水越けいこ/2011 クリスマス・ライブ

 18日は岩本町のエッグマン東京イーストにて、水越けいこさんのクリスマス・ライブがあり、昼夜2回公演、それぞれ2時間弱のステージでした。共に、たくさんのファンの方々が詰めかけてくれて、本年最後にふさわしく、盛り上がったラスト・イベントとなりました。まずは、ファンの方々に感謝感謝であります。

 けいこさんとは10月の秋ツアー以来でしたが、この間に事務所移籍という出来事があったりして、ご本人はいろいろと精神的に大変だったことと思います。なので、いつものツアーの時のように、セット・リストを入念に煮詰めてから、リハーサルを行うという時間が、今回はあまり作れませんでした。バック・メンバーである私とギターの田口くんのスケジュールも合わずに、全員で最終形を合わせるのが、本番直前になってしまった曲もあり、ちょっと不安な始まりになってしまいました。
 そういったことで、昼の部では、ところどころ危なっかしい部分が露呈してしまう状況があり、これについては残念な気分でしたし、今後に向けて反省をしなければいけないでしょう。
 ですから、このところのライブでは、実に積極的に参加してくれるようになったファンのみんなの熱さに大いに助けられて、何とか昼の部をやり切ったようにも感じました。

 それで、昼の部終了後に、気になった部分をスタッフとともに検討して、変更を加えたのが夜の部となりました。
 こちらも、ぶっつけ本番的な要素はありましたが、それでも、流れがずいぶん良くなり、集中も高まって、みんなが納得できるものになったと思っています。もちろん、これを最初からお見せ出来ていれば最高だったのですが、それでも、何とかより良いものを作ろうとした前向きの姿勢は、けいこさんを始め我々全員に息づいていたことはお伝えしておこうと思います。

 さて、で、そのセットリストです。

 昼の部: Overture/ A Day〜m1.In The Stars〜2.愛を聞かせて 3.a sonnet〜4.ペルシャン・ブルー 5.幸せの昼下がり〜6.ワインナイト〜7.Dear Summer Time 8.きよしこの夜(Silent Night) 9.もろびとこぞりて(Joy To The World) 10.夏草の道〜11.モナムール 12.Loving You En1.心の扉〜2.この夜に En3.Imagine 4.Merry X'mas with You

 夜の部: Overture/ A Day〜m1.Feeling Blue〜2.愛を聞かせて 3.幸せの昼下がり〜4.モナムール〜5.夏草の道 6.a sonnet〜7.ペルシャン・ブルー 8.きよしこの夜(Silent Night) 9.もろびとこぞりて(Joy To The World) 10.Dear Summer Time〜11.ワインナイト 12.ビューティフル・デイズ En1.心の扉〜2.ほほにキスして 3.Too Far Away En4.Imagine〜5.Merry X'mas with You

 ここでは、夜の部にそって書いて行きます。

 オーバーチュアとして使われたのはけいこさんの1stアルバムの1曲目である、佐藤準さん作曲のインスト"A Day"、今聴いてもなかなかカッコいいです。それに、これから「水越けいこ」がスタートするって気持ちが十分伝わってくるのでした。

 m1.Feeling Blue
e0093608_10325790.jpg ここは「Lady」の曲順通りに"Feeling Blue"となりました。ファンの方々にとっては、ごくごく自然な流れと言えるでしょう。我々にとってもそうです。アルバムの曲順というのは、どなたにも最も慣れ親しんだ流れなので、全く抵抗なく入っていけるのでした。
 ファーストを代表する曲で、竜真知子&水越けいこコンビによる完成度の高さが光ります。佐藤準さんのアレンジはどこかしらにロックぽさが感じられるので、そういう部分を拾いだして強調したくなります。なので、ライブの方がブルージーな印象がするかもしれません。
e0093608_1149691.jpg 昼の部では、"In The Stars"でしたが、これはこれで、なかなかシブい始まりでした。それにしても、やっぱり変な曲ですね。でも、けいこさんにはピタっと似合うわけで、90年代特有のアンニュイさと、音数の少ないザックリ感が面白いのでした。

 m2.愛を聞かせて
e0093608_22414119.jpg そういった意味では、94年の「The Sketch of a Woman」も、同傾向のサウンドを持ったアルバムと言えるでしょう。その中で、シンプルなボサノバ・ビートにのせて、コード使いが凝っている"愛を聞かせて"はシブいけど、演奏しているとなかなか楽しい楽曲です。スルメみたいに、やればやるほど味が出るって感じで、好きです。

 m3.幸せな昼下がり
e0093608_2253452.jpg 1980年の「Love Time」は個人的に"踊り子"と"移る季節(とき)に"がお気に入りなのですが、この2曲にはさまれた"幸せな昼下がり"は今までノーマークでした。ですから、今回初めて演奏しました。曲自体はとっても愛らしいカップルの幸せなひと時の話で、あったかい気分になるのですが、船山基紀さんのアレンジによる間奏に罠が一杯で、演奏している方はなかなかリラックスできません、まったく。
 なので、そのかわりと言っては変ですが、妖しげなイントロとエンディングのフレーズをちょっとフレンチ・ポップスやピンクパンサーっぽいイメージで強調しちゃいました。エンディングはフェイド・アウトとリットまでしてしまいましたよ。

 m4.モナムール〜5.夏草の道
e0093608_2310161.jpge0093608_23125888.jpg 続いて、小島良喜さんアレンジによる「変な曲」シリーズ。これは、前の"幸せな昼下がり"のエンディングのおどけた感じを受けての流れとしました。正直言えば、個人的には80年代後半の音楽は、自分がやってきたことも含めて、今聴くと「?」という部分が随所に聴かれます。たぶん、「今だったら、こうはならなかった」と、たくさんの制作者が思っているのではないかと、勝手に想像します。それは、アレンジがどうのと言うのではなく、あの時代、あの空気感、シンセとエフェクトを多用したサウンド、マシン的なビート感、それらが全て、今聴くと、ちょっと困ってしまう。
 ただ、元の曲自体は好きです。特に"モナムール"はすごく魅力的ですし、"夏草の道"もよりシンプルなロック・チューンとして、もっと生かしたいなと感じています。今回はまだ、ちゃんとした意図を持った形には仕上げられませんでしたが、楽曲はライブでも映えるものなので、今後への宿題としたいと思います。

 m6.a sonnet〜7.ペルシャン・ブルー
 ただし、同じ「Proportion」収録ながら、この"a sonnet"には、文句の付けようがありません。逆にライブでは完全に再現できないもどかしさを感じました。もし機会があれば、ストリングスやハープなどの室内楽的な方向性でまとめて、よりナチュラルな世界を表現してみたいです。

e0093608_23502384.jpg 続けた私のアレンジによる"ペルシャン・ブルー"が打ち込みのオケを使ったのは、対比させる意味合いではありませんでしたが、"a sonnet"で打ち込みを積極的に使ってみても良かったかもしれません。
 私は97年の"Above"で、初めてけいこさんのアルバム・アレンジを担当させてもらったので、この辺りの楽曲にはいろいろ思い入れも深いですし、アルバム全体も結構気に入っています。

 ところで、昼の部では、m3から5のセクションと、m6から7のセクションが逆になっていましたし、"モナムール""夏草"ではなく、"ワインナイト""Dear Summer Time"でした。

 m8.きよしこの夜〜9.もろびとこぞりて
 クリスマスにちなんで、クリスマス・ソングをやったのですが、今回は思いっきり原点に戻った感じでしたねぇ。私はけいこさんのように、教会の日曜学校での経験はなく、この手の曲を子供の頃に歌ったことがないので、日本語でキチっとやるのは、なかなか楽しかったです。"もろびとこぞりて"はけいこさんのハモ・パートの方が大変でしたね。我々男性陣はウィーン少年合唱団のイメージ(?)で、精一杯「けがれの無い心」を思い浮かべて歌いました。

 m10.Dear Summer Time〜11.ワインナイト
e0093608_1125865.jpge0093608_11154334.jpg ライブ後半は、8ビートを強調した2曲で。"Dear Summer Time"はTotoとのコラボでおなじみの「I'm Fine」から、"ワインナイト"は85年の「Actress」から。
 どちらもファンの一人として、好きなアルバム2枚です。共に、リラックスして聴いていられるのが良いのです。特に「Actress」はもっと高く評価してよいのではと思います。いい意味での「ゲセワさ」があります。それがプロの仕事の証明でもあると思います。

 m12.Beautiful Days
e0093608_0273037.jpge0093608_2253452.jpg 本編最後にやった"Beautiful Days"はかなり久しぶりにやったのですが、今回、その良さを再認識させられましたし、一番感動しました。素晴らしい曲だと思います。もっと何度も登場しても良かったと思ったほどです。
 昼でやった"Loving You "も同傾向の作品で、こちらもエンディングに相応しい内容でした。なので、ここでの選曲はどちらもしっかりとした意図を感じて、やっている方も気持ちがよかったですし、とても満足感がありました。

 En1.心の扉〜2.ほほにキスして〜3.Too Far Away
 アンコールに応えて、今回はちょっとヒネリ技(?)、ヒット曲"ほほキス"のB面をやるというアイデアは面白かったのですが、やっぱりA面もやらなきゃ収まらない。というわけで、こういう形に。定番・鉄板の"Too Far Away"は夜のみで、昼は「Above」から"この夜に"でした。

 En4.Imagine〜5.Merry X'mas With You
 ダブル・アンコールに応えて、まずはけいこさんが弾き語りで、ジョン・レノンの"Imagine"をさりげなく歌いはじめました。私と田口くんは最初参加しない予定でしたが、何となく加わってみたら、そういうことになりました。結果、じょじょに盛り上がる感じで良かったようです。

 そして、今回のためにけいこさんが書き下ろした、出来立てホヤホヤの新曲"Merry X'mas With You"が大ラス、覚えやすいメロディのサビを会場の皆さんと繰り返して、楽しくエンディングとさせてもらいました。

 というわけで、今年最後の水越けいこさんのライブも無事に終えることができました。2011年も冬・春・秋、そしてクリスマスと、ずいぶん勢力的にライブをやってきましたし、レコーディングも始まりました。3月の大震災があったものの、けいこさんとしてはよく頑張った一年ではなかったかと思いますし、私自身もバックをずっと担当させてもらって、大いに刺激を受けた一年でした。
 また、ファンの皆さんとも、より身近になれた気がしますし、一体感のある楽しい時間を何度も共有できるようになってきたと思っています。
 今年一年のたくさんの応援に深く深く感謝したいと思います。本当にありがとうございました。そして、来年もまた。
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by harukko45 | 2011-12-24 00:40 | 音楽の仕事

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