水越けいこ/Spring Tour 2013の詳細(3)

(2)からの続き。

e0093608_22414119.jpg m14.together

 本編の最後は、94年の「The Sketch Of A Woman」のラストを飾る"together"。ご子息の麗良くんに捧げられた最初の曲である。まだ、れいくんがおなかの中にいる時に書かれた曲だそうなので、けいこさんにとって、大切な曲の一つに違いない。
 スタジオ版では、愛息にやさしく語りかけるボーカルをけっして邪魔しないようにしながら、それでも気持ちよくグルーヴしていくバック・トラックが収録されている。ギターの塩次伸二さんやエレピの小島良喜さんら、関西R&B系の名ミュージシャン達の演奏がすばらしい。

 東京・名古屋では私一人だったので、あまりハネるようなビートではなくシンプルにやった。大阪では逆に、ハネる感じを意識して、R&Bっぽいアプローチをメンバーにお願いした。すごく内面的な曲なのだが、淡々としながらも力強く前進していく感じが、演奏の肝であり、それこそが曲自体のテーマだ。
 すごく難しい曲だけど、やりながら静かに感動してしまう。

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 En1.You Are My Life〜2.boy〜3.僕の気持ち

 アンコールに応えて、という形をとってはいるが、本編ラストからの一つの流れとしてとらえられる3曲。それは全て、れいくんに捧げられた曲達であり、今回はそれらをまとめて聴いてもらうことになった。
 "together"から年代順に演奏したので、れいくんの成長を会場の皆さんと共に振り返っていく。

 "You Are My Life"は97年の「In My Life」に収録された。アレンジャーの徳武弘文さんの超美しいアコギを始め、何本かダビングされたエレキ・ギターの名人芸がすばらしい聞き物でもあるし、何と言っても「たった一日(一秒)でもいい、あなたより永く生きたい」の歌詞とけいこさんのボーカルにふるえない人はいないだろう。

 "boy"は2006年夏に私が自宅で制作したものが最初で、それはファンクラブ会員向けのプレゼントCDとして配布された。これは、全て私だけの演奏でミックスも自分でやったと記憶する。
 その後、ニュー・アルバム制作が決まり、ベーシックのピアノのみ残して、新たにダビングしなおした。この時はエレキ・ギターに土屋潔さんを招いて、ジョージ・ハリソン風のイメージで素晴らしいバッキングを入れることが出来た。それが、先日リリースされた「僕の気持ち」に収録された。

 "You Are My Life"と"boy"は共に、けいこさんの母としての思いが一杯で、それは愛情だけでなく、不安や切なさ、子を守る強さなどの複雑な感情が含まれているのだろう。だからこそ、曲全体に凛とした緊張感が感じられるのだ。

 そして、最も新しい曲"僕の気持ち"には、何とも言えない「あったかい」空気感があって、バックトラックとともに演奏していると、こちらまでリラックスしてやさしい気分になってしまう。
 れいくんの気持ちが歌詞となったこの曲が与えてくれる喜びは大きい。

 このコーナーではバンドではなく、私と森さんのみで演奏をした。

e0093608_9321461.jpge0093608_95036.jpg En4.気分は5月の風のように〜5.ほほにキスして

 大阪ではダブル・アンコールに応えて、メンバー全員での2曲。とにかく、楽しく盛り上がれる2曲でした。特に"気分は5月..."好きですねぇ。

 名古屋では、ニューアルバムに収録予定の"私への誓い"が大ラスだった。

e0093608_162143100.jpg En6.Too Far Away

 大阪でのライブの最後は"Too Far Away"。定番のレパートリーではあるが、今回は特に意味のあるものになった。それは、5月23日にサンミュージック会長の相澤秀禎さんが亡くなられたからだ。その悲報は、名古屋への車中で知らされたのだが、けいこさんにとっては音楽業界での恩師の死は大きな出来事であったにちがいない。
 名古屋では、そのショックを見せずにステージをこなし、弾き語りのコーナーで"Too Far Away"を落ち着いて歌ったのだが、最終日の大阪ではついに堪えきれずに、思わず涙で声が詰まって歌うことができなくなってしまった。すると、会場のファンの皆さんが歌いだして、曲をつないでくれたのだ。これには、すこぶる感動させられた。ピアノを弾きながら、私も熱いものがこみ上げてきてしまった。

 偶然とは言え、このタイミングで"Too Far Away"を歌うのは、けいこさんと相澤さんとの深い縁を感じたし、心から哀悼の意をこめた素晴らしいひと時になった。

 さて、これで「Spring Tour 2013」は終了です。大阪でのバンドに加わってくれた、ベースの小林正見さん、ドラムスの井上裕司さん、サックスの山本周典さんには、心から大感謝です。たった一日、それも本番前日のリハだったにもかかわず、その前にしっかりと準備していただいたおかげで、本番をうまくやり遂げることができたのです。
 彼らはさすが大阪人で、明るく本当に楽しい人達でした。また、再会したいものです。

 そして、ファンの皆さんとは大阪本番の前日に、一緒に飲み会をすることで、これまでにない交流ができました。いろんな意見も聞けたし、何より皆さんの熱い思いはビンビンと伝わりました。ただし、皆さんがどんどんビールを注ぐので、かなりヨッパライましたよ、ほんと。でも、会話が弾んで楽しかったです。また是非、飲んで語りあいましょう。
 で、次回は夏、7月です。内容はどうなるのかは、まだ私にはわかりませんが、とりあえず参加させてもらいますので、どうぞよろしくお願いします。
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by harukko45 | 2013-06-04 19:08 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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