大橋純子/クラブサーキット2011詳細(11)
2011年 09月 25日
En1.サファリ・ナイト
"サファリ・ナイト"に関しては、詳細(2)のコーナーでも少し触れているし、曲もアレンジも歌も、まさに「キマッテル!」んだから、何も付け加えることはない。それに、ライブでは特に演奏効果の高い内容なので、必ずと言っていいほど盛り上がるのだった。今回のようにアンコールに応えてのパフォーマンスになると、より熱気倍増って感じでありました。それに、サビでの会場から熱唱ぶりもうれしかったですねぇ。
それにしても、あらためてオリコンのチャートなんかをチェックしてみると、この"サファリ・ナイト"、"たそがれマイ・ラブ"(最高位2位)、シルエット・ロマンス(7位)に続いての3番目(20位)で、"愛は時を越えて"(30位)よりも上だった。
ちなみに、続くのは"ビューティフル・ミー"(40位)、"シンプル・ラブ"(44位)。ただし、売り上げ数で見て行くと、"愛は時を越えて"が3位に浮上して、"サファリ・ナイト"は4位となるが、それでも10万枚以上ですから、たいしたもんです。
もちろん、ジュンコさんも美乃家も、アルバムを中心にした活動をしていたのだから、ヒットチャート云々で評価するのは的外れなんだけど、私が思っていた以上に、"サファリ・ナイト"が一般的にも支持されていた事を、ちゃんと数字が物語っていたのでした。これからも大事にしていかにゃいけませんな、ウム。
En2.You've Got A Friend
ライブの大ラスは、キャロル・キングの名作クラシック曲。たくさんの人がカヴァーしていて、あまりにも有名だが、ジュンコさんは昔からダニー・ハサウェイのバージョンをやっていた。
このダニー・ハサウェイのライブ盤は、「一家に一枚」級の名盤であるし、ここに入っている"What's Goin' On"と"You've Got A Friend"は、ミュージシャンにとっては、ちょっとしたセッションでよく演奏するもので、それほど、このアルバムでのアレンジは人気が高いし、カッコいい。
特に、ソウルフルな歌唱が出来る人には、聴かせどころ満載で、まさにうってつけなのだった。
で、アルバムのプロデューサーは再びアリフ・マーディン師匠で、ほんとに、名盤の影に彼の名前あり、だ。
それにしても、「Donny Hathaway Live」の臨場感って最高。これがライブだ!って感じ。そして、彼が弾くウーリッツァー(Wurlitzer)・ピアノがこれまた最高に気持ちいい。だから、我々がカヴァーする時も、どうしてもウーリッツァーっぽいサウンドでやりたくなるのだった。
とは言え、"You've Got A Friend"の本家本元は、キャロル・キング大先生。1971年の"Tapestry"での弾き語りがまずはオリジナルとなるが、ヒットしたのは、同じ年にリリースされたジェームス・テイラーのシングル盤。その後、アルバム"Mud Slide Slim and the Blue Horizon"に収録されるわけだけど、この2枚の制作はほぼ同時期で、お互いにレコーディングに参加しあっているので、どっちが先だ後だ、ってことはどうでもいいかも。
だが、このジェームス・テイラー・バージョンも、本当に素晴らしい仕上がりで、さすがなんです。その年のグラミーで、最優秀男性ポップボーカル賞、最優秀楽曲賞も当然。とにかく、テイラー自身が弾くアコギの素晴らしさにまずはやられて、優しい彼のボーカルには涙するよ。ラス・カンケル、リー・スクラーらのバックも文句なし。永遠の傑作です。
ところが、今回ウィキペディアをのぞいてみたら、ジェームス・テイラーよりも先に、この曲をカヴァーしていた人がいた。それはイギリスの女性歌手、ダスティ・スプリングフィールドだそうだ。
しかし、レコーディングされたものの、理由はわからないがお蔵入りとなり、長く未発表だった。が、彼女の代表作であり、これまたアリフ・マーディン氏プロデュースの「Dusty In Memphis」が1999年にデラックス・バージョンとしてリイシューされた時に、めでたくボーナストラックとして収録されていた。
私は、本編の方ばかり気にして、ボーナストラックの方はほとんど見向きもしなかったのだが、今になって聴いてみたら、なるほど、60年代のブルー・アイド・ソウルの代表格ともいえるダスティらしい出来で、これはこれで、なかなか。で、イントロのピアノが、ダニー・ハサウェイっぽい感じだけど、そこまでは行き切ってない、って具合。
ひょっとすると逆に、ダニー・ハサウェイが、これを参考にしたかも?なんて。とりあえず、同じアトランティックだし、アリフ・マーディンがらみで、ありうるかも。うーん、また眠れなくなっちゃうなぁ。(ちなみに、ダスティの"You've Got A Friend"はマーディン氏ではなく、Jeff Barryのプロデュース)
まぁまぁ、とにかく、どんな形であろうとも、この名曲"You've Got A Friend"は常に素晴らしいということです。
そして、ジュンコさんは今年、震災で苦しむ被災者の皆さん、そして、いつまでたっても明るい希望を持てないでいる日本人すべてに、この曲の持つ、シンプルでありながら、常に深いメッセージを贈るように歌い切った。
私は、名古屋でのステージで、演奏前のジュンコさんのMCで、この曲の歌詞の暖かいメッセージにあらためて感じ入り、思わず熱いものがこみ上げてきてしまった。何度もやっている曲であるのに、これほど感動して演奏できたことはなかった。
さて、これで、クラブサーキット2011の詳細は終了です。長々と最後まで読んでくださった方には厚くお礼を。そして、各会場にお越し下さった、たくさんの方々にも、厚く熱くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。来年もまた、再会できますように。
レポートに刺激されてクインシー・ジョーンズの「Body Heat」とディアンジェロの「Live at Jazz Cafe」を買ってしまいました!特にディアンジェロは大大大ファンを自称していて、「Can't hide
love」も好きな曲なのに件のアルバムを持っていなかったばかりにこのカバーの存在を今の今まで知りませんでした。。。
クインシーのアルバムではラストの「If I lose this heaven」が気に入りましたが、YouTubeを探っていたらリオン・ウェアとカーリーン・アンダーソン、マイケル・フランティという新旧強力な顔合わせのアムステルダムのライブでのカバーまで見つかり何倍も得した気分になりました。
長々とすみません(笑)、日本国外に住んでいるので和田さんのライブステージには行けませんが、これからもご活躍期待しています。
私は、今年のクラブ・サーキットは、初めての「全国行脚」。名古屋・大阪のそれぞれオーラスと、東京全ステージ、計6回参戦しましたっ!!
「所変われば・・・」を体感できたし、回を重ねて充実していくみなさんの様子も実感したし、私にとってもかなりスペシャルな夏でしたよ。
いろんな角度からの和田さんも、堪能させていただきました(笑)。
何回聴いても、新たな感動が伝わってきて、純子さんとバンドのみなさんのアツい想いと愛をたっぷり感じながら、エッサホイサと伴走できて楽しかったです!!
これからも、ワクワクさせて下さいねっ♪
バンドが全員集まるのって、だんだん少なくなってきてしまって、クラブサーキットだけが特別な感じですけど、それだけに、これからもお互いにワクワクできるように頑張ります。
Joshさん、返信ありがとう。これからもよろしくです。音楽談義はつきませんので、また、どんどん遊びにきてください。