ジョン・レノン・スーパーライヴ2013の詳細(2)

(1)からの続き

 MONKEY MAJIK/I Feel Fine~I Want To Hold Your Hand

 MONKEY MAJIKは4人編成でカナダと日本とのハイブリット・バンドなのだが、今回はそのフロントをつとめるカナダ人のプラント兄弟、メイナードとブレイズにヴォーカルをお願いした。
 彼らが選んだ2曲は共に、ビートルズ初期を代表する名曲で大ヒット作。この手の曲をやるのは楽しくてたまらない。個人的には、このイベントでの最大の喜びであると思っている。

 "I Feel Fine"は64年リリースの8枚目のシングル、アルバムでは「パスト・マスターズVol.1」に収録されている。この曲では、まずイントロのフィードバックが甚く有名。ジョン曰く「レコーディングでフィードバックを使ったのは僕らが最初だ!」



 確かにこのあまりにも印象的なフィードバックなしでは、この曲は始められない。ジョンはライブでも時折やっているが、ウィル・リー率いるビートルズ完コピ・カヴァー・バンド「The Fab Faux」がこのイントロをとてもシリアスにやっているのが、実に面白い。
 YouTubeの映像では一度失敗して、もう一度やり直す前にお客に静粛を求めているのが笑える。



 で、このフィードバックに続く、ギターのリフも何ともカッコイイのだが、これは元ネタがブルーズ・ギタリスト、ボビー・パーカーの"Watch Your Step"である事を、ジョン自身が語っている。これを聴くと、ドラムスのラテン・ジャズっぽいパターンまで一緒だから、かなり意識していたことに驚く。
 ちなみに、レッド・ツェッペリンの"Mobby Dick"も、「っぽい」な。



 そんなリフに乗りながらジョンが歌うAメロは、それほどブルージィなムードを強調しないのがクールだと思う。で、シメにあたる「I'm in love with her and I feel fine」を3声コーラスでビシっとキメるビートルズのアレンジ力の高さにシビレる。「I'm so glad」からのBメロでは、もうボビー・パーカーの影も形もない。完全なビートルズ・パワーポップの世界にどっぷりと浸かって気持ちのよいことこの上ない。ここでは、3人のヴォーカル陣の絡みだけでなく、リンゴのドラミングにも耳を奪われる。そして、ギターソロから歌に戻るまでに挟み込まれたブレイクが、これまたカッコイイ。リフとドラム・フィルの絡みがゴキゲン。

 そんな聴き所満載の"I Feel Fine"は、実際に演奏してみると、微妙にハネながら推進力を失わずにキープしていくのは、なかなか難しい。また、キーボードをいろいろ加えて厚みを出すのも、あまりいただけない。あくまで、隙間のあるシンプルなギター・サウンドとポップなコーラスが決め手なのだ。
 我々は自然にノレるように、何度か演奏しながら、身体にしみ込ませていった。その成果もあって、MONKEY MAJIKを迎えてのリハーサルは至極スムースに進み、二人は大いに楽しんで盛り上がっていた。この曲では弟のブレイズがリードを取ったが、英語の発音が完璧なのは当たり前として、パワフルなシャウトで、ジョンとは逆にブルージィさを強調する感じだったのが面白かった。

 そして2曲目は、これまたあまりにも有名な"I Want To Hold You Hand"。こちらは兄のメイナードがリードにまわったが、リハではブレイズが、ビートルズにはない上ハモを即興で付けたりしていた。メイナード君は「そのハモはオリジナルにはない!」ってクレームつけてたが、ブレイズ君は我関せず、いろいろパターンを変えて、なかなかのやんちゃぶりを見せていた。本番では、兄弟で折り合いをつけたか、オリジナルに近い形に戻っていた。

 ただ、武道館での彼らは少し緊張していたか、最初のうち、ちょっと硬くなっていたようで、リハでのエネルギッシュな感じが少し薄れていた。が、"I Want To Hold Your Hand"という曲の持つ「爆発力」もあってか、一気にテンションが上がって行ったのがすごく印象的だった。

 とにかく、ポップ・ミュージックに革命を起こした瞬間、それは64年のワシントンD.C.ライブでの"I Want To Hold Your Hand"。ポールのカウント「1,2,3」から「ドドダー」と演奏が始まった時の、会場の絶叫!まさに、あの瞬間!
 私がこの映像を見たのは、もちろんずっと後ではあるが、それでも強い衝撃を受けて、思わず身震いした経験を一生忘れない。
 だから、私にとってこの曲は「爆発」「革命」の象徴なのだ。やっぱり、この曲のインパクトは凄いと、あらためて感じた。



詳細(3)に続く。
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by harukko45 | 2013-12-16 14:53 | 音楽の仕事

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