ジョン・レノン・スーパーライヴ2011の詳細(5)

詳細(4)からの続き。

 斉藤和義さんを迎えて。

 昨年、斉藤和義さんの活躍ぶりはすごかった。震災直後における、政府と電力会社を批判した"ずっとウソだった"の発表とUstreamでのライブは、かなりセンセーショナルだったし、一方で年末にかけては、人気TVドラマの主題歌が大ヒットしていた。そして、スーパーライヴ2011では、3年ぶりにトリビュート・バンドとのコラボとなり、こちらのモチベーションは大いに跳ね上がった。

 で、彼の1曲目、来た!来た!来た!"Rain"だ! 
 
e0093608_7354952.jpg これぞサイケ時代の金字塔の一つであると同時に、「シングル・カットしたものはアルバムに入れない」という方針の犠牲となった曲でもある。だから"Rain"は、ビートルズ史上一番レアな名曲だったのだ。うーん、力が入るわい。
 私にとっては、どこからどのように聴いても、どれだけ考えても、アルバム「リボルバー」よりシングル「ペーパーバック・ライター/ レイン」の方が価値が高い。それは、「『サージェント・ペーパーズ』にストロベリー・フィールズとペニー・レインを入れときゃ良かったのに!」という気持ちと同じ。まぁ、今は自分でアルバムを編集すれば良いわけだが、それはともかく、このような作品は1曲で10曲以上の内容を持っているということ。

e0093608_7375123.jpg そういう「レインの発見者達」の熱い気持ちを見事に表現したのが、トッド・ラングレンだ。彼は76年のアルバム「Faithful」で、恐ろしいほどの執着ぶりを見せるカヴァー・ヴァージョンを作った。実は、世間で言われるほど完コピではないのだが、肝となる所はしっかり押さえているし、オリジナル以上に迫力を感じさせる部分もあって、カッコイイことこの上ない。そして何より、ビートルズへの深い敬意のほどに、ものすごく感動する。天才トッドがここまでやるなんて、「レインは、何てすげぇ曲なんだ!」と思わずにはいられない。

 私は、2003年に奥田民生さんのバックでも"Rain"をやったのだが、その時はもう一つ掘り下げることができなかった。だが、時間の経過でこちらの準備も整い、今回はより踏み込んだ意識で曲にのぞめたように思う。それに、斉藤さんの少しダルな歌い回しがハマってたし、エンディングで彼の過激なギターソロも加えて、ライブらしい内容になったのは良かったと思っている。でも、もっとやりたいし、何回でも演奏したい。

e0093608_7382228.jpg 2曲目は、一転してシンプルなロックンロール、タイトルもそのままの"Rock And Roll Music"で、まさにノリ一発勝負となった。基本的には延々と繰り返しなので、途中にソロをはさんで変化をつけたりしたが、そんなことよりも、曲にモノごっついインパクトを与えたのは、斉藤さんが書いた日本語詞だった。
 これは単なる和訳ではない創作で、その精神は「キヨシロー的」。2コーラス目以降で彼は「安全と言いながら〜放射能をまき散らし〜汚染水を垂れ流しやがって〜」とシャウト、正確には覚えていないし、書かれたペーパーもないが、とにかく、"ずっとウソだった"を彷彿とさせる、いや、それを上回る覚悟と気迫を武道館のステージで見せつけたのだ。こっちだってシビレたし、燃えないはずがないだろう。ロックの本質をいきなり思い出させた斉藤和義、すごい。

 
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by harukko45 | 2011-12-19 07:40 | 音楽の仕事

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