ジョン・レノン スーパー・ライヴ2012の詳細(6)

(5)からの続き。

 Love Psychedelicoを迎えて Kiss Kiss Kiss〜Cold Turkey

 デリコのNaokiくんは、このメドレーをやるにあたって、前もってデモを作り、わざわざリハ前に持ってきてくれた。それは、ちゃんとKumiさんのボーカル入りで、ギターもいろいろダビングしてあり、なかなか手の込んだ出来になっていた。
 これまでは、セッションしながらのヘッド・アレンジが中心だったが、今回はかなり作り込もうとする意欲を感じた。リラックスした中で、じょじょに仕上げていくのも楽しいが、やはり、「こうしたい」という明解な意志を示してくれるのは、こちらのモチベーションも高くなる。まさに「期待にはたらきかける」ということだ。

e0093608_18495152.jpg それと特筆すべきは、メドレーの前半がヨーコさんの曲"Kiss KIss Kiss"であったこと。80年の「Double Fantasy」の2曲目であるこの曲は、セックスを求める日本語の台詞と喘ぎ声のために、思わずNextボタンを押してしまう人も多いかも。だが、曲自体はその当時のニューヨーク的ニュアンスに富んでおり、CBGB的とも言えるムード。このオケで、デイビット・バーンやデボラ・ハリーがボーカルでもおかしくない。

e0093608_1971074.jpge0093608_1971450.jpg Naokiくんは、そういうニューウェイブ風要素を残しながらも、全体的には自分達流のザックリとしたロックで勝負してきた。それでいて、二人のギターと自分のギターとの役割分担をキッチリ決めていったところが良い。そこに、エレピとオルガンが自然にどちらかのサイドに付くようになるので、ひとまずバンドは土屋+十川チームと長田+和田チームになって左右のバランスを取り、センターにリズム隊を従えたデリコの二人が陣取るというわけ。
 また、こういうパンキッシュな曲でのKumiさんのボーカルは絶妙でカッコイイ、文句なし。正直、ヨーコさんにはないポップ感があり、ヨーコさんのアヴァンギャルド性との両立が実に楽しい。

 "Kiss Kiss"の後半から、ギター・ソロを経て、いくつかのコード・チェンジをしていくパートを、Naokiくんは「セッション部分」と呼んだが、それがちょっとザ・フーの「Tommy」っぽい展開で面白く、すごくワクワクさせてくれた。そして、次への期待が最高潮になった瞬間に"Cold Turkey"のリフに突入する。ここ、何回やってもシビレタ。ものすごくクールで、まさにNaokiアレンジ最大の聴かせ所となった。

e0093608_1924146.jpg ジョンが作ったブルーズ・ロック・チューンの中でも屈指のカッコよさを誇る"Cold Turkey"は、イントロのギター・リフだけで興奮する。ここでは、Kumiさんもギターを持って(それも、ニール・ヤング・モデルのレス・ポール、もちろんアーム付き)、このハードなリフに参加。かなりの分厚さになった。
 それと、Naokiアレンジでは、ベースとドラムスに16分のオフ・ビートが注入されたので、オリジナルにない、ファンキーなグルーヴが生まれた。これも、現代のバンドによる意欲的なカバー・スタイルだし、なんだかんだ言わなくっても、とにかく盛り上がる。ちょっと喜びすぎて、リハの当初では音数が多くなっていたが、すぐに整理して、クールな良さをキープするように心がけた。

 基本的な構成は、以前にデリコ自身がバンド編成でスーパー・ライヴに出演してくれた時と同じだったが、今回は随所によりダイナミックな動きがあり、すごくスリリングになったと思う。
 それと、デリコとのセッション後に、再度、バンドのみでシェイプしていったので、メドレー全体のグルーヴ感がますます良くなっていった。本番日でのリハで、それを感じ取ったNaokiくんは、わざわざ我々に褒め言葉をかけてくれたし、もちろんメンバー達のモチベーションもさらに上がったはずだ。

 本番では、全員が自信に満ちて演奏していたし、リハでは出ない一気呵成な勢いも加わって、最高に気持ちいい時間になった。今回のベスト・アクトはデリコ、と断言したい。

(7)に続く。
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by harukko45 | 2013-01-04 19:53 | 音楽の仕事

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