THE BEST 大橋純子&美乃家セントラルステイション(1)
2005年 11月 12日
ジュンコさんのベストはいろいろでているのだが、このアイテムがこれまでと違うのは「美乃家」に大きく焦点をあてていることだ。それも、ちゃんと年代順になっているので、美乃家の変遷をダイジェスト的に聴けることができるのである。
そしてある意味、日本ポップス界における革新運動(ちょっと大げさ?でも、歴史的に評価すればそうなるのでは。)であった70年代後半のニューミュージックというものが何だったのかも同時にわかるのであった。
簡単に言うと、それまでの歌謡曲へのアンチテーゼとしてのニューミュージックから、じょじょに融合、そして今の「J-Pop」へ集約されていく流れである。
このCDを聴けば、前半は「戦い」であったことがわかる。それまでの価値観に対する反抗、若い血気盛んなミュージシャン達が求めた「理想」の音。それは、少し間違えれば「洋楽かぶれ」になりかねないもの。その微妙なところを音楽的にしっかり支えていたのが実は大橋純子さんであった。
若いジュンコさんの「段違いに」抜けてくる声がやっぱ、たまらんよ。M1からM6が「戦い」のコーナー、この流れで聴くと"Simple Love"と"クリスタル・シティ"もかなり過激な作品に思えてくる。
で、おもしろいのがM7の"私今日はとてもがんこです"で、この曲でのボーカルは現在のジュンコさんにダイレクトにつながってくるものがあったりする。例えば、独特の「こぶし」やビブラートなど。
だから、これ以後「大橋純子」という存在がバンドより拡大していくのは必然だったのね。M9"Soul Trainまっしぐら"のボーカル、すごい!それと、M11"サファリ・ナイト"はアレンジャー佐藤健さんの充実ぶりが聴ける。これぞ、プロの仕事で完璧な仕上がり。そろそろ戦いの日々から融合の時代に....続く。
で、おっしゃるとおり画期的なBEST盤だと思います。特に美乃屋時代からのファンの方なら絶対楽しめます。美乃屋のファンキーなサウンドやジュンコさんのシャウトも聴けて、ファンの私ですらあり得ないと思っていたNatural Foods(納豆と鯵の干物ソング?)や浮遊感漂うArabian Nightなど、当時の日本のポップスからは一歩も二歩も進んでいた音楽が楽しめます。
DVDの3曲ではSimple Loveが歌番組的オケをバックに美乃屋と共に演奏しているのですが、美乃屋の音がしっかり浮き出しているのに感激。唄ももちろんよかったです。
ジュンコさんのライヴ盤が欲しいな。