ジョン・レノン スーパー・ライヴ2012の詳細(1)

 12月8日に行われた「ジョン・レノン スーパー・ライヴ2012」について振り返ります。

 今年のスーパー・ライヴでは、ここ数年とは違うものが随所に組み込まれ、出演してくれたアーティストの皆さんも新たな顔ぶれが増え、バックをつとめる者にとっても新鮮な要素がたくさんあった。
 それと同時に12回目ということで、ある意味、イベント全体に「熟れてきた」色合いが感じられ、私は特に、トリビュート・バンド全員の一体感の素晴らしさに、いたく感動したのだった。
 毎回、約一年ぶりに再会するバンド・メンバー達は普段、それぞれの現場で中心的立場で音楽活動をしている人たちばかり。そんな彼らが、この時期に「ジョン・レノンの音楽」のもとに集まり、バックのサウンドに貢献してくれている。それだけでもすごいことなのだが、ここ数年、ほぼ同じメンバーでやれていることや、各自の意識の高さもあって、ただのセッションではない、一つの「バンド」として成立するようになった。
 2ギター、2キーボード、ベース&ドラムスの編成は、とかく音が多すぎて飽和しそうな危険があるが、現メンバーは各自のスペースをきっちり作り出しながら、見事に共存することが出来ている。それは、誰かの強制ではなく、ほとんどが自発的になされている。こういうことは経験値の高いベテランならでは、とも言えるだろうが、本当は音楽への共感度が最も重要なのだ。それが、セッションとバンドの差となるものと、私は信じている。技術的に優れていても、全員がやっている音楽に共感していなければ、バンドにはなり得ない。

 ここで言う「共感」とは、人間的に、ってことじゃない。あくまで「音楽」について、どう感じているか、そこに徹することが出来るのが、プロ・ミュージシャンとしての証とも言える。
 まぁ、「ジョン・レノン」「ビートルズ」という括りで音楽することは、最初から共感度が高いことも確か。だが、だからこそよりプレッシャーも高い。

 ギターの長田進くんは今回、随所に音楽の「きっかけ」になる部分で活躍してくれた。彼の根にあるロック魂は常にバンドにガッツを吹き込む。また一本気とも言えるアプローチは、今どき珍しい「男らしさ」を感じさせる。それでいて、12弦ギターなどで見せる繊細さは、彼の多面性をちゃんと示していて、それがバンドに刺激を与えてくれる。また、フロントのアーティスト達とのコミュニケーションにも長けていて、大いに助かる。

 もう一人のギター、土屋潔さんは最年長であり、ミュージシャンとして常に敬意を払われる存在。彼の無駄のない核心をついたプレイ、確実で丁寧な演奏は、玄人であればあるほど納得させられる。ビートルズにしぼっても、彼はまさに生き字引のようにギターを弾く。ビートルズの「肝」を理解する数少ない名手であり、ミュージシャンズ・ミュージシャンと呼べる人物だ。温厚な性格とやさしげな風貌だが、実は最も「毒」を含んでいるかもしれない。

 主にピアノ系のキーボードを担当してくれた十川ともじさんは、私より年下なのだが、彼の佇まいの柔らかさから、何となく「さん」付が似合う(?)。彼はアレンジャー、プロデューサーとして私などよりも多方面で活躍していて、その鋭い感性でいろいろなアイデアを瞬時に生み出す。が、同時に全体を見渡すことも出来ているので、絶妙なバランスでそれを配置する。また、ピアノに徹した時には、自由で即興的な部分もあって、決して予定調和にしないところが実に面白いのだ。

 ドラムスの古田たかしくんには説明不要なほど、彼は日本の音楽界・ロック界におけるレジェンドの一人だと思うが、とにかく、10代でデビューした天才なので、同世代の私には憧れの人物でもある。だが、彼の素晴らしい人間性とそのプレイに接すれば、誰もが大好きになること間違いない。また、彼はバンド・リーダーとしての経験も豊富なので、常に「痒いところに手が届く」サポートをしてくれる。ところが、彼はそれをほとんど無意識にやっている。そこが凄いところなのだ。

 ベースの押葉真吾くんは、我がバンドの重要なボーカリストでもある。私としては、出来るだけ多くの曲に押葉くんの声が入っていることを望んでいる。それが、バンドの個性となり、カラーとなっているほど大事だからだ。もちろん、彼はビートルズ博士でもある。その知識・見識は私にとって、最も頼りになるものだ。だが、彼は決して頭でっかちではなく、プレイし歌うことを最も愛するアーティストだ。彼の機知とユーモアに富み、同時にナイーブな感性は、我々がバンドとなりうる大きな要素だと思っている。

(2)へ続く。
[PR]
by harukko45 | 2012-12-20 16:26 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30