水越けいこ/スプリング・ツアー2011の詳細(2)

詳細(1)からの続き。

 水越けいこさんの春ツアー2011を振り返る後半戦。4リズムのバンドに、ここからはトロンボーンの福原タカシさんと、サックスに東京・名古屋では加藤聡さん、大阪・京都では山本さんが加わってくれました。私がけいこさんのバックをやるようになってから、2管でのブラス・セクションと一緒にやったのは初めてでしたから、なかなか新鮮でしたね。
 
m12.瞳のせい〜m13.哀しみが終わらない〜m14.Feel So Blue

 偶然かもしれないですが、このコーナーでの3曲は全てアルバムの1曲目を飾ったものばかり。

 85年の「Actress」のオープニングであるm12は佐藤準さんの凝ったアレンジがなかなか面白い曲で、スタジオ版でもブラスが大活躍しておりました。特にエンディングにかけてのセクションは全盛期のシカゴのブラス・アレンジを彷彿とさせるような感じでした。今回はトランペットがない編成だったので、よりシカゴっぽいサウンドに聞こえました。(シカゴはトロンボーンのジェームズ・パンコウが有能なアレンジャー&ミュージシャンなので、3管編成でもトロンボーンが中心になってしまうのでした。そこが彼らのユニークな特徴でした。)
 オリジナルだとエンディングはギターソロで、そのバックにブラスが来るのですが、個人的な好みで、今回は逆にブラスをフィーチャアすることにしました。その他にも曲のいろんなところにシカケがあるアレンジというのは、最近ではあんまりないので、これもいかにも80年代ぽい感じが楽しかったです。

 続けた、90年「Sepia」のオープニング曲であるm13は、名ピアニストの小島良喜さんらしいブラック・ミュージックの要素がふんだんのアレンジ。冒頭、ソプラノ・サックスのソロがフィーチャアされており、まさに今回のバンドを生かせる内容でした。フュージョンっぽいハネたグルーヴが、ジャム・セッションぽい感じもあって、特に関西での本番は、バンド全体が実にリラックスしていてとっても良かったと思いました。

 82年の「Vibration」のオープニングであるm14は、ウエストコースト風でもありますが、日本の「ニューミュージック」と呼ばれたサウンドの一つの形と言えるかも。ある意味、何でもありの雑食性とそれを大胆に消化してしまう、たくましい胃袋をもっていたのが、この当時の元気な日本のポップス界だったのでした。それにしても、サトジュンさんのアレンジには「ツカミ」と「クサミ」がありますなぁ、さすがです。

m15.ほほにキスして〜m16.そしてetc...

 いよいよライブも終盤。m15は説明不要のヒット曲。とは言え、私がやるようになってから、この曲はどんどんロックンロール調になっている感じです。ブラスも加わって、ますます70年代のグラム・ロックっぽいムードでした。個人的にはすっごい楽しいです。

 続けてのm16は名曲で、名アレンジだと思っておりますが、今回はより大胆になって、間奏のクラシカルなアレンジをやめて、スパイク・ジョーンズの冗談音楽やディズニーランドのパレード・ミュージックをイメージした形にトライしてみました。
 なので、リズム・セクションは「トムとジェリー」の追っかけシーンのバックに付けるような感じで、ブラスのお二人には譜面でなく、まずはアドリブで、ニューオリンズ・ジャズやディキシーランド・ジャズっぽい演奏をお願いしました。

 ミュージシャンの皆さん、反応のいい方ばっかりだったので、すぐにこちらの意図を理解してくれたのはうれしかったですね。でもって、回を重ねるごとにどんどん良くなっていき、スケールも大きくなって行きました。これがバンドの醍醐味とも言えます。トロンボーンの福原さんは「ガチョーン」のイメージで演奏していたみたいです。

m17.生まれ変わる為に
 
 本編最後は79年「Aquarius」の1曲目、詞・曲・アレンジが大きなスケールの中で、幸せに結びついている作品。文句ない名曲です。実際演奏するのは、結構難しい曲で、このところのライブではしばらく登場していなかったのではないでしょうか。今回のような編成でなくては、なかなかこの曲の良さを引き出すのは難しかったと思います。そういった意味でも、このバンドで演奏できたのはラッキーだったと感じました。
 ベースの内田くんのプレイが全体を良くコントロールしてくれたのと、けいこさんがステージを去った後のサックスとギターの白熱のソロが最高に興奮させてくれました。

En1.About Me〜En2.Too Far Away

 アンコールに応えて、まずは新曲でニューアルバム用に先月レコーディングしたての新曲を、田口くんと私だけのバックでやりました。ちょっと、今までとは違ったムードも感じていただけたかもしれません。
 それに続けて、代表作であるEn2をやりましたが、やはり、どんな状況でどんな編成でやっても、常に新鮮な喜びを与えてくれる曲です。

 東京・名古屋・大阪の1回目では「En1.Too Far Away〜2.蒼い涙」でした。

En3.心はOut Door

 ダブル・アンコールに応えて、80年の「Like You !」からのEn3を全員で。これまた派手なアレンジでブラスも大きくフィーチャアされており、東京や名古屋では本編の方でやっていましたが、最終的にはこの場面でやることになりました。ファンの方々が大いに盛り上がって拍手してくれていたのがうれしかったです。ブラスだけでなく、リズム隊の二人の演奏もすごくグルーヴィで良かったですね。

En4.ラストナンバー

 すべての最後は、82年「Vibration」から。文字通りのラストナンバーで、それに相応しいアレンジに元々なっているし、けいこさんのボーカルが実に力強かったのが印象的でした。関西の2カ所では新たにブラスにも加わってもらい、よりダイナミックな形になり、最高のラストナンバーになったと思います。特に京都でのエンディングでは全員の「やりきった感」が満ちていて、本当に幸せな気持ちになりました。

 ですから、京都での打ち上げはとんでもなく盛り上がりました。いやぁ、久々に飲み倒して楽しかった!!それもこれも、この本番が全員で良かったと感じていたからでしょう。

 東京、名古屋、大阪、京都の各会場にお越し下さったファンの皆さんにはあらためて厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。そして、次回は秋ですね。それまでに、アルバムが完成できるようにそちらも頑張らねば。今年の水越さんはまだまだ熱いですよ。どうぞ、ご期待ください。


 
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by harukko45 | 2011-06-23 00:11 | 音楽の仕事

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