レコーディングは続く

 このところはずっと自宅でのダビング作業が続いています。家にばかりいて、自分一人でやっていると、だんだん視野が狭くなってきて、ほんとにしょうもないような小さなことにこだわってしまい、後で聴くと実に無駄だったことに気がついたりするのです。今回もまた、そのような雰囲気も漂いつつある今日この頃ですわなぁ。

 水越さんのダビング作業はリズムを録った5曲については終わりましたが、どうしても1曲だけしっくりはまってない気分が残っており、この曲でいろいろやっているうちに、まさに悪い流れを呼び起こしそうな気配が漂ってきた。うーむ、しばらく放っておきますか。不思議に思われるかもしれませんが、曲も少し置いておくと熟成して、しっくり来るようになるのです、過去の経験から。
 とは言え、もちろんそれはこちら側の精神状態が変化するからなんですが。

 さて、そんな中、一昨日(18日)は、別件でスタジオに呼ばれてプレイヤーとしてレコーディングをしてきました。それは森山良子さんのためのもので、プロデュースはなんとムーンライダーズの鈴木慶一さん。この二人の巨匠による作品に参加できるとは、なんと光栄な。
 私以外のメンバーは、ギターの徳武弘文さんをはじめとする「Dr.K Project」に関わる人々。ベースに六川正彦さん、ドラムス高杉登さん、ペダルスティールに尾崎孝さん、そこにバンジョーに有田純弘さん、そしてもう一人のギター星川薫さんが加わるという豪華さで2曲録りました。

 私は最初の曲でハモンドB-3、もう1曲でピアノを弾きましたが、まぁとにかく、普通に譜面を見て、それを確実に弾きこなすといったたぐいのものではなく、ミュージシャンの感性とともに、過去の音楽への造詣の深さをも試されるような部分があって、ものすごくスリリングであり、楽しかった。
 で、今回の慶一さんのアレンジには一見シンプルでありながら、その奥に潜む大きなストーリーとか、あるいは絵画のような世界があって、そこに各自がカラーリングや脚色を自由に施して行く感じ。だから、最初は戸惑う部分があるのだが、始まってみると、演奏しながらその謎を見つけられるようになる。
 もちろん、頭の中ではその鍵を見つけて奥の世界が見えた気がしても、実際にプレイでそれを表現しなければ何にもならないわけで、そこがドキドキするような体験になったのでした。

 それと、良子さんのボーカル、やっぱり凄いです。凛として堂々たる存在感があって、本当に素晴らしく、安易にバックつけられないです。でも勇気を持って切り込んでいかなきゃならんのです。

 そしてそして、一緒にやったプレイヤー達の巧さとセンスの良さに、あらためて感動させられましたわい。うー、さすがです。みんな一人一人が超個性派ですから。
 だから、不思議でもあり、当然とも言えるのだが、いいプレイヤー達が集まって、比較的自由にいろんなエッセンスを出し合っても、それが自然に絡み合い、反応しあっているので、一つの物語を作っていたのも事実。

 たぶん、この日録ったたくさんの素材を慶一さんが選び抜いてまとめあげるんだろうな。スタジオでの壮大な絵物語が、そのままの形で残るのか、はたまた、全く別の世界になっていくのか、実に楽しみであります。すごくいい刺激をいただいた日でありました。
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by harukko45 | 2011-05-20 18:10 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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