冷泉彰彦氏のブログ

 ニューズウィーク日本版に掲載されている、冷泉彰彦氏のブログ"プリンストン発 新潮流アメリカ"に、アメリカの原子力専門家が、今の「フクシマ ダイイチ」をどう見ているのかが、わかりやすくまとめてあった。
「東電原発事故、アメリカの当面の見方から「全体像」は浮かぶのか?」

 その専門家とは、スチーブン・チュー米エネルギー長官(ノーベル物理学賞受賞)、グレッグ・ヤツコ米原子力委員会(NRC)委員長、アラン・ハンセン氏(仏アレヴァ社系列の燃料処理企業の幹部、元IAEAの研究員)というトップレベル。

 で、この3人の見解を総合したあたりが、アメリカでの平均的な現状分析ではないか、とのこと。

 短くすると、
(1)燃料の溶融が最も激しいのは「1号機」で70%、次いで「2号機」の33%

(2)最悪の状態においても、溶融した燃料は飛沫が圧力容器内に飛散した可能性はあるが、「圧力容器底部の底抜け」が起きている可能性は低い。従って臨界の可能性は低い。

(3)「1号機」「3号機」の建屋内で水素爆発が起きるのは「設計上の仕様」であり、その際に建屋がうまく上部だけ崩壊して格納容器を守るのも「仕様」。ビジュアルではひどい爆発に見えるが想定内。

(4)「2号機」では、恐らく建屋上部ではなく「圧力抑制室」に水素が溜まって爆発したのではないか? 原因不明の線量の急上昇や、線量の高い汚染水の存在からそのような推測が成立する。

(5)圧力容器内に(底ではなく横、もしくは配管系)マイナーなダメージがあると見るべきではないか。とにかく現状では、水で冷却すると汚染された蒸気が出る、それが漏れる中で、放射性物質の大気中への放出はゼロにはなっていない。

(6)「4号機」の燃料保管プールは、恐らく相当長い間「カラだった」と推測できる。仮にそうであれば、「4号機」からは空気中に相当な線量が出ていたと推測できる。今はプールに水が満水で、安定に向かっていると考えられる。

 ということで、日本政府の見解に近いが、同じような内容でも、ストーリーがあるので、説明としてわかりやすい。日本の会見がいかに下手で、全体像を示せないので、海外から「情報不足」だ「隠蔽だ」となるわけだ。
 しかし、冷泉氏は大前研一氏が27日に指摘している「最悪のシナリオ」の可能性は全く排除できないともしている。

 氏が最後に述べているように、日本政府ももうちょっと真っ当で整理された「現段階の正式見解」を早くだしてほしい。そうでないと、ますます国際社会からの信用は堕ちるばかり、今の調子を続けていると、日本人への同情と支援から「放射能をまき散らす加害者」への怒りにかわってしまう。もちろん、日本国民だって怒っている。
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by harukko45 | 2011-04-05 23:57 | 日々のあれこれ

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