れ入りました!!」と最敬礼である。

 陶酔の極致である2楽章は、本当にすごい。ここまで感じ入って歌いきる指揮者、演奏家がいるだろうか。永遠に聴いていたい。
 3、4楽章も全く気を緩めることなく、それでいて懐の大きさも感じられて、強く貫かれた芸術家としての意志と卓越した名人芸の両方がちゃんと存在している。なのに聴き手にそれを押し付けることなく、最後まで音楽そのものを堪能させてくれるのだった。

 そして、演奏の良さに加えて、録音の良さも特筆すべき点だ。ステレオ録音の最初期であり、オール真空管式の機材、マイクはソニーのコンデンサー・マイクのよる3チャンネル1/2インチ・テープでのレコーディングとのことだが、本当にリアルな素晴らしい音質で、最近のものに決して負けない。この当時のディレクターのジョン・マックルーア氏のすごい仕事のおかげで、こうような宝物が残って、私は今日も幸せなひとときを過ごせるのだった。感謝である。
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by harukko45 | 2005-12-25 00:53 | 聴いて書く

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