大橋純子/クラブサーキット2011詳細(1)

 7月15日の名古屋ブルーノートを皮切りに、大阪、東京で全12ステージをまわってきた今年のクラブサーキットは、ここ数年では最も「体力」勝負な内容でした!でも、これはコンサート自体の「熱さ」にも結びついて、我々ステージ上のものだけでなく、会場での反応がどこも熱かった。みんな、盛り上がりたいんだ、楽しみたいんだ、って思いがこちらにも伝わりましたし、そういった意図を持って、ステージにのぞんだ我々も間違っていなかったと強く感じたのでした。

 もちろん、今年は、大震災による悲劇ということを、心のどこかに強く刻んでの演奏になります。演出的に何かしら結びつきを持たせなくても、歌詞の一言一言や、フレーズの一つ一つに自然と「鎮魂」への思いがふくまれてくるのでした。

 さて、いつものようにセット・メニューにそって振り返って行きたいと思います。

 m1.シンプル・ラブ〜2.Smile Again

e0093608_1042357.jpg m1によるオープニングというのは、何回かライブに来てくださっている方には定番な感じでしょう。昨年は違う形でのオープニングにトライしましたが、今年は再び"シンプル・ラブ"が復帰したのでした。
 言わずと知れた1977年の大傑作で、美乃家セントラル・ステイションとしての第一作である「Rainbow」の1曲目。やっぱり、この曲には「1」が似合うのかな。

 ただし、最終的には続けてやったm2は、かなり久々の曲で、かく言う私でさえ、ライブでやるのは初めてでありました。

e0093608_10561998.jpg 現在のバンド・メンバーである、土屋潔さん、六川正彦さん、後藤輝夫さんの3人はこの曲のレコーディング・メンバーですから、録音当時のことはよくよく記憶しておられるようです。何と言っても、ゴトウさんによるイントロのサックス・メロが印象的なんだけど、これがレコーディングではかなり苦労したとのこと。なかなかうまくいかなかったので、しばし休憩をとったところ、ゴトウさんは何処かに消えてしまったらしい。
 ところが、スタジオに帰ってきた彼は、すぐにレコーディングを再開。何と一発で決めてしまったのだそうだ。一体、ゴトウさんに何が起きたのか。そこの部分は未だにトップ・シークレットなんすよね。

 さて、今回の我々の演奏は、スタジオ・テイクに比べるとずいぶんテンポが遅い。逆に、CDを聴くとずいぶん速く感じますなぁ。今の気分はよりしっとり、じっくりとやってみたかったということなのかも。ただし、これは何度かリハしていくうちに、自然とそういうムードが強くなっていったように思います。
 とにかく、テンポがどうであろうと、曲として成り立ってしまうということが大事。それだけ曲に力があるという証明でもあるわけです。

 実際の演奏では、ゴトウさん以外のメンバーは、終始いたって気持ちよく、実にリラックスしてプレイできましたね。ベースの六川さんはこの曲がお気に入りなので、念願のライブ演奏にご満悦でした。
 名古屋の1回目を終わってから、よりメリハリをつけたい、というケンさんの指摘から、この2曲をMCなしでつなげることになりました。また、ドラムのカウントなしで、サックスのピックアップで始めるために、ゴトウさんは否応無くプレッシャーがかかったようです、デヘヘ。
 それと、この部分のアレンジはサックスのメロディに合わせてシンコペーションのアクセントを付けて行く(業界的に言うと、「クっていく」)ので、何気なく油断した状態で始めると(「クッたところを小節の頭に感じると)、一瞬どこがどこだか、わからなくなる危険があるのでした。で、グルーヴの指針は実はサックスのメロディに委ねられているので、ゴトウさんのプレイが全て、ってなるわけです。

 ですから、このイントロ部分ではいろいろな状況のゴトウさんが垣間みられて面白かったですね。自信に満ちて堂々たる彼、繊細さで一杯の彼、愛情に満ちた彼、軽口をたたいている彼...。曲のタイトルが"Smile Again"っていうのも象徴的でした。なぜなら、どんな場面でも、こちらを「ニコリ」とさせてくれるのがゴトウさんですから。

 さて、この隠れた名曲が入った79年の「FULL HOUSE」には、それまでの美乃家サウンドからガラっと変わった内容で、派手さはないけど、興味深い曲が並んでいます。当時のキーボードで、アレンジャーでもある小田健二郎(オダケン)さんのキャラがなかなか絶妙ですよ。個人的には"夢をみようよ"とか"9月になったらGOOD-BYE"も、今やったら面白い気もします。

 そうそう、だいたいここには私の超お気に入りである"ビューティフル・ミー"のオリジナル・テイクが収められているのでした。個人的にはそれだけでも名盤の価値となります。
 
 えらく長くなったので、続く。

 
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by harukko45 | 2011-08-20 12:20 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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