水越けいこ/Summer Live 2013のまとめ

 先月に行われた、水越けいこさんの「Summer Live 2013」について、書きたいと思います。もうだいぶ遅ればせながらの状況なので、記録として残しておくものに、私のちょっとした感想を添える程度でまとめられたらと思いますが、なかなかそうも行かない部分もあるかも。

 さて、今回のツアー、ファンの皆さんから広くリクエストを募集して、その上位曲で構成するという企画だったが、それにこだわったために、曲順を決めるのにかなり苦心されたとのこと。確かに、TVのランキング番組みたいにただ並べるのでは、少々安易すぎる。よって、全体の構成を考えながらのセット・リスト作りに時間を要したのだろう。
 結局、私の方にリストが届いたのは7月の第2週に入ってからで、正直、リハ前に十分準備しておくというわけにはいかなかった。ただし、今回はほとんど私一人で伴奏するので、ある意味、出たとこ勝負みたい部分もあえて残しておくことにした。実際のライブで、けいこさんとコラボする中で、即興的に発展していくのも楽しいはず。

 また、東京と大阪では2回公演で、そのうち1部の方は、けいこさんが選ぶ「夏の曲集」とし、2部の方を「オール・リクエスト集」としたので、曲数がかなりの数になってしまった。だから、一つ一つを丁寧にあたると言っても、時間的に難しかった部分もあったのだ。

 とは言え、どれも個性的なけいこさんの曲を一度にたくさん触れるというのは、実に楽しかったことでもあり、「おお、何でこの曲に気がつかなかったのか!」と思うこともあった。そういう新発見こそが、大いなる喜びともなるのでした。

 では、そのセット・リストは、以下の通りです。

 大阪・東京1部/m1.Thank You Summer〜2.Dear Summer Time、3.雨の休日〜4.ヨーソロ〜5.いつだってボーイフレンド、6.ふりむけばLoneliness〜7.Feeling Blue〜8.ペルシャン・ブルー、9.月あかり、10.八月の空〜11.海潮音、12.Throw A Kiss〜13.いちばんシンプルなラブソング〜14.哀しくて、15.私への誓い En1.僕の気持ち〜2.アバウト・ミー、En3.流れるままに

 大阪・東京2部、名古屋/m1.海と少年〜2.Loneliness & Blue、3.東京が好き〜4.あなたに〜5.Touch Me In The Memory、6.エアーメイル〜7.Hiroshi〜8.32階のBAR、9.Dear Summer Time〜10.ブルースカイロンリー、11.Throw A Kiss〜12.いちばんシンプルなラブソング〜13.哀しくて、14.めぐり逢いすれ違い〜15.ヨーソロ、16.Too Far Away En1.月あかり〜2.モノクローム、3.僕の気持ち、4.ほほにキスして

 このうち、2部のアンコールについては、各場所で少し違っていたかもしれない。記憶が定かではありません。たぶん、ここに書いたのは東京の時のもの。また、名古屋では1曲目が、「海と少年」ではなく、「Thank You Summer」に入れ替えた。

 7月15日と20日にリハーサルを行い、21日には大阪Mister Kelly'sでの初日。この場所は普段ジャズを聴かせながらお酒を楽しむところで、ステージと客席は極めて近い。それに、昼の部は超満員で、ピアノのすぐそばにまで、お客さんがいらっしゃる状況。大阪でこれほど大盛況だったのはうれしい限りだが、序盤、少し緊張感が強かったことも事実。個人的には、気合いが空回りする、悪い癖がところどころ自覚症状としてあり、ちょっと悔いが残った。
 なぜなら、私自身は1部のメニュー、特に前半が好きだったからで、いろいろと思い入れが強かった分、その思い通りに弾けなかったのが残念だった。

 それは、m3の「雨の休日」から「ヨーソロ」「いつだってボーイフレンド」の3曲続きのコーナーで、タイプの違う曲調、詞の世界がありながらも、美しい流れになって、うまくストーリーを組み立てたかったのだった。大阪では「ヨーソロ」はまあまあだったが、前後がうまくいかなかった。その悔しさは東京・江古田マーキーでは何とか晴らせたように思う。それにしても、ここの3曲、本当にいい構成だった。

 また、m6の「ふりむけばLoneliness」からの3曲は、けいこさんの良き友人で共作者である、竜真知子さんの作詞による作品が並んだ。竜さんは数々のヒット曲に名を連ねる、日本ポップス界を代表する作詞家の一人で、大橋純子さんにも「クリスタル・シティ」「サファリ・ナイト」と言った名曲で関わっている。そして、けいこさんとの仕事でも重要な存在だろう。
 私は「ペルシャン・ブルー」のレコーディング時にお会いしただけだが、個性的なオーラを振りまいていて、実に印象的な方であり、本物のプロであると感じた。そんな彼女が詞を担当した楽曲は、いずれもレベルの高い作品として仕上がっている。なので、当然、こちらもきちっとした演奏で応えたい気持ちになるのだった。

 1部の方ばかり語るわけにはいかない。2部は、けいこさんの代表曲と言えるものばかりが並んでいるので、私の方で何かを仕掛けることはそれほど必要ない。そこにある名曲をナチュラルに聴いてもらえるように心がければ、いいコンサートになるはず。なので、こちらのメニューの方が、比較的リラックスしてやれたように思う。これまでに何回か演奏してきた曲であることも大きかった。
 だから、大阪の2部ではかなり楽しく生ピアノを弾かせてもらったし、翌日の名古屋では、デジタル・ピアノに若干手こずったところもありながら、全体としてはかなり熟れた感じだった。

 私が特に気に入っていたのは、m3「東京が好き」からの3曲。どれも大好きな作品ばかりなので、何も言うことはない。m6の「エアーメイル」からの3曲も、ちょっとした毒がある感じで好きな曲が並んだ。ここも楽しかった。

 で、私が一番夢中にさせられた曲は、「Thank You Summer」と「月あかり」だった。これまでやっていなかったから新鮮だったせいもあるが、「Thank You Summer」の奇抜で型にはまらないメロディ構成にはクラっとさせられる。ひょっとしたら2つの曲をくっつけたのでは、と思うほどだ。それでいて、ちゃんと一つのストーリーになっているのが素晴らしい。何度やっても飽きないね。
 「月あかり」は、私には服部良一先生が活躍されていた頃の上海歌謡のような響きを感じた。佐藤準さんのアレンジはそういう方向ではなかったが、曲の方にそういう香りがあったのだろうか、それともイントロとエンディングに出てくるヴァイオリンのフレーズのせいか。確かに二胡で弾いても合いそうだな。
 とにかく、何とも言えぬ上品なエキゾチックさがあるように思う。とても好きです。

 ところで、今回のリクエスト特集、トップ3の曲には、伊藤薫さんが作った初期の曲が2曲も入っていた。この結果を見た時のけいこさんが思わず、「あら、私、ちょっとかわいそう」と言ったのが、すごく面白かった。みんなで大笑いしながら、「ほんとにそうだよねぇ!」って返しましたね。
 とは言え、2部の最後に伊藤薫さんの3曲「めぐり逢いすれ違い」「ヨーソロ」「Too Far Away」がつながると、やっぱりなかなか重厚だった。存在感が強い曲ばかりなので、ファンの人達の心にも深く響くのだろう。

 そして、27日の江古田マーキーでは、2回公演ともに充実した内容でやり切れたと思った。それに、立ち見まで出るほどのお客さんを前に、けいこさんも私も燃えないわけがない。それでいて、二人とも程よくリラックスしていたのが、すごくよかった。

 というわけで、いろいろ語り始めるとキリがありません、特に今回のようにだとね。なので、とりあえずこれで終わりにします。またの機会に、曲についてなど書きたいと思います。

 それにしても、大阪、名古屋でもたくさんの方に来ていただき、そして、東京では2回公演がどちらも超満員となり、本当に感慨もひとしおです。この流れを、もっと大きなものにしていきたい、それがスタッフ、メンバー全員の総意でしょう。
 あらためて、いつも応援しつづけてくれたファンの皆様に感謝です。心からお礼申し上げます、ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
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by harukko45 | 2013-08-28 23:27 | 音楽の仕事

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