今日のFREE(7)"Free At Last"

 前からずいぶん経ってしまったけど、フリー特集のラスト。72年の"Free At Last"、これまた意味深なタイトルで、オリジナル・フリーの完全なる最終作。
 一度解散して、それぞれの道を行くはずが、やっぱり「若気の至り」に気づいた(?)アンディの呼びかけで復活したのだが(他にもいろいろ理由はあるんだろうが)、結局「やっぱ、ダメだ!」ってことに。
 こういうことは私達の身近にもよくある。だから、「あの時のマジックをもう一度!」って気持ちと、一度終わったものを立て直すことの難しさにうんざりする気持ちの両方は、それなりにわかる。
 結局、長くバンドをやっていけば、純粋な音楽性よりも「人間関係」の方に重点がいきやすくなり、忍耐が必要になる。「人間としては嫌いだけど、あいつのギターは好きなんだ」ってことで何とか維持されていくが、慣れきった環境はある種の「甘え」や「許し」の構造を生み、それぞれのエゴが共同作業への妨げになっていく。
 これが、ある程度歳をとってくると、些細な人間関係よりも大事なのは音楽だって(いや金儲けだったりして)理解できるようになるんだろうが、まだ20歳ごろの連中じゃ無理だっただろう。
 
 しかし、腐ってもさすが我らがフリー! 私はこのアルバムが大好きなのだ。確かに、もうちょっと煮詰めてほしかったところはあるのだが、それぞれの曲はけっして悪くないのだ。演奏だってかなり洗練されてきているし、それまでとは違う方向性(よりライトな印象を与えながら、実は内省的な感覚)へのアプローチもしていると思う。
 "Catch A Train""Soldier Boy"もかっこいいじゃないか。ただし、もうちょっと長いバージョンにしてほしかった。「オー、いいぞ!」ってとこで、チャンチャンと終わってしまう印象が。ほんとに残念。
 そうこうしているうちに"Magic Ship"、「エー、サビやない!」なのに、後半の長尺のインスト部分はずっとロジャースのピアノで、コズフは何しとんの!ずいぶん遠くにギターのチョーキングが。
 それにしてもポール・ロジャースの唄ってやっぱいいなぁ。"Sail On""Travellin' Man""Little Bit Of Love"と聴き惚れます。演奏もノリがいいんだ。フリーの面白さの一つに、こういうグルーヴィなところがあるのだ。皆簡単に「重いビート」って言い過ぎる。そんなに簡単に片付かない。とは言え、M7は途中で放ったらかしたようなエンディング。こういうところがガクっとさせるのよ。続く"Guardian Of The Universe"も明らかに未完成。アンディにもうちょっと忍耐力があれば、きっと堂々たる大作に仕上がっただろうに。
 しかし、そういう投げやりさは次の"Child""Good bye"では逆に内省的な表現効果(あー、終わりが近いんだって気分)を上げていて面白かったりする。
 このかっこいいのに、妙に物足りない感じが、私にこのアルバムをリピートさせるみたいだ。
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by harukko45 | 2005-12-20 14:51 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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