ジョン・レノン スーパー・ライヴ2012の詳細(11)

(10)からの続きで、最終回。

 ショーン・レノンさんを迎えて Yer Blues

 ジョン・レノン スーパー・ライヴにようやくショーンが来てくれた。"Yer Blues"をやると言うので、すごくうれしかった。とは言え、彼がギターを弾くし、キーボードは無しなので、実際に共演したのは古田、押葉、土屋の3人衆のみなのだが。
 私は演奏に加わらないものの、リハを見学させてもらった。この時は、本番数日前に別のスタジオでおこなわれた彼のためだけのセッションであった。

e0093608_14442641.jpg 彼が"Yer Blues"を選んだのは、2010年にプラスティック・オノ・バンドのコンサートで、エリック・クラプトンと一緒にこの曲をやったからだという。「その時の演奏がすごく気持ち良くて、ようやく父の曲で歌える曲ができたと思った」のだそうだ。
 また、「父の曲がすべて名曲で、それを息子の僕が歌うことで父親と比べられることをプレッシャーに感じていた」ので、ヨーコさんも彼が「(出演を)自ら言い出すまで待ってくれていた」とのことだ。

 実際、父・ジョンとも共演したクラプトンとのセッションは、彼に大きな刺激になったようで、その時に得た情報(特に二人のギターの住み分けやベースの動き)を元に、彼が考える"Yer Blues"像が出来上がっていたようだ。なので、リハが始まると、かなり頻繁に演奏を止め、土屋さんとのフレーズの確認(「あなたのパートはクラプトン、私がジョン」)や、3つの弦楽器それぞれのスペースの保持(「自分のスペースを維持して、他には入らずに」「ポールは高い方に動いているけど、僕はそうじゃない方が好きなんだ」)等、随所にこだわりを見せて、一つ一つ固めていった。それが実にシリアスで印象的だった。
 また、「初めて演奏しているようにやれるのが理想」という言葉にはいたく共感、というか、私も常にそうありたいと思う。
 
 そんなショーンは頭でっかちか、とんでもない。間奏のソロでは、毎回ブッチギレの熱演になるので、しばしばボーカルに戻れなくなるほどだったし、エンディングでのシメなど、本番さながらのアクションでバンドをリードしていた。
 このエンディングは、68年の「Rock and Roll Circus」での"Dirty Mac"バージョンでも、69年の「Live Peace In Tront」でのライブ・バージョンでもなく、彼が新たにアイデアを出したもので、最後の最後で「ぐちゃぐちゃぐちゃーと長くのばすのは好きじゃないので、短めにシメる」と言って、タイトにキメたのがすごく良かった。3人のメンバーにも「パーフェクト、パーフェクト」を繰り返して、仕上がりに満足した様子だったし、観ていただけの私もすごく高揚した気分になっていた。

 さて当日、直前の音合わせでは、ちょっとナーバスな感じの彼だったが、やっぱり本番は違う。特に、歌い始めでの「Yes I'm lonely wanna die 」におけるリアルな「ジョン・レノン感」、これはもう、「血」としか言いようがない。そのゾクっとした感触と興奮は忘れられない。ギター・ソロをかなりの勢いで弾きまくっていたし、バンドへの指示も完璧、エンディングも思い通りにビシっとキマッタ。
 私はステージ袖でずっと見守っていたが、見事なパフォーマンスに熱いものがこみ上げてきてしまった。身内でもないのにおかしな話だが「本当にうまくいって良かった」って心から思ったのだった。


2010年ニューヨークでのコンサート、ショーン・レノン、エリック・クラプトン、クラウス・フォアマン、ジム・ケルトナー、ヨーコ・オノによる"Yer Blues"。この時のエンディングは"Dirty Mac"バージョンだ。
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by harukko45 | 2013-01-12 17:37 | 音楽の仕事

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