王様「New Old Stock」/原宿アストロホール

 先月のライブ・イベントを遅ればせながら振り返るの続き。

 11月17日は、原宿のアストロホールにて、王様のコンサート、それも1969年に開催された伝説のロック・フェス「ウッドストック・フェスティバル」を王様ならではの「直訳ロック」で再現するというもので、その名も「New Old Stock」。
 出演は、王様以外にも札幌Yellow、The DEXSTRINGS、りぶさんが登場。1部は王様と札幌Yellowのコラボに始まり、各バンドがウッドストック・フェスにちなんだクラシック・ロック・チューンを中心に演奏。バンド・チェンジの時間には、別場所にもうけられたスモール・ステージにて王様が弾き語りで、リッチー・ヘブンスの「Freedom」とカントリー・ジョーの「I-Feel-Like-I'm-Fixin'-To-Die」を日本語で披露。これが本当に良かった。特にカントリー・ジョーにはマジに感動。王様の直訳力と説得力には脱帽したぜよ。

 そして、2部では私のオルガン、三浦晃嗣さんのドラムス、六川正彦さんのベースによる「和三六(ワサンロク)」を率いて王様が再登場、ウッドストックにおける名シーンの数々を再現したのであった。

 「和三六」は、今回のためのホーム・バンドのようなもので、これに1部でパフォーマンスしてくれた若きミュージシャン達も曲ごとに加わってくれた。
 2部で、我々がやったセットリストを書いておきましょう。

 m1.Going Up The Country (Canned Heat) 2.With A Little Help From My Friends (Joe Cocker) 3.Suite: Judy Blue Eyes (C,S & N) 4.I'm Going Home (Ten Years After) 5.Medley: Dance To The Music~I Want To Take You Higher (Sly & The Family Stone) 6.See Me, Feel Me (The Who) 7.At The Hop (Sha Na Na) 8.Black Magic Woman~Gypsy Queen (Santana) En1.Purple Haze (Jimi Hendrix) 2.Little Wing (Jimi Hendrix)

e0093608_14435142.jpg m1のキャンド・ヒートはホワイト・ブルーズ・バンドで、ヒッピー達から「KIngs Of The Boogie」とも呼ばれていたそうだ。で、私が思うに、キャンドヒートはアル・ウィルソンに尽きる。70年に27歳で亡くなってしまった彼は、白人でありながら、まるでデルタ・ブルーズの巨人スキップ・ジェイムスを彷彿とさせるような、牧歌的とも幻想的とも言えるボーカルがたまらんのだ。

 この曲のスタジオ版は、イントロから流れるフルートのフレーズが最高にクール。ところが、ウッドストックでは、このフルートがなく、いきなり歌から。間奏などもギター・ソロになっていて、スタジオ・テイクの神秘性はライブではなくなっているのだが、その分、気合いの入った演奏が印象的だった。その気合い(か、ぶっ飛んでたか)は時に行き過ぎて、途中の仕掛けで失敗、後半は演奏がズレまくっている。この辺を解明するために、スタジオ・テイクをチェックして、今回はその折衷アレンジでやってみた。フルート外せんし、ギター・ソロも生かしたいってとこ。

e0093608_14454757.jpg m2は、ビートルズの名曲をジョー・コッカーがカヴァーして大ヒットしたもの。スタジオ・テイクでのギターはジミー・ペイジ。ゴスペル風味の効いたアレンジに激しくシャウトするジョー・コッカーが素晴らしかった。それとオルガンのプレイも印象的で、この曲の肝にもなっていた。なので、前半は私が活躍、後半の怒濤の盛り上げは、ドラムの三浦さんが凄かった凄かった。畏れ入りました、ハイ。なお、ここでのボーカル&コーラスは札幌Yellowの3人が担当した。


e0093608_14471140.jpg m3は、私が中学生の頃に大好きだったクロスビー、スティルス&ナッシュの超名曲「青い目のジュディ」。とにかく、レコードがすりきれるほど聴いた曲の一つ。当時は、アコギの「Dチューニング」がちょっとした話題でありました。これを、同じ3人組のりぶさんがカヴァー、もちろん王様の訳での日本語詞で歌ってくれた。バンドはお休み。私はステージ袖で歌いまくり。


e0093608_14485098.jpg m4は、マシンガン・ピッキングで有名なアルヴィン・リーのバンド、テン・イヤーズ・アフターの演奏の再現。とは言え、彼らもかなりジャムっぽいので、我々もあまりオリジナルを気にせずに自由にロックンロールした。イントロでの王様の早弾きギター、なかなかしびれましたぞ。


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 m5では、The Dexstringsの面々を迎えてのスライ&ザ・ファミリー・ストーンのメドレー。ただし、ウッドストックでは、彼らはどんどん曲をつなげて演奏しまくっているので、ここは、代表的なヒット曲を2曲選んで、王様が再構成してのメドレーになった。
e0093608_14523735.jpg でもって、文句なく盛り上がります、これぞファンクですから。"Dance To The Music"は、元々メンバー紹介みたいなアレンジなので、各プレイヤーをそれぞれフィーチャリングしました。特に、六川&三浦リズム・セクションのファンク度の高さは尋常じゃない。なので、盛り上がりすぎて、きっかけをすっ飛ばしおったわい、ヤレヤレ。でも、面白かった。


e0093608_14592868.jpg m6は、言わずと知れたザ・フーのロック・オペラ「トミー」の中の名曲。で、ウッドストックだけでなく、この当時のザ・フーのパフォーマンスはどれもこれも素晴らしいので、これを再現するのはなかなか大変ではある。ただ、曲自体の出来が群を抜いていて、それをキッチリ演奏するというだけでも感動してしまうから、やっぱりピート・タウンゼントの才能には平伏すのみ。
 この時は、王様はロジャー・ダルトリーを担当し、ギターのピート役は札幌Yellowさんにお願いした。


e0093608_1503178.jpg m7では再び、りぶさんが登場し、三浦さんのドラムと4人でのパフォーマンス。ここでは、2人が振り付けよろしく大暴れで、大いに会場を沸かした。途中、張り切りすぎて、ギターのシールドが外れるアクシデントもあったが、そんなことにはビクともせずにやり切ってきれた彼らは、エライ!


e0093608_1512557.jpg m8は、ウッドストックで一躍大スターへと駆け上がっていったサンタナの曲。だが、この2曲はウッドストック後のアルバム収録で、実際のステージでは演奏していない。だが、やはり有名曲が欲しいとのことで、あえて、この超メジャー曲がチョイスされた。楽曲的には何も言う必要がないし、演奏的にも最高に盛り上がる。もちろん、キーボードも華やかに活躍しますし、何と言ってもギターね。王様、後半では完全に夢中になって弾きまくっていて、いろいろな段取りは全て吹っ飛ばしてました。でも、良いです。あんたが主役!


e0093608_1505452.jpg 盛大なアンコールに応えて、王様極め付きのジミヘン曲。「パープル・ヘイズ」は定番中の定番であり、今回やるにあたって、いろいろなジミヘンのライブをチェックしてみたのだが、どれも意外とキッチリした構成で、当時の彼とバンドが演奏していたのが印象的だった。とは言え、スリリングなムードは、どの演奏にも存在していたことは間違いない。だから、こういう曲はただやれば良いってわけじゃない。やっぱり、その当時の空気感や感性をある程度認識していて、それに共感していなきゃ、うまくいかんよ。
 というわけで、三浦さんや六川さんといったベテランが必要だったわけだ。

 で、1曲じゃ収まらずに、もう1曲、ほぼ即興的にはじまった「リトル・ウイング」で終演。王様、お見事なパフォーマンスに、私、すっかり感動。ロック万歳です。そして、王様の直訳詞、ふざけていながら、心に響いてくるから素晴らしい。おかげで、楽しくも充実した時間を満喫できました。

 で、本番のダイジェスト・ビデオ



 ついでに、リハ風景も


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by harukko45 | 2012-12-05 13:34 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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